基本的な考え方

日本の住宅政策は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)等、環境商品の搭載誘導や長期優良の資産となる住宅を推奨しています。当社はZEH仕様の住宅を推奨することで各家庭の年間の一次エネルギー消費量を減らしたり、災害等に強い住宅を提供したり、快適な住まいを維持・継続するための商品を提供したりして、お客様のニーズに合わせながら持続可能な社会に貢献できる住宅販売を行っています。

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ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の推進

日本における家庭部門のCO2排出量は増加傾向に歯止めはかかったものの、依然高い水準にあります。国は、2016年5月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」等において、「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の過半数をZEHにすることを目指す」旨の政策目標を打ち出しました。ZEHとは、高い断熱性能、省エネ設備機器、そして太陽光発電システム等の「創エネルギー」設備を組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロ以下となる住宅です。

当社は従来より、再生可能な自然資源であり、成長の過程でCO2を吸収・蓄積する木を主要構造材に使用するとともに、風や太陽など自然の恵みを活かす当社独自の設計手法「涼温房(りょうおんぼう)」を取り入れ、一年を通して快適に暮らせる住まいを提供してきました。こうした「木の特性・自然の恵み」を活かすノウハウと、断熱性能の向上や省エネ設備の導入など「エネルギー消費を減らす」技術、創エネ・蓄エネ機器やHEMS※1など「エネルギーを賢く活かす」技術を融合し、家庭内のエネルギー効率を高めることで、居住時のCO2排出量の削減を図っています。

国のZEH目標を受けて当社は2020年度のZEH普及目標を80%※2と掲げ、2017年度には33%※2を達成しました。新築住宅においては2017年4月より、建物や開口部のさらなる断熱性能の強化、太陽光発電システムの搭載を基本仕様とし、ZEHの普及を推進しています。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは

ZEH普及目標
(2020年)
80※2

ZEH普及実績
(2017年)
33※2

※1 Home Energy Management Systemの略。発電量や電気使用量を"見える化"する家庭用エネルギー管理システム

※2 ともにNearly ZEHを含み、北海道・沖縄を除いた受注ベースの値。北海道の2017年度実績、2020年度目標はそれぞれ1%、51%。なお、ZEHが「太陽光を含む一次エネルギー削減率が100%」であるのに対して、Nearly ZEHは「同75〜100%」と定義している。

 

断熱性に優れた木の家

木の熱伝導率を「1」とすると、コンクリートは約13倍、鉄は約440倍もあります。木は熱を伝えにくい断熱性に優れた素材です。さらに、住友林業では独自の基準による高い性能の断熱材を使用しています。

木は断熱性にすぐれた素材

木は断熱性にすぐれた素材

住友林業独自基準の断熱材

住友林業独自基準の断熱材

断熱性の高いガラスで、エネルギーロスを抑制

住まいの中で、一番熱損失が大きいのは窓です。夏は窓から入る熱を遮断し、冬は室内の暖気が窓から逃げないよう断熱することが大切です。住友林業では、もっとも熱のロスが大きい窓には、「Low-E複層ガラス」を採用しています。これは複層ガラスの間に、空気より熱を伝えにくい「アルゴンガス」または「クリプトンガス」を封入し、さらに特殊金属膜がガラスにコーティングしたものです。優れた断熱・遮熱性で、夏は窓から入る熱を遮断し、冬は室内の暖気が窓から逃げないようにしています。

Low-Eガラスによる断熱イメージ

Low-Eガラスによる断熱イメージ

 
住まいの熱損失の割合

住まいの熱損失の割合

W発電

住友林業では、太陽光発電パネルとともに、家庭用燃料電池「エネファーム」の設置も推奨しています。このW発電により、毎日の生活に必要な電気を自宅でつくることができます。さらにHEMS(ホームエネルギー・マネジメントシステム)で住まいのエネルギー消費量を上手に管理することで、ゼロ・エネルギーの家(ZEH仕様)を実現します。

環境配慮機器の搭載率推移(受注ベース)

2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
太陽光発電システム 51% 43% 35% 48% 46%
エネファーム 53% 51% 43% 34% 34%
エコワン※1 - - - 16% 18%
環境配慮機器搭載率※2 72% 66% 58% 68% 69%

※1 電気・ガスのハイブリッド給湯・暖房システム

※2 2015年度までは太陽光発電システムもしくはエネファームの搭載率。2016年度以降は左記にエコワンも含む

開放的な大空間とZEHを実現できる戸建住宅「The Forest BF」を発売開始

住友林業は2017年4月、当社独自のBF構法(ビッグフレーム構法)をさらに進化させた「The Forest BF」を全国(沖縄を除く)で発売しました。自由度のある天井高と、特許取得の新技術の梁により、これまで以上に開放的な大空間で快適な居住性を提供します。また、地域の基準値を上回る断熱性能を持たせたほか、太陽光発電システムなどを組み合わせることで年間一次エネルギー消費量をゼロ以下にするZEHも実現できます。さらに、構造材を必要としない可変性のある間仕切り壁を採用することで、お子さまの独立や親御さまの同居などで間取りを変更する際にも廃棄物が少なくなる構造となっています。本商品は年間5,500棟の受注を目指します。

