ご夫婦とお嬢さまお二人、そして愛犬たちが暮らす3階建ての住まいです。美しく輝きのあるインテリアにしたいというご希望をお持ちでした。照明器具や家具のデザインなどを一つひとつご一緒に検討しながら、華やかで美しい空間をつくりあげました。
お客さまは“こんなインテリアにしたい”というイメージをお持ちです。それを、お手持ちの家具や小物、お話に出てくるキーワードなどから受け止め、まず私自身をお客さま色に染めて、ご提案内容を考えていきます。
Yさまがお持ちの絵を楽しむギャラリーとしてつくりあげた玄関ホール。絵の下のキャビネットはガレのガラス器を飾るために特別にデザインしました。カウンターは大理石。内部に照明を設け、背面にはミラーを使っています。
玄関ホールの床は大理石。織り上げ天井には間接照明に加えてシャンデリアを均等に吊り下げ、華やかな雰囲気をつくりました。白いテーブルと椅子は奥さまとお嬢さまがこの空間に合わせて選ばれたものです。
お嬢さまもキラキラしたものやかわいいものがお好きでした。上品なピンクをテーマカラーにして、ストライプ柄や植物模様のクロスでインテリアを楽しく演出。カーテンのバランスと呼ばれる上飾りには、クリスタルをあしらっています。
空間の設計では余分な線や凹凸などを消していくことが大切ですが、インテリアコーディネートは、色や素材などを足していくことが多くなります。バランスやボリュームを見ながら、足し算によるデコレーションをご一緒に楽しみたいと思っています。
ダイニングに続く愛犬専用のドッグスペースの扉は、ゲージを立てるのではなく、天井までのアイアンの引き戸を用意しました。機能面では腰までの高さがあれば十分なのですが、インテリアとしての美しさを考慮して、この高さにしています。
主寝室のパウダーコーナーに設けた横長の鏡には、エッチングという技法でボタニカル模様を描きました。落ち着いたシックな配色の空間に彩りを添えています。天井の照明がその鏡に映りこんでいます。
トイレも奥さまのお好きなテイストでまとめたゴージャスな雰囲気。大理石のカウンターやゴールドのクロスを採用しました。
「こんなイメージに」というお客さまのリクエストにお応えするためには、私自身が多くの“引き出し”を持たなければなりません。日々新しいものに触れ、学ぶことが大切だと思っています。夫の母国フランスのインテリアデザインから学ぶこともたくさんあります。
ダイニングテーブルはオリジナルのデザイン。日本の家具ではあまり見られない華やかな雰囲気のものです。天板は天然石、そのほかの部分は白で鏡面塗装を施しています。椅子も肘掛けや脚の部分を同じ色の鏡面塗装でそろえました。
吹抜けには、その高さを強調するために天井から床まで続くバーチカルブラインドを使っています。美しい輝きがお好きなご家族のお好みに合わせて、表面にクリスタルがちりばめられたものを採用。揺れたときの輝きがとてもきれいです。
ドッグスペースのアイアンの引き戸にも、クリスタルを吊り下げました。あえて固定せず、扉の開閉に伴って揺れるようにすることで、いっそう輝きが楽しめるようにしています。
玄関ホールに絵やガラス器を飾りたいというお話がスタートとなり、空間をゆったりと確保してギャラリーにしようというアイデアが生まれました。
吹抜けを設けたリビング。デザインの美しいシャンデリアやブラケットライトが、シンプルな空間を華やかに彩ります。
玄関ホールからリビングに続く廊下も、絵を飾って楽しむスペースになっています。大理石のクールでエレガントなフロアから一転して、こちらは木の床と塗り壁のあたたかな雰囲気の空間です。
ゲストを招く2階のセカンドリビング。玄関から1階のLDKを通らずに直接上がれるようになっています。シャンパンやグラスのコレクションのために、キャビネットを製作しました。
主寝室はシックで落ち着いた色調の空間。円形の照明器具やバルーンシェードのカーテンが優雅な雰囲気をつくります。
縁取りのある鏡やゴールドのクロスなどでゴージャスな雰囲気に仕上げた洗面スペース。華美になりすぎないように、濃い色も使って引き締めています。
玄関ホールとリビングに囲まれた中庭にはゆったりとした広さのあるウッドデッキを設けています。縁を曲線に加工することで、やわらかな雰囲気をつくっています。
直線で構成したシンプルな外観。天然石のような質感のタイルを使ったゲートを、道路から少し敷地の内側に入った位置に設けました。ゆとりのあるエントランスです。