その担い手たちの横顔 Designers File

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下宮 正浩 建築士

居心地の良い家であること

お客さまにとって居心地の良い住まいとはどのようなものか?それは敷地によって、またご家族が新しい暮らしに求められるものによって、一邸一邸、異なるものだと思います。それを丁寧に聞き取り、たとえば「庭の緑を眺めながら読書の時間を楽しみたい」、「休日は賑やかに家族で食卓を囲みたい」というご要望を、敷地の条件の下で具体化し、それを設計案として仕上げていくのが私の仕事だと思います。ご家族に似合うくつろぎのシーンを豊かにイメージし、実際に形にする創造力とデザイン力をさらに鍛えていきたいと思っています。

Work style

  • 敷地の特徴とご家族の暮らしを知る
  • コンセプトを明確にし、共有する
  • 細部を大切にして美しさを極める

Design

最近の設計実例から

兵庫県 Aさま邸

20年前に購入され、いずれは家を建てて移り住もうと考えられていた緑豊かな土地がありました。ご子息のご家庭にお孫さんが生まれたことをきっかけに、週末に二世帯で賑やかに集い、別荘のように非日常の時間を楽しむ住まいを計画されました。

敷地の特徴とご家族の暮らしを知る

敷地にはまず自分の足で立ち、周囲の景色や日の当たり方、風の通り方などを自分の体感として把握します。その上で、ご家族のお好み、どんな暮らしをされたいと思っているか、などについてヒアリングを重ね、それを敷地の状況とリンクさせながらプランニングのアウトラインをつくりあげていきます。

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ご購入から20年を経た敷地には、豊かに育った雑木林の庭がありました。この緑を存分に楽しめる家にすることが設計の大きなテーマでした。

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木々の足下には大きな庭石も配置されていました。庭木とともにこれらの石も最大限残しながらどこに建物を配置すべきかを検討しました。

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ご家族は、庭の緑を楽しみながら静かに読書をされたり、音楽を楽しまれたり、お孫さんと賑やかに過ごされることを、新しい家に期待されていました。

コンセプトを明確にし、共有する

具体的なお打ち合わせのスタートあたって、私は設計の「軸」となるコンセプトをご家族と共有することを心掛けています。設計のお打ち合わせではいろいろな判断や選択が必要になります。その時に「何を大切にしていくか」という軸が明確になっていれば、それが行いやすくなるからです。

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リビングだけでなく、ダイニングとキッチンにも庭に向かって大きな開口部を設け、住まいのどこからでも緑を楽しめるようにしました。

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2階にも庭を楽しみながら読書ができるファミリースペースを設けました。天井にも木を張り、ナチュラルな雰囲気の下で憩う場所にしています。

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玄関ホールからLDKに向う廊下の正面に一枚ガラスの大きな窓を設け、窓枠の存在を目立たせないように納めました。家族やお客さまを、まず庭の緑が迎えます。

細部を大切にして美しさを極める

住宅のデザインには、洋風のものや伝統的な和風のものなど、さまざまなテイストがあります。どのようなご要望にもしっかりとお応えできるのが住友林業の設計担当だと思います。デザインのテイストがどのようなものであれ、最も美しいものをご提案することができるよう細部に至るまで突き詰めて考えていくようにしています。

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チークの床、色の自然な濃淡が美しい天井のウエスタンレッドシダーや壁のタイルなど個性的な素材を使いながら、落ち着きのある空間をつくりました。

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L字型につながるリビングとダイニングのコーナー部を吹抜けの階段にして、お手持ちのグランドピアノを置きました。1階の中心となるスペースです。

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お手持ちのグラスや陶器のコレクションを飾るキャビネットをダイニングの一角に造り付けました。内部に組み込んだ照明が、コレクションを引き立てます。

Photo gallery

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下宮 正浩 建築士

設計を終えて 最初に敷地を拝見したとき、その豊かな緑に圧倒されました。緑を暮らしに取り入れ、かつ、プライバシーを確保しながらご家族水入らずの時間を楽しんでいただくには、どこに、どのように建物を構えればよいか――まずそれを考え、木々の間に隠れるように佇み、どの部屋からも緑が眺められるL字型の建物を構想しました。1階では地に根付いた大樹や岩の力強さを、2階では枝葉の瑞々しさや爽やかさを感じていただけます。お引き渡し後にいただいたお手紙で、ここを「山の家」と名付けられ週末毎にご子息のご一家と楽しく過ごされているということを教えていただきました。設計担当者として、これ以上の喜びはありません。設計の機会をいただいたご家族に、心からお礼申し上げます。

下宮 正浩 建築士 Masashiro Shimomiya

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