快適な居住性と高い環境性能を合わせもつ「The Forest BF」

快適な居住性と高い環境性能を合わせもつ「The Forest BF」

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性能向上リフォームの提案

住友林業ホームテック株式会社では、省エネリフォームを推進しています。断熱性能の向上と合わせて、省エネ効率の高い設備機器の設置を提案し、環境負荷低減を実現します。特に断熱改修を行うことで、ヒートショックによる健康面でのリスクを低減させるだけでなく、光熱費も抑えることができます。

断熱性能を高め、省エネ機器を使うことにより、暮らしの中で消費するエネルギーを減らし生涯光熱費を減らす新しい暮らし方を提案しています。

また「耐震改修」提案も引き続き注力しており、「断熱」「省エネ」「耐震」各性能を向上させることで、「既存住宅の長期優良住宅化」や「長期優良増改築認定基準」適合に積極的に取り組んでいます。

断熱工事

断熱工事の様子

床下断熱施工

世界遺産で旧家再生~総本山仁和寺「松林庵」 建物の改修を担当~

住友林業ホームテック株式会社は、木のよさと伝統的な木造建築工法を熟知した「温故知新」の旧家再生を数多く手掛けています。2017年9月に改修を終えた京都仁和寺「松林庵」は、日本の古き良き風情を感じられる建物を目指して実施。希少な構造梁などの残せるものは残し、建築当時の趣が残る宿泊施設として生まれ変わりました。

埋蔵文化財の指定エリアである仁和寺「松林庵」においては、施工方法にも配慮。耐震補強工事の一環で基礎を新設する際は、地盤を掘削せずにコンクリート基礎を新設しました。

また、建物内の床の段差を解消しバリアフリーにも対応するなど、設計力と施工力を活かした改修を実現しています。

今後、当社は戸建住宅の改修にとどまらず、非住宅・商業建築分野への事業拡大を推進します。

仁和寺外観

仁和寺内観

改修された仁和寺「松林庵」

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「LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅」の研究開発

住友林業は、太陽光発電システムなど環境配慮機器の利用によって、資材調達から建設、居住、改修、解体、廃棄まで住宅のライフサイクル全体で排出されるCO2がマイナスとなる「LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅」の開発に取り組んでいます。

2016年度から着手したエネルギーの効率的な利用に関する研究では、蓄電池などを用いた住戸内での電力の有効活用に加え、複数世帯間での融通による効果について、シミュレーションによる検討を実施いたしました。さらに、今後の普及促進が見込まれる電気自動車が導入された場合のV2H(Vehicle to Home)やV2G(Vehicle to Grid)の効果についての検討も開始いたしました。また、より居住者視点に立った検討として、快適性や健康性の観点から必要とされる断熱性能の目標値を定め住宅外皮仕様の整理を行いました。今後は単なる省エネルギーだけではなく、住環境が人の感性に与える影響についての研究開発を進めていく予定です。

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住宅・建築事業におけるカーボンストック

木は製品となってもCO2を炭素として保持し続けるため、木造住宅を建てることは、都市に森をつくることと言われています。2017年度の住宅建設や木化事業に使用された木材によるカーボンストックは国内で18.5万t-CO2になりました。住友林業グループは、山林や都市のカーボンストックを増やし、地球温暖化対策に貢献しています。

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気候変動に適応した住宅の販売

震災や気候変動に伴い増加する風水害に備え、住宅・建築事業本部では「災害対策要綱」を整備し、住宅を引き渡したお客様などへの対策と行動指針を定め、迅速かつ的確な災害対策を講じるようにしています。

2016年11月4日には、震災や水害などの災害時にも安心・安全・快適性を追求する「BF-Si Resilience Plus(ビーエフエスアイ レジリエンス プラス)」を発売しました。住友林業独自の建物強度を誇る「BF構法」で建物の安全を確保し、充実した備蓄スペースと太陽光発電システム・壁掛型蓄電盤・雨水タンク等の設備により、万一ライフラインが遮断されても復旧までの一定期間生活を続けられる機能を備えました。ネットワークカメラ付きテレビドアホンは、ワイヤレスカメラで室内も確認することができ、災害時に外出先からも自宅の確認ができます。また、大きな備蓄スペースは日常生活でも部屋を片付けるのに役立ち、オリジナル造り付け家具は震災時の転倒防止に効果があるとともに、室内を調和の取れたすっきりとした空間にできます。

