その担い手たちの横顔 Designers File

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篠田 崇 建築士

家族が幸せな家とは

家は、住む人が自分の「居場所」と感じるところ。その無意識で自然体の心地よさを、何よりも大事にしたいと思っています。自分が設計した家に、夕方、灯りがともり、ご家族の楽しそうな生活が見えたら、これほどうれしいことはありません。

Work style

  • 無意識に感じる光や風を大切にする
  • 設計は春夏秋冬の全てを想定して行う
  • ご家族と哲学を共有し、必要なことを一緒に見つける

Design

最近の設計から

千葉県 Sさま邸

「これから小さな子どもたちが成長していく10年を大切にして、子どもたちが思い出を残せる家づくりをしたい」とSさまは語りました。できるだけ同じ空間で、家族4人が心地よく過ごせる家――それがご要望でした。

無意識に感じる光や風を大切にする

住まいの最も大切な要素は、空間を満たす光や風、匂い、そして外の眺めだと思います。敷地の環境をしっかり読み込んで、窓の位置や大きさを工夫しました。

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リビングには勾配天井の高い位置にハイサイドライトを設けました。部屋の中からいつも空が見え、流れていく雲が見えます。

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2連の横長の窓は、外部からの視線を気にせずに光を採り入れることができます。また空の眺めも楽しめます。

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大きな窓が取りにくいトイレも、縦長のスリット窓を設けて、視線を遮りながら光だけを採り込みました。

設計は春夏秋冬のすべてを想定して行う

毎日の暮らしの中で、手に触れ、足で踏みしめる壁や床の素材は住まいの重要な要素です。可能な限り無垢材と天然素材を使い、心地よい空間をつくりあげます。

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床は無垢のヒノキを無塗装で使用。壁は火山灰土を使った塗り仕上げです。1年を通して心地よい空間です。

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2階の主寝室と子ども室は和紙を原料にした天然の塗り壁材で仕上げました。家族で2日間かけて塗り上げました。

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「火を囲む」――家族が暮らすことの原点がそこにあるように思います。階段の下を土間とし、そこにストーブを設置しました。三方から囲んで座ることができます。

ご家族と哲学を共有し、執拗なことを一緒に見つける

新しく家づくりに取り組まれる方は皆、そこで家族とどのような時間を過ごすか、さまざまな想いを抱いています。それを共有し、また、担当者としての私の考えも示しながら、一緒に実現していくこと。それが設計という仕事だと思います。

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子ども室を2つ用意していますが、どちらも入り口にドアはありません。他方、部屋にはそれぞれロフトがあり、渡り廊下でつながっています。子どもたちがいろいろ工夫して楽しめる空間です。

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Sさまご夫婦は共働き。家事は家族みんなで分担するのがルールです。いつもみんなが集まって作業しやすいように、キッチンはアイランド型にしました。

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どこにいても家族がお互いの気配を感じることができる開放的な空間。子どもたちが成長していくこれからの10年を大切にしたいという思いがあふれています。

Photo gallery

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篠田 崇 建築士

設計を終えて 最初にお会いしてから竣工まで、家づくりに真剣に取り組まれたSさまと正面から向き合い、互いに学びあう充実した時間を過ごしました。家は、住む人の哲学はもちろんですが、設計する者の思いも表現されます。お互いが哲学を共有し、本当に必要なもの、思い切って挑戦したいことなどを一緒に見つけていくことができれば、すばらしい家づくりになります。Sさまとの家づくりで、それを実感することができました。

篠田 崇 建築士 Takashi Shinoda

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