その担い手たちの横顔 Designers File

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北地 忍 インテリアコーディネーター

お客さまにふさわしい空間に。

デザインとクオリティを意識しながら、お客さまに最もふさわしい空間提案ができればいいと、いつも思っています。でも、押しつけはできません。よりお客さまのオリジナリティが表現されるものにしたい。そしてアクセントには、トレンドも少し意識して盛り込みたいと思っています。

Work style

  • お客さまの大切な思い出を受け継ぐ
  • その地域の伝統と風土を活かす
  • ライフスタイルに合わせて収納を工夫

Design

最近の設計から

京都府 Tさま邸

「継続可能な美」-Tさまが何度も口にされた言葉です。飾り立てるのではなく、素材やデザインを吟味しながら、いつまでも飽きの来ないシンプルなものにすること。たくさんの思い出の品や京都ならではの伝統技能や素材を活かしながら、コーディネートプランを立てていきました。

お客さまの大切な思い出を受け継ぐ

Tさまは、新しい住まいに飾りたいと考えられている物をたくさんお持ちでした。「小さなギャラリー」というイメージを持たれていたのではないかと思います。思い出の品物や今まで使われて来たものをどう活かすか、それを考えていきました。

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リビングに思い出の品物を飾る棚を設けました。バックにはビードロガラスを使って、小物が引き立つようにしています。棚の下には飾りきれない物が収納できます。

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ご夫婦で長くスイスに滞在されていたTさま。帰国前にスイスのご友人から受け取った記念の鋳物プレートは大切な品です。みんなが集まるストーブのそばに飾りました。

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Tさまの同級生で漆芸作家として活躍されているご友人の作品を、エントランスの壁に取りつけました。大きさに合わせてドアの位置をずらしスペースを確保しています。

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庭のしだれ桜は毎年美しい花をつけて楽しませてくれます。それを同じ場所に残しました。眺めを楽しむためにソファは座りやすく、また視線が通る背の低い物を選びました。

その地域の伝統と風土を活かす

床材や襖紙など、この街ならではの伝統や風土に見合ったものを取り入れ、そのクオリティを楽しみたいというご要望でした。町並みのことも真剣に考えられ、そのために庭はほとんどそのままに残されています。

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「京唐紙」をぜひ使いたいというお話がありじっくりと選びました。朝の光、昼間の光、そして夜の灯り--時間によって表情が微妙に変化します。

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和室は海外からのお客さまも滞在される予定です。襖の引き手金物の選択にも時間をかけ、日本の伝統美を味わっていただけるようにしました。

ライフスタイルに合わせて収納を工夫

留守中にご主人宛に来る手紙の量が非常に多いというお話があり、どこに何を入れるかという具体的な検討をしました。また、奥さまは通訳の仕事をされており、1000本近いカセットテープをお持ちです。そのボリュームに合わせて収納家具をつくることにしました。

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大学で教壇にも立つ奥さま。書斎に収納スペースを確保して、たくさんの資料や書籍を、すっきりと収めました。

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カセットテープの大きさに合わせて引き出しのサイズを決定。1000本近いテープのケースを整然と収めました。

Photo gallery

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北地 忍 インテリアコーディネーター

コーディネートを終えて 書斎の行灯風の照明、和室の襖紙にも使用した京唐紙でできています。この柄の名は「shinobu」。私の名前と同じ名のものを選んでくださいました。うれしく、そして少し誇らしく思っています。Tさまの思いを受け、営業、設計、生産、外構、それぞれの担当がひとつのチームとなってつくり上げていったお住まい。これから年月を経るごとに、ますます奥深さを増していくと信じています。

北地 忍 インテリアコーディネーター Shinobu Kitaji

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