多様なニーズやライフスタイルに合わせた住宅の販売

住宅・建築事業本部は、はじめて住まいを取得する一次取得者層、共働き世帯、子育てを終えて二人暮らしの住まいを計画する夫婦等幅広いお客様に向けて住宅提案を行っています。

2017年8月には共働き家族向け注文住宅「DUE CLASSO(ドゥーエ クラッソ)」を発売しました。効率的かつ家族が参加しやすい動線や間取り、収納アイデア、最新機器などにより、「サク家事(さくっと家事のはかどる提案)」「トモ家事(家族でともに楽しく家事をする提案」「シン家事(最新技術で家事をサポート」を提案し、家族が協力しあうことで創出される大切な時間を豊かに過ごす工夫を盛り込んでいます。仕事と家事を両立し、ゆとりある暮らしを実現する住まいです。

また、2017年11月には約30万邸の注文住宅の実績から生まれた厳選1,000プランを提案する「Forest Selection BF」を発売しました。豊富な選択肢の中からお客様のニーズやライフスタイルに合わせて住まいの実現をしています。

各商品ともZEH仕様を推進し“暮らしの環境”と“地球環境”を大切にする住まいを提供しています。

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海外住宅における取り組み

住友林業は、アメリカとオーストラリアでの戸建住宅販売を中心に、海外での住宅事業展開を進めています。各エリアの文化、住まい方を的確に把握し、需要に見合った住宅を提供するとともに、環境に配慮した住宅販売も行っています。

海外での環境配慮型住宅の販売

住友林業グループは、海外においても省エネ性能の高い住宅を販売しています。

オーストラリアのグループ会社・ヘンリー社は2001年に、当時ビクトリア州が推奨していた省エネ性能基準のエナジー・レイティング※1の5スターを他社に先駆けて自社標準仕様とするなど、同国住宅業界の省エネ性能向上の取り組みを牽引してきました。2009年に住友林業グループに加わった後は環境への取り組みをさらに加速させ、同国における大手ビルダーとして初の一般顧客向けゼロ・エミッション・ハウス※2の商品化を実現させるなど、環境負荷低減のための様々な取り組みを行っています。

ビクトリア州では、主に住宅の基礎部分に使用するコンクリートの材料であるセメントの約20%分をフライアッシュ(石炭を燃焼する際に生じる灰)と高炉スラグ(高炉での製鉄の過程で鉄鉱石から分離される副産物)に置き換えた混合セメントを採用。建築段階において、一棟当たり約3トンのCO2排出量が削減されています。

また、日本の住宅では一般的な複層ガラスですが、オーストラリアではコスト等の理由から普及が進んでいません。新築住宅でも8割以上で未だに単板ガラスが用いられていますが、同社は2018年、ビクトリア州ビルダーとして初めて複層ガラスを標準仕様とし、住宅の断熱性能を高めています※3

さらに、気密性能の向上にも積極的に取り組んでおり、同社が建築した住宅はオーストラリアの住宅の平均よりも3倍以上の高い気密性能を持つという結果が2017年に行われた気密性能検査によって得られています※4

ヘンリー社が長年の省エネ住宅の開発の取組みの中で蓄積したノウハウは様々な場面で活かされています。持続可能な社会の実現への関心が世界的に高まる中で、ヘンリー社は今後も、材料・設備の改良や性能の調査を継続的に行うことにより、環境性能の高い住宅の開発に取り組んでまいります。

※1 オーストラリアにおいて建物内の冷暖房に対するエネルギー負荷を評価する指標で、断熱材や窓、建物の種類や大きさ、向き、立地する気候帯が評価項目となります。最高評価の10スターは、室内の快適な生活環境の維持に冷暖房を全く必要としないレベルを意味し、5スターは建物が高い断熱性能を有していることを示すものの、最低限の冷暖房エネルギーは必要であることを意味します。ヘンリー社が5スターを標準仕様としたことで他社も追随し、結果としてビクトリア州政府による5スター基準の制度化につながりました。その後もヘンリー社が社内基準を6スターへ格上げしたことがビクトリア州基準の6スター化につながるなど、同社がオーストラリア住宅業界の環境性能基準を先導してきました。

※2 従来の住宅より70%以上の省エネ効果が期待できる環境配慮型住宅。

※3 複層ガラスは単板ガラスと比較して熱還流率が35%程度低く、住宅の断熱性能を向上させる効果があります。

※4 ヘンリー社の住宅の平均値が5ACHであるのに対し、オーストラリアの住宅の平均は15.4ACH。(ACHは内外気圧差が50Paのときの1時間あたりの漏気量を表す指標で、数値が低いほど気密性が高いことを表します)。

ヘンリー社の住宅

ヘンリー社の住宅

気密性能検査の様子

気密性能検査の様子

 

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