緑化事業での取り組み

自然共生社会を目指す社会的な動きの中で、都市再開発や街づくりなどにおいても地域に根ざした植物をできるだけ活用していこうとする動きが活発化しています。

このような動きの中、これまで住友林業緑化株式会社では、自然再生を目指す緑化計画においては郷土種、在来種の採用が好ましいとの考え方のもと緑化対象地に応じた樹種選定の指針を「ハーモニックプランツ®」として定義し、その普及に努めてきました。

樹木には、日本に古くから自生している植物(自生植物)と、外国から入ってきた植物(移入植物)があります。移入植物の中には、その特質により自生植物の生息する場所を奪ったり、地域の生物多様性を脅かすような種(侵略植物)もあります。これらの植物の中で、人的に栽培したものを園芸植物(栽培品種)と分類しています。

植栽計画においては、保全レベルを考慮した4つのエリア(保護エリア、保全エリア、里山エリア、街区エリア)に分け、これに応じて植物種を選択します。例えば、住宅の庭づくりを行う「街区エリア」では、「栽培品種を含む自生植物」を主体に「侵略性のない移入植物」からも緑化植物をバランスよく選択することで「彩り」を演出しています。さらに地域の生態系への悪影響が明らかな侵略植物を使用しない方針を立て、同社の技術統括部署において、その使用の有無をチェックしています。

※ 外来生物法に規定されている特定外来生物および生態系被害防止外来種

緑化事業を通じた生物多様性保全

「生物多様性読本VOL2地域性植物編」を刊行

地域性植物とはそもそもどういうものなのか、地域に根ざした植物の生産・流通・消費について現状はどうなっているのか、地域に根ざした植栽計画とはいかなるものか、今後どのように進んでいくのか、など、多くの疑問が寄せられるようになってきました。

住友林業緑化ではこれらの声に対応する形で「生物多様性読本VOL2 地域性植物編」を2018年1月に制作しました。

ここでは主に以下の内容について、地域性植物を活用した最先端の事例を交えて解説しています。

  1. 地域性植物による東日本大震災復興事業
  2. 大規模テストコース開発における地域性植物活用
  3. 地域性植物を用いた海浜植生再生事業
  4. “江戸” 由来の地域性植物による都市再開発
  5. 大規模人工地盤上の地域性植物による雑木林再生

これから活発化していく地域性植物活用の一つの助けになればと考えています。

生物多様性読本VOL2地域性植物編表紙

生物多様性読本VOL2地域性植物編表紙

「住まいの樹木図鑑 改訂版」を刊行

環境省及び農林水産省は、外来種についての国民の関心と理解を高め、様々な主体に適切な行動を呼びかけることを目的とした、「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」を新たに公表しました。

これまでの特定外来生物だけでなく、侵略性が高く生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼすおそれのある外来種が選定されています。

住友林業緑化では、生態系被害防止外来種リストの制定を受け、生態系に係るさらなる影響も勘案し、住友林業緑化独自の外来種に対する基準を再構築しました。この基準に基づき刊行済みの「住まいの樹木図鑑」掲載の樹種を一部入れ替え、2017年3月に改訂版を刊行しました。

今後は「ハーモニックプランツ®」や外来種に対する基準の活用を進め、お客様への植栽提案や社員の意識啓発を図っていきます。

住まいの樹木図鑑 改訂版表紙

住まいの樹木図鑑 改訂版表紙

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まちづくりへの貢献

神奈川県秦野市の戸建住宅団地「フォレストガーデン秦野」が2018年3月、いきもの共生事業所認証(ABINC認証)を取得しました。戸建住宅団地・街区版部門での認証第1号です。ABINC認証制度は自然と人との共生を企業に促すため、生物多様性保全の取り組み成果を認証する制度です。

2014年からオフィスビルと商業施設を対象に認証を開始。その後、集合住宅や工場へと対象を拡充しています。2017年度には戸建住宅団地・街区版と物流施設版を新設し、先進的な取り組みをしている「フォレストガーデン秦野」が戸建住宅団地・街区版の第1号として認証されました。

「フォレストガーデン秦野」の街並みのコンセプトは「生きものと共生できる緑のまちづくり」です。自生種をはじめ「ハーモニックプランツ®」の手法により質の高い緑を実現しています。湧水を活かした持続可能な水循環への配慮などが認証の決め手となりました。

住友林業緑化は住民の方々と共に、勉強会・モニタリングを実施する他、定期的に植栽維持管理をサポートし、継続的に豊かな住環境を創出し続けることで資産価値向上へのサポートを進めていきます。

「フォレストガーデン秦野」の街並み

「フォレストガーデン秦野」の街並み

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海外緑化事業

豪州のメルボルン市北部で住友林業とNTT都市開発株式会社が共同で宅地開発を行うAnnadale分譲地(総販売区画数1,087区画)にて、当社のノウハウを活かし、現地ランドスケープ設計会社Tract社と設計協業を行いました。

2017年1月から始まった今回の設計協業において、当社はTract社作成の基本設計案に対し「Growing Wellness Life&The Five Sense(健康的な暮らしと五感の育み)」というコンセプトを提案しました。Tract社より、「豪州では通常設計企画にストーリー性を持たせることは少ないため、非常に参考になる」と高い評価を受け、子供の運動機能を発達させる自然石や丸太を使った遊具、植栽計画が実施設計に採用されました。引き続き実施される2期の公園計画においても当社から基本コンセプトを提案し、その案を基に基本設計をまとめる作業を進めています。

豪州や北米において緑地は、宅地開発の価値を高めるためになくてはならないものであり、緑あふれる魅力的なオープンスペースの創造が求められています。当社の海外緑化事業の取り組みはまだ始まったばかりですが、海外のお客様や住民に愛される美しく快適な空間創造を目指し、これからも事業化を進めます。

自然石を使ったNature Play(自然遊び)道具

自然石を使ったNature Play(自然遊び)道具

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企業・IR・CSR情報