その担い手たちの横顔 Designers File

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新井洋 建築士

“つながり”を大切にした住まいに。

家族のつながり、室内と外とのつながり建物と街とのつながり…住まいは多くのものをつなぎながら、新しい暮らしの舞台をつくります。私はいつも、その“つながり”をご家族のライフスタイルと、敷地の状況に合わせてご提案したいと思っています。そして、お客さまと「ここはどうしようか?」「こうだったら楽しいよね」と、一緒にワクワクしながら、プランニングをしていきたいと思っています。そのご家族とその敷地にふさわしい家は一つしかありません。それをご一緒に見つけ出したいと思っています。

Work style

  • 敷地に立って肌で感じる
  • 外とのつながりを考える
  • ワクワクをつくり出す

Design

最近の設計実例から

山梨県 Nさま邸

「子どもが安心して遊べる広い庭のある家」というご要望にお応えしました。敷地の3方に道路が通っているため日当たりも風通しもよい反面、プライバシーの確保が重要になります。閉じるところと開くところ、メリハリのある設計が必要でした。

敷地に立って肌で感じる

建築予定地については、地図や航空写真を見るなどさまざまな手段で情報を得ることができます。しかし、実際にその土地に立たなければ分からないことがあります。肌で感じた光や風、空の広がり、周囲の景色、視線の伸びる方向などが、設計を進めるための欠かせない情報になります。

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敷地は3方向に道路が通っていました。隣家との距離はありますが、プライバシーの確保が必要です。特に玄関側は、外構の壁と連続して見える様に、壁を立てることにしました。

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玄関側の壁はバルコニーの内部を隠す役割を持たせるため、背の高いものにしました。印象を和らげるために足下には植栽をあしらい、その影を映すキャンバスにしています。

外とのつながりを考える

空間は外とつながると、気持ちのよいものになります。視線の先に何が見えるかを考えながら、一つひとつの窓の配置や大きさを検討していきます。しかし、単純に外とつなげればよいというものではありません。時にはあえて視野を狭めて切り取ったり、ある方角は完全に視線を遮断するという工夫が必要になります。

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南に庭を広く取り、掃き出し窓を連続して設けました。その先にはウッドデッキをつなげています。下屋(ウッドデッキの上にかけた小屋根)を大きく張り出すことで直射光が室内に差し込むのを防ぐと同時に、窓の外の景色を四角く切り取って強調しています。

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リビングの床はウォルナットです。同じ高さでウッドデッキへと続くので、外部空間も室内の延長で気軽に楽しめます。天井にも木を張り、木のぬくもり豊かな空間にしました。

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ウッドデッキとその先に設けられたタイル張りのスペースは、少しずつステップを踏みながら、地面に近づいていきます。室内から外部空間へ緩やかにつなぎました。

ワクワクをつくり出す

設計にあたっては、その敷地でしか実現できない楽しいポイントを盛り込みたいと常に考えています。それは設計担当者としてとてもワクワクする時間であり、お客さまにも一緒にワクワクしていただきながら、アイデアを出し合い、つくりあげていきたいと思っています。

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玄関を隠す高い壁を利用して、ほの暗い路地に入るようなアプローチをつくりました。建物の中に入るとどんな空間が出現するのか、誰もが次のシーンを楽しみにする場所です。

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玄関に入ると、目の前に日だまりの明るい空間が広がります。植栽やベンチ、キリムなどで、Nさまがお客さまを歓迎する気持ちを表現します。

Photo gallery

  • case1
  • case2
  • case3
  • case4
  • case5
新井洋 設計士

設計を終えて ゆとりのある土地を購入され、住まいの新築を計画されたNさまご夫婦。住まいと庭とのつながりをどのようにつくりあげていくかが設計のポイントでした。大きな開口部を持つLDKが、ウッドデッキを経て一段,また一段と地面の高さに近づいていくという室内と外部のシームレスなつながりが、N邸らしさだと思います。奥さまが入れたおいしいコーヒーを飲みながらご主人が庭を眺め、その視線の先でお子さまが元気に走っている――実際にそんな生活が始まっていると伺って設計という仕事のやりがいと醍醐味を改めて感じました。

新井洋 設計士 Yo Arai

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