CSR情報

林業から始める「地方創生」
よりエコロジーな住まいづくり

少子高齢化、大都市圏への人口集中などによる地方の過疎化は、
現在の日本において大きな社会課題となっています。
それらの課題を解決する「地方創生」において、林業は重要な鍵となる産業です。
住友林業グループは、永年にわたる社有林経営で得た知見を活かし、地方の森林・林業を支援しています。

事業で培った経験を「地方創生」に活かす

日本は、国土の約2/3が森林という世界でもトップクラスの森林国です。しかし、森林資源を活かす産業である林業は伸びておらず、木材自給率はようやく30%台を回復するという低水準にとどまっています。
豊かな森林が広がる地方において、林業は持続可能な雇用を生み出し経済を活性化させる鍵となります。また、人の手が入った人工林は放置すると荒れてしまうため、自然環境や生物多様性の面からも定期的な間伐・適度な伐採が必要です。
このため、近年では農林水産省をはじめとした国の機関や、各地方自治体が、林業への支援に取り組み始めました。
住友林業は、創業以来、社有林で持続的な森林経営を行い、その資源を活かす事業を続けてきました。計画的な造林や伐採、家づくりやバイオマスエネルギーとしての木材活用など、事業を通して培った経験とノウハウで地方創生に貢献できると考え、現在、自治体や森林組合などとともに森林再生・地域林業の再構築にも積極的に取り組んでいます。具体的には、森林管理へのICT 導入や効率的な基盤整備方法、施業方法の提案等を行っています。

森林管理のためのICTシステムの画面

資源を活かしきるプランと新しい技術の融合

住友林業グループの森林経営は、まず森林の状態を詳しく分析するところから始まります。地形や植生、森林資源の蓄積状況などの情報を基礎データとして収集し、その森林の利便性、環境保全などの機能を踏まえて計画を策定。森林から得られる資源は木材・建材としてだけでなく、木質バイオマス発電やそのほかの燃料などとしても活用できます。そうした活用方法を含め資源を活かしきるためのプランもあわせて検討しながら、同時に林業の要ともいえる苗木の生産なども行います。住友林業グループでは、国内4カ所に主として施設栽培による苗木生産施設を設置しました。苗木の育成は今後の林業発展に欠かせない要素であり、同時に雇用創出にも寄与します。ハウスで行う施設栽培は露地栽培と比べて労働負荷が低く、雇用できる人材の幅が広がるためです。さらに、林業の作業を軽減し、より安全なものにするため、アシストスーツの開発・導入をロボットメーカー企業や大学等研究機関とともに進めています。

苗木を効率的に育てる苗木生産施設

岡山県真庭市で林業と里山を育てる

中山間地域林業のモデルケースに

岡山県真庭市は面積の8割を森林が占める地域です。住友林業は、2015年8月、真庭市の「里山真庭の森林(もり)づくり推進事業」の事業者として選定されました。市や地域の森林組合とともに、「森林・林業マスタープラン」を策定し、拡大する木材需要に対する供給力向上を目指します。マスタープランの策定にあたっては、森林整備や林業振興と環境保全をバランス良く保つ森林経営を重視しました。
真庭市をはじめとする中山間地域は日本の約2/3を占めます。傾斜地が多くほかの産業に不利な地域とされているため、この中山間地域の活用において特に重要なのが林業です。真庭市の事業は、新しい林業のモデルケースになると期待されています。

暮らしに寄り添う里山づくりを目指す

2015年度は、真庭市内約5,700haのモデル地区での森林資源量の把握、ゾーニングの実施※1、伐採計画などの作成を行いました。また、獣害対策としてシカによる食害を軽減するための実態調査と対策案の策定や、将来の木材需要動向を見据えた計画を策定するための地域の林業従事者への聞き取り調査も実施しました。ここで得た情報をもとに、市民の暮らしのそばで積極的に利用できる「里山」として森林を育成していく計画です。

  • ※1 空間を用途別に分けて区別すること
導入した高性能な木材集材機「タワーヤーダ」

高性能な木材集材機「タワーヤーダ」
を導入

真庭市で地域住民向けに行ったワークショップ

真庭市で地域住民向けに行った
ワークショップ

京都府京丹波町で最先端の森林資源量解析システムを導入

京都府京丹波町では、面積の8割を占める森林を活かして林業を発展させ、雇用の創出、林業労働者の定住、森林の適切な整備を行うことを目指しています。住友林業は、それらの取り組みの基礎となる「森林資源量解析システム」の構築と運用コンサルティングを受託しました。2016年3月から稼働しているこの「森林資源量解析システム」は、航空写真と航空レーザー測量を組み合わせた航空測量技術により森林の状況を高精度で把握します。また、京丹波町役場と京丹波町森林組合を結ぶネットワークシステムを導入することで、対象区域内の民有林、公有林の森林資源情報の共有が可能になるため、より実効性の高い伐採計画や林道開設計画の立案が期待されています。

航空レーザー測量手法イメージ

航空レーザー測量手法イメージ

京都府立大学 副学長(森林科学科 教授) 田中 和博氏
京都府立大学では、京都府内の地域振興や産業・文化の発展等に貢献することを目的として、2004年度から地域貢献型特別研究(ACTR:Academic Contribution To Region)に取り組んでいます。2016年度は京丹波町から申請があった『ITデータを活用した森林管理手法の高度化・合理化に関する実証的研究』が採択されました。これは、住友林業株式会社によって構築された同町の「森林資源量解析システム」を使って、持続可能性と生物多様性に配慮した森林計画や、林業の産業化と地方創生に貢献する森林管理について、産官学が連携して研究に取り組むものです。この研究がモデルケースとなり、森林再生や地域林業の再構築につながっていくことを願っております。

田中 和博氏

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