CSR情報

トップコミットメント

自然の力、木の特性を最大限に活かしイノベーションで持続可能な社会に貢献します。住友林業株式会社 代表取締役 社長 市川 晃

住友精神に支えられたESG企業のあるべき姿

社会と企業の持続可能性に対しこれまで以上に関心が高まっています。企業は財務諸表だけでなく、長期成長の指標となる環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みとその開示が、機関投資家は企業のESG情報の確認が求められるようになってきました。2017年7月には、世界最大の資産を保有する日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、ESGに積極的な日本企業を構成銘柄とする新しい3つのインデックスを公表しました。

当社は、財務・非財務の両面で実績を示し、開示していくことが市場評価につながるという認識のもと、2020年をターゲットにした「住友林業グループCSR中期計画」の策定・SDGsとの紐付け・実行などさまざまなESGへの取り組みを行ってきましたが、GPIFが公表した3つのESGインデックスすべての構成銘柄として選定されています。

この「CSRレポート2017」は、非財務面での取り組みに絞り、株主やお客様、お取引先、そして社員や地域コミュニティといった多様なステークホルダーの皆様との対話の一助とすることを目的にしていますが、2017年はESGへの取り組みと企業業績を総合的にとらえた「統合報告書」を初めて発行します。併せてご覧いただくことで、当社のCSRの取り組みが業績とトレードオフすることなく密接に関連している点をご理解いただけると考えています。

住友精神のひとつに「自利利他 公私一如」の考え方があります。住友林業グループは1691年の創業以来、先人が100年かけて育てた「木」を通して世の中に新しい価値を提案することで事業を拡大してきました。次の100年を見据え、木を植え森を育んでいくことは、企業としての持続可能性を担保するためには必要不可欠です。同時に、森林の土砂災害防止や生物多様性保全などの公的機能を維持することは社会的責任を果たすことにもつながっています。

「住友林業グループCSR中期計画」では、「持続可能性と生物多様性に配慮した木材・資材調達の継続」を重要課題のひとつとして認識し、2016年度は「住友林業グループ調達方針」に基づいた仕入先審査を継続的に実施したほか、2017年5月20日に施行された日本のクリーンウッド法への対応を着実に進めました。

また住宅事業においても、建築後の数十年にわたるメンテナンスプログラムや、リフォーム・リノベーションによる優良な社会資産の形成など、長期的な責任や役割が期待されています。こうした責任や期待に応え続けるためには、当社自らが持続可能で安定した経営を続けていくことが非常に重要です。ESGインデックスへの組み入れは当社のこうした企業姿勢が評価されたと考えています。

自然を活かし、自然と共生する事業を

2016年11月のパリ協定発効を受け、各国政府や企業が温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みを加速しています。「事業活動における環境負荷低減の推進」は当社の重要課題のひとつであり、新築住宅におけるネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)の普及を推進しています。2016年度の普及率は21.3%(着工ベース)と目標を大幅に達成したことを受け、2020年度目標を80%という高い水準に引き上げました。2030年までにZEHを新築住宅の標準とすることが国の目標として掲げられていますが、その実現に向けての貢献につながります。太陽光や風など自然の力を活かし、過度に冷暖房機器に頼らない「涼温房」の設計思想が基礎にあることで、当社らしい提案が可能になっています。

商品を通じた貢献に加え、森林減少を抑制することも重要な使命です。世界の温室効果ガス総排出量の15%から20%は森林減少が原因とされています。成長の過程でCO2を吸収し大量の炭素を固定する木が火災や違法伐採などで失われることがないよう、持続可能な森林経営こそ温暖化対策の要のひとつになると考えています。

自然の力を活かす再生可能エネルギーへの取り組みでは、バイオマス発電や太陽光発電の事業化を進めています。2016年12月には、木質バイオマス発電としては国内最大級となる紋別バイオマス発電所が営業運転を開始しました。同年5月には再生可能エネルギーのリーディングカンパニーである株式会社レノバに資本参入し、業務提携契約を結び、風力や地熱まで含めた幅広い事業の可能性を検討しています。

イノベーションが拓く「木」の可能性。その魅力を発信する

「木」は、森林を適切に管理することで永続的に活用できる自然資源であり、温暖化対策以外の面でもさまざまな社会課題解決の可能性を秘めています。今後世界的に木材需要拡大が予想される中、木の可能性を拓き、その利活用を拡大することで、持続可能な社会の構築に貢献します。

建築材としては当社オリジナルの1時間耐火構造部材「木ぐるみCT」がすでに実用化されており、耐火地域での中大型木造建築物の可能性を広げました。また、木造建築や木質空間が人の情緒や集中力に良い影響を与えることは研究でも証明されており、非住宅の木造化・木質化を進める「木化事業」の健康・医療・福祉分野への展開には大きな期待があります。

2019年3月期を目標年度とする「住友林業グループ中期経営計画2018」では、介護事業を注力分野のひとつに定めています。2017年4月に兵庫県で3つの有料老人ホームを運営する神鋼ケアライフ株式会社の株式を取得。すでに12施設を提供する株式会社フィルケアと合わせて、有料老人ホーム、デイサービスなど介護事業の分野で木の魅力や効用を活かしたサービスを提供していきます。

また、鋼鉄の5分の1の軽さでその7~8倍の強度を有するといわれるセルロースナノファイバーなど新素材の分野でも「木」は大いに注目されています。イノベーションが拓く木の可能性、利活用の拡大を追究すべく、社員一丸となって取り組んでいきます。

チャレンジを恐れない活力あるグローバル企業であるために

企業は人の集合体です。一人ひとり意見や考え方が異なるのは当然であり、自分の持っている能力、実力をいきいきと発揮している社員が集まる企業には活力があります。そのような組織風土、職場環境をつくっていくのが私たち経営陣の使命です。

住友林業グループの事業は、日本国内にとどまらず、17の国や地域に広がっています。例えば住宅事業では、アメリカで2017年1月に株式取得したエッジホームズを加え、6社が12の州で事業を展開。2016年度は、オーストラリアと合わせ約1,500人の社員が7,000棟を超える戸建・集合住宅を供給しました。

グループが成長・拡大していく中で、世界中で活躍する社員が、住友林業グループとしての価値を共有することも重要です。新たに「住友林業グループ倫理規範」を制定し、グローバルスタンダードでの共通言語としてグループ内での浸透・運用を図っていきます。住友林業グループは社会の利益を常に念頭に置き、誠実さをもってチャレンジを続けることで、グローバルに展開する総合生活関連企業集団として「世界に冠たる森林企業」を目指していきます。

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