ニュースリリース
(2020年)

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2020年08月19日

西粟倉村
三井住友信託銀行株式会社
住友林業株式会社

林業及び林業を中心とする地域振興策の推進に向けた
包括的連携協定の締結について
~新しい森林管理方式で地域活性化へ~

 西粟倉(にしあわくら)村(村長:青木秀樹 岡山県英田郡西粟倉村、以下「西粟倉村」)、住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区、以下「住友林業」)と三井住友信託銀行株式会社(取締役社長:橋本 勝 本社:東京都千代田区、以下「三井住友信託銀行」)は2020年8月19日、森林信託の普及に向けた「包括的連携協定」(以下、「本協定」)を締結しました。西粟倉村において森林所有者の森林管理・施業を委託する新しい方式として森林信託の推進を行うことで、林業を中心とした地域振興を目的としています。

 本協定での3者の役割は、受託者として森林所有者から森林の信託を受け、名義上所有者の立場となった三井住友信託銀行に対し、住友林業が林業の専門家として森林管理手法や森林管理専門会社(株式会社 百森)が行う施業の効率化、木材の販売促進等について経営サポートを行います。西粟倉村は行政の立場から支援や路網、森林情報等のインフラ整備の検討等を行います。

 現在、日本の林業は森林資源が成熟し、利用期を迎えている反面、木材価格の低迷で森林所有者の意欲が減退し、森林管理・森林施業の担い手も不足している課題を抱えています。解決策として森林管理を地方自治体や意欲のある林業経営体に委託する動きが始まっています。森林信託はその方策の1つであり、今回締結する3者の得意分野を活かし、森林信託の取り組みを村内外へ展開していきます。さらには林業をベースとした地域活性化の推進に貢献します。

<本協定のスキーム>

■西粟倉村
人口1450人の地方自治体で、独自の地域振興策である「百年の森林構想」を作成しています。同村の森林所有者と施業管理契約を締結することで、村自らが村内森林の施業管理を実施しています。2019年に内閣府よりSDGs未来都市に選定され、林業を活かした様々な地域振興策を進めています。

■住友林業株式会社
西粟倉村を始め全国に約48,000haの社有林を保有し、社有林経営で培った経験とノウハウで森林資源の活用や付加価値向上を支援する「森林アセットマネジメント事業」やスギ、カラマツなどの「コンテナ苗木事業」を全国で展開しています。

■三井住友信託銀行株式会社
独自のSDGs商品として本邦初の商事信託としての森林信託を2020年8月1日に受託しました。三井住友信託銀行は西粟倉村をはじめ、他地域においても対象森林の状況等につき森林信託導入可能性調査等を実施した上で、市町村、森林所有者と協議を重ね、夫々の課題に対するソリューションの提供を行ってまいります。


<協定の具体的な連携事項>

1 西粟倉村が進める林業及び林業を中心とした地域振興に関する事項
(1)森林情報の利活用による森林管理の効率化と森林所有者への情報提供
(2)環境に配慮した循環型林業の推進と村産材の供給力向上・需要拡大
(3)森林を活用した新たなサービス産業の創出(特用林産含む)

2 西粟倉村内の林業関連事業体の事業面、経営面に関する事項
(1)林業関連事業体の森林所有者への各種サービス向上
(2)林業関連事業体の森林管理・森林施業のコストダウンや素材の有利販売
(3)林業関連事業体の経営体質強化

3 森林信託導入及び普及に関する事項
(1)森林信託普及に向けた課題抽出と解決策の検討
(2)森林信託を活用した森林管理・森林経営手法の標準化
(3)森林信託対象森林から産出される木材の有効活用
(4)他地域への森林信託普及促進

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以上

≪リリースに関するお問い合わせ先≫

住友林業株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 河村・真鍋

TEL:03-3214-2270