
白い壁と黒いサッシで蔵のイメージに仕上げたI邸。道路側はできるだけ窓を少なくして白い塀のような佇まいとしています。細い材木を縦に連ねた塀は、琵琶湖の桟橋に使われていた古材を再利用したものです。

格子状の塀の内側には、天然石を使ったゆったりしたアプローチがあります。アイアンの手すりを曲線に加工して、柔らかな印象に仕上げています。

モミジや苔を楽しむ和風の庭。回廊はどこに座っても楽しい昔ながらの“縁側”になります。

玄関ホールの土間は “たたき”と呼ばれる、セメントをほとんど使わない昔ながらの仕上げです。独特のやわらかい表情を楽しみます。

玄関には土間続きでエントランスクロークを設けました。帰宅した家族はそこに入って靴を履き替え、室内に上がります。靴もすべて収納できるので、玄関には靴箱を置かず、すっきりと仕上げました。

和室は玄関から直接上がれるように玄関側にも障子を設けています。近所の人がここに腰掛けて話をしていくこともあります。

和室に設けた地窓。障子越しのやわらかな光や障子に映る木の影を楽しみます。

庭を囲む回廊の素材はスギ。年月を重ねて少しずつ色が変わってきました。ご主人も無垢の板が味わいを深める様子を楽しまれています。昼寝にも読書にも最高の場所です。

回廊と庭をつなぐのは自然な風合いが美しい天然石を使った沓脱石(くつぬぎいし)。モミジが新緑や紅葉で目を楽しませてくれます。