基本的な考え方

住友林業は、住宅以外の中大規模建築での木造化・木質化を提案する「木化事業」を推進しており、「MOCCA」として事業ブランド化しています。

住友林業は、300年を超える歳月で森づくりを行っています。そして、世界の様々な木の特性を熟知し、木が活きる住空間をつくっています。その膨大で多様な経験・知識・技術を大きく発展させることで、中大規模の木造建築などグローバルに通用する新しい木造化・木質化を提案します。

取り組み案件金額推移(2014~2018年度実績及び2019年度予想)

グラフ:取り組み案件金額推移(2014~2018年度実績及び2019年度予想)

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木化事業における製品安全・品質管理に関する基本方針

住友林業は、商業施設や公共施設など住宅以外の分野でも幅広く木造化・木質化を提案する「木化事業」を推進しています。住友林業木化推進部では、建築物の木造化・木質化を通して、利用者への健康配慮、安全、安心及び高品質の建築物を提供し、お客様の期待にこたえるため、2015年9月にISO9001を取得しました。この国際規格に基づき、品質方針を下記のとおり制定しています。各施工現場では、この品質方針に沿って具体的な品質目標と展開活動計画を策定し、安全性の維持・品質の向上に取り組んでいます。

 

品質方針

木を愛する組織として、建築物の木造化・木質化を通して、人への健康、安心、安全及び高品質の建築物を一貫して提供することがお客様の幸福を実現する道であり、以下のことに取り組む。

  1. 継続的改善とお客様満足の向上
    規格要求事項への適合及びお客様の要求事項を満たすことはもとより、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善すると共に、品質パフォーマンスを高めてお客様の満足向上に取り組む。
  2. 法令の順守
    建築物の設計及び施工に関係して、適用される法令及び当社が同意するその他の要求事項を熟知し、順守する。
  3. 方針の取り組み
    この品質方針を具体的に推進するために、品質目標を設定し、定期的に達成度を評価して見直しをする。
  4. 教育・訓練
    この品質方針を木化推進部内で働く全従業員及び当社のために働く要員が理解し、行動できるように教育・訓練を行い、周知する。
  5. 方針の公開
    この品質方針は、住宅・建築事業本部木化推進部のWEBサイトを通して外部に公開する。

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木化事業における製品安全・品質管理体制

住友林業木化推進部では、品質方針のもとで品質管理体制を整備し、厳密な工程管理体制を構築しています。

また、ISO9001で設定された品質マネジメントシステムのPDCAサイクルを回していくために、内部監査を全施工現場で年に2回実施しています。

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木化事業の取り組み

体も心も癒やす木の空間  千里リハビリテーション病院アネックス棟

住友林業は千里リハビリテーション病院(大阪府)のアネックス棟を2017年9月に竣工しました。

従来の病院は、病院側の効率を優先して無機質につくられることがほとんどでした。千里リハビリテーション病院は、患者様にとって理想的な病院はどのような環境なのかを考え、国内初「リハビリテーション・リゾート」をコンセプトに2007年10月に誕生しました。

開院10周年にあたり新設したアネックス棟は、患者の方々が少しでもリラックスして自然の力を感じながらリハビリテーションに取り組んでいただけるよう、外装・内装とも木を最大限に活用。全面的に木の現し(あらわし)とした音楽室や絵画室、園芸棟を併設するなど、新しい試みを実現したリハビリテーション病院です。

突然の病気で心身に強いダメージを受けた患者様に、生きるための前向きな意欲と身体機能を取り戻してもらうこと。そのために、「実生活に近い環境でのリハビリテーション」を目指して「住宅仕様」に近づけた設計を採用し、全てバリアフリーにするのではなくあえて段差や階段を設けることで、最終目的である「自宅に帰って暮らす」ことを意識しました。さらに、絵画・音楽棟、園芸棟を別棟で設置したことで、生きがいやご自身の新たな可能性の発見にもつなげてもらうと同時に、そこへ歩いて行くこと自体が身体のリハビリテーションになるよう工夫しています。

本アネックス棟のデザインディレクションは、本棟に引き続きクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が担当。佐藤氏が描く絵画などもインテリアに取り入れ、エネルギーを感じられる施設の実現に注力しました。

香りや手触り、空間に響く音まで、木は五感を通じて心地よさや安らぎで人を包み込みます。入院期間中、⾝体⾯の治療だけでなく、精神⾯にも木の良さが貢献しているといえます。本アネックス棟により、木の持つ効果が医療の現場と出会うことで、木化事業の新しい可能性を具現化した例となりました。

住友林業は、このような医療施設をはじめ、教育施設、高齢者福祉施設、商業施設などの構造や内外装の仕上げ材料に木材を用いることで、人を惹きつける環境をつくり、入居者や使用者の事業成功の原動力となることを目指します。

写真:千里リハビリテーション病院外観
写真:千里リハビリテーション病院アネックス棟

千里リハビリテーション病院アネックス棟

※ 木造建築で柱や梁などの構造材が見える状態で仕上げる手法

ビル木化による働き方改革 国分寺フレーバーライフ社本社ビル

東京都国分寺市に本社を置く株式会社フレーバーライフ社は自然の生命と恵みを日々の暮らしに取り入れるアロマ製品を提供し、アロマテラピーを通じて香りや笑顔のある生活を創造している会社です。

自然素材を原料とした商品を取り扱っている会社だからこそ、自然素材を使用したビルにしたい。そしてなによりも社員にとって働きやすい環境をつくりたい。経営者の熱い想いにより、2017年7月に木質ハイブリッドビルが誕生しました。

働く人々にとって、職場で過ごす時間は短い時間ではありません。一日のうち、家にいる時間以上に多くの時間を職場で過ごしているかもしれません。それだけ多くの時間を使う生活空間を快適で居心地の良い環境にすることは、働きかた改革推進の重要な要素と言えるのではないでしょうか。

