その担い手たちの横顔 Designers File

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満田 憲司 建築士

一番大切なことを、大胆に

設計には、ある“思い切り”が必要だと思っています。お客さまのたくさんのご要望をまんべんなく盛り込もうとしてかえって大事なものを見失ってしまうことがあるからです。結局それは、お客さまに満足いただけるものになりません。ご要望のポイントをしっかりつかんで私自身の建築士としての思いも盛り込みながらバランスよく、そして思い切ってデザインする―それが私のスタイルです。

Work style

  • 土地に対する感受性をもつ
  • バランスのとれたメリハリのあるデザインをする
  • 包容力のある空間をつくる

Design

最近の設計実例から

神奈川県 Sさま邸

多い時は30人もの仲間が集まってホームパーティを楽しむというSさま。新たに入手された土地は、高台ならではの眺望が大きな魅力です。プライバシーを守りながら、家族や友人と楽しく過ごせる住まいを希望されていました。

土地に対する感受性をもつ

土地には、その土地ならではの魅力があります。それは、日当たりや心地よい風、周辺の豊かな緑、あるいは雄大な眺めなどです。その土地のもつポテンシャルを受け止める感受性をもつことが、設計担当者に託された役割だと思います。

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ダイニングとリビングを、素晴らしい眺望の開けている東側に設け、いずれも大きな開口部でウッドデッキとつなぎました。街を眺めながら、くつろいだ時間を過ごしていただけます。

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玄関ホールはそのまま和室に続き、大きな掃き出し窓の向こうには街の眺めが広がります。東に開けた高台という土地の魅力を最大限活かして、住まいのどこからでもその眺めが楽しめるようにしています。

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道路は西側にあります。こちら側にガレージと玄関を設け、プライバシーを守るために窓は最小限に抑え、さらに格子を使って壁面をすっきりと整えました。セミオープンの外構計画とし、道路と建物の境界は主に植栽でつくっています。

バランスの取れたメリハリのあるデザインをする

「ごちゃごちゃさせない」ということをいつも考えます。いろいろな要素を盛り込みすぎると、大事なことか隠れてしまうからです。お客さまの要望を整理し、建築士としての私の思いも込めて、バランスを取りメリハリのあるデザインを目指します。

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水まわりを2階に上げて2階をプライベート空間、1階をパブリック空間として、上下階で用途を明確に分けました。1階は、吹抜けのリビングと階段スペース、ダイニングを一体のものとしてデザインし、大勢で楽しめるようにしています。

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ダイニングは階段スペースとともにシンプルにまとめ、人が主役となって楽しく過ごせる空間にしています。玄関ホールから続く床はダークオーク。表面に凹凸を付けた質感の豊かなものです。素材や色の種類も抑えています。

包容力のある空間をつくる

設計を進めながら常に繰り返す問いがあります。それは「心地よい空間になっているか?」ということです。光や風の入り方、窓の外の眺め、他の空間とのつながり、耳に聞こえてくるもの、照明をつけた時の夜の雰囲気……包容力のある空間をつくります。

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この土地ならではの眺望を最大限活かすために、ダイニングは全開口型のサッシでウッドデッキとつなげました。開け放った時の開放感は格別です。ウッドデッキと一体の空間になるので、大人数でのパーティも楽しめます。

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キッチンはオープンスタイルで、吊り戸棚などは設けていません。ここに立つと、ダイニングとリビングの大きな窓越しの眺めや、右手の窓からの庭の眺めが楽しめます。

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2階のプライベートスペースからはさらに雄大な街の眺めが楽しめます。吹抜けを囲む回廊は、手すりにもたれながら景色を楽しむ特等席です。

Photo gallery

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満田 憲司 建築士

設計を終えて 高台にあり、街を見晴らす眺めが魅力の土地でした。「この眺めを楽しみながら、パーティを楽しむ住まいに」という明確なコンセプトのもと、設計を進めました。玄関から和室越しに広がる眺め。リビング、ダイニング階段が一体となり、大きなウッドデッキへとつながるパーティ空間。いずれもとても気に入っていただけました。大切なことを、バランスよく、そして大胆に表現する―私がいつも心がけていることが正しかったと改めて確信することができました。新しい住まいで、お客さまとの楽しい時間を過ごしていただきたいと思います。

満田 憲司 建築士 Kenji Mitsuda

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