「リラックスして仕事ができる」「社員同士のコミュニケーションが増えた」など、木化された安らぎのある職場空間の効果は、社員の満足度や業務生産性などの面で表れはじめています。

この木質ハイブリッドビルは、1~3階は鉄骨造、4~7階は木質ハイブリッド造の建物です。その最大の特徴は鉄骨を完全に木で覆う「木質ハイブリッド集成材」の使用です。柔らかな木の質感と鉄の強さを併せ持ちながら、木が熱から鉄を守る耐火被覆材として機能するので、ビルの木質化普及に貢献できます。

住友林業は、木と接することが少ない都市に木のぬくもりが感じられるビルが建ち並ぶ風景を目指し、木の使い方に関する知識と経験、新たな活用方法の提案を行っていきます。

※ 本プロジェクトは平成27年度(2015年度)サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)に採択

写真:木質感あふれるフレーバーライフ本社

写真:フレーバーライフ本社外観

木質感あふれるフレーバーライフ本社

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未来に向けて~W350計画「環境木化都市」を目指して~

住友林業は、2018年2月にW350計画を発表しました。W350計画は1691(元禄4)年の創業から350周年を迎える2041年を目標に、街を森にかえる環境木化都市の実現に向けて、高さ350mの木造超高層建築物を実現する研究技術開発構想です。人と社会、地球環境に貢献するため、建築工法、環境配慮技術、使用部材や資源となる樹木の開発など未来技術を実現していく計画です。

2018年12月に建方(構造材を組み上げていく工事)が完了し、2019年10月に竣工予定の筑波研究所の新研究棟を拠点として計画を推進していきます。

W350計画の実現に向けて

住友林業は創業350周年を迎える2041年を目標に、街を森にかえる環境木化都市の実現に向けて、高さ350mの木造超高層建築物を実現する研究・技術開発構想「W350計画」をまとめ、2018年2月に発表しました。

この研究・技術開発構想は当社研究開発機関である筑波研究所を中心にまとめ、建築構法、環境技術、使用部材や資源となる樹木の開発など未来技術開発へのロードマップとし、木造建築物の可能性を広げていきます。

木造超高層建築を中核とした環境木化都市の実現を目指す本計画を通じ、木材需要の拡大による林業再生や、CO2固定量拡大等を通じた気候変動対策につなげ、地域活性化及び地球環境との共生に貢献します。

建築概要

  • 高さ・階数:350m・地上70階
  • 建物用途:店舗・オフィス・ホテル・住宅
  • 建築面積:6,500 m²
  • 設計協力:株式会社日建設計
  • 延床面積:455,000 m²(6,500m²×70階)
  • 木材使用量:185,000m³
  • 構造:木鋼ハイブリッド構造(内部は純木造)
写真:W350による「環境木化都市」構想
写真:W350による「環境木化都市」構想

W350計画の研究拠点となる筑波研究所・新研究棟

筑波研究所開設から28年が経過し、研究棟本館の老朽化と所員の増加への対応が課題となっています。新研究棟は木構造に関する新技術(ポストテンション構法)※1を採用し、この建物で使われている技術はW350計画の礎となります。ゼロエネルギービルディング(ZEB)の実現も視野に入れ、省エネや再生エネルギー利用技術も取り入れています。

新研究棟は木造3階建て延床面積2,532.67m²で、梁(はり)、柱及び壁はもえしろ設計(大梁は準耐火60分大臣認定を取得した合わせ梁を使用)による木構造の現し(あらわし)※2にしています。全館避難安検証[ルートC(大臣認定)]※3により、内装制限を解除でき木質感のある空間を演出します。屋上面にソーラーパネルを設置する他、木質ペレット焚吸収冷温水機の導入でCO2排出量を大幅に削減します。非住宅木造建築物向けの緑化技術も研究開発する他、オフィス空間で知的生産性を向上させる緑のレイアウトを検証します。また、屋上やバルコニー、外壁も緑化の実験場所として活用します。

本施設は国土交通省の推進する「平成29年度(2017年度)サステナブル建築物等先導事業(木造型)」に採択されており、収容人数最大140名のオフィスと木に関する情報を提供するギャラリー等も備える予定です。

新研究棟をW350計画実現の礎と位置付け、その次の具体的な第一歩としては6~7階建クラス(高さ20~30m)の木造ビルの建築計画をスタートさせています。これをW30と呼び、その推進に注力しています。

※1 耐力部材に通した高強度の鋼棒やワイヤーロープに引張力を与えることで部材間の固定度を高める構法

※2 木造建築で柱や梁などの構造材が見える状態で仕上げる手法

※3 緊急時に入館者が安全に避難するための性能を計算で確認する検証方法。安全性が確認できれば建築基準法の避難関係規定の一部が緩和され、木構造の現しなど自由度の高い設計が可能となる。ルートCは国土交通大臣の認定が必要となるが、告示で定められていない高度な計算方法を用いて避難安全性能を確認するため最も自由度の高い設計が可能

「W350計画」広告、日経広告賞「環境部門最優秀賞・環境大臣賞」を受賞

2018年2月15日に日本経済新聞に掲載した広告「街を、森に。W350計画、はじまる」が、第67回日経広告賞「環境部門 最優秀賞・環境大臣賞」を受賞しました。今回の審査では各部門合わせて1,027点が選考対象となり、大賞をはじめ受賞59点が選出されました。

本作品は、「再生可能な自然素材である木をデザインし表現している環境面と地上350m・70階建ての木造超高層ビルを建てるための高度な技術面の両面が広告表現として優れている」、との評価をいただき今回の受賞となりました。

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