環境リスクの把握と対応

住友林業グループは、気候変動や生物多様性など環境の変化が事業活動に影響を与えるリスクについて認識し、関連する情報を収集、必要に応じてこれらの情報を分析し、事業リスク評価を行っています。

リスクの度合いに応じ、日常業務で発生しうるリスクについては、各部署で具体的な対応策や評価指標を取り決めて進捗を四半期ごとに「リスク管理委員会」に報告し、中長期的に発生しうるリスクについては「ESG推進委員会」で対策の立案を行っています。これらのリスクのうち事業への影響度が大きいものについては、取締役会に報告し、対応策を協議しています。2018年度は各事業部が連携してTCFDに基づくシナリオ分析を実施し、「ESG推進委員会」にてその結果を協議しました。

気候変動、生物多様性などに関連するリスクとその戦略

自然災害への対応

大規模な地震や風水害などの自然災害が発生した場合には、保有設備の復旧活動や引渡し済みの住宅に対する安全確認および建築請負物件などの完工引渡しの遅延などにより多額の費用が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

住友林業ではこの対策として、耐震性の高いBF構法の住宅販売や、ライフラインが遮断されても一定期間生活を続けられる機能を備えたレジリエンス住宅の販売を推進しています。また災害時の被災状況をIoT技術によって遠隔で即時に把握し、迅速な支援を目指すサービスの構築を進めています。

木材生育の変化や調達規制への対応

住友林業は、木材を主要な資材や商材としているため、気候変動によって木材資源の枯渇や生育地の変化、それらに伴う規制が設けられた場合は、調達先を変更しなければならないリスクやコスト増のリスクがあります。

住友林業では、木材生育状況の変化および木材調達規制のリスク分散として、木材を20カ国以上から輸入するとともに主要国に駐在員を置き情報収集に努め、本社社員を派遣するなどして合法性の確認を行っています。また2017年5月に施行された「クリーンウッド法」においては国内登録第1号となるなど、グループ全体で合法的な木材の調達に努めています。

排出量削減義務化などカーボンプライシングの設定

国際的に温室効果ガス排出削減が進められるなか、当社グループが拠点を置く国で企業に削減義務が課される可能性があります。グループ会社が削減義務を満たせなかった場合は、排出権を購入する必要が生じるなどして、事業コスト増加のリスクがあります。

また日本においても、2012年10月の温対税施行によりカーボンプライシングが導入されました。パリ協定の目標達成に向けて今後、税率上昇や新たな炭素税の導入などがあれば、事業活動やコストに影響が及ぶ可能性があります。

住友林業ではこの対策として、グループ内の各社・各部門ごとに温室効果ガス削減目標を設定し、年度ごとに策定する数値目標に従って削減を進めています。

エネルギー供給不足への対応

水力発電由来の電力を利用しているニュージーランドなどでは、降水量の変化により、ダムの水位が低下し水力発電所からの送電が途絶することで、当該国を拠点とする住友林業グループの工場の操業が停止するリスクがあります。

住友林業ではこの対策として、グループ内の各社・各部門ごとに温室効果ガス削減目標を設定し、年度ごとに策定する数値目標に従って削減を進めながら電力使用量の削減も推進しています。

企業イメージの低下

気候変動対応や生物多様性保全など、各種リスクへの対応を誤った場合は、企業イメージを損ね、売上高などの業績に直接的なダメージを受けることがあります。

住友林業では、「リスク管理委員会」「ESG推進委員会」を通じて、環境・社会・ガバナンス面のリスクについて、短期から中長期的なものまで包括的に分析・対応しています。

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環境法令への対応

住友林業グループは、産業廃棄物処理や、有害物質による土壌・水質汚染、騒音・振動など、法令に関わるリスクに対応して、その影響の低減・顕在化の防止に努めています。

2018年度は環境関連法規の重大な違反事例や重大な環境事故はありませんでした。

産業廃棄物処理

日本においては、不法投棄される産業廃棄物でもっとも高い割合を占めるのが建設系廃棄物です。住友林業グループでは、産業廃棄物処理を環境リスクの中でも社会や事業に与える影響がもっとも大きいリスクの一つと捉え、適切な処理に努めています。

具体的には、廃棄物処理法および関係法令などを遵守し、生産活動に必要な基準と手続きを定めた「生産規程」や産業廃棄物の適正処理、発生抑制、再資源化、再利用について定めた「産業廃棄物管理規程」を設けています。この規程に基づき、産業廃棄物を排出する国内当社グループの各事業所では、マニフェストや処理委託の契約内容に関する自主監査を年2回実施しています。是正項目があった場合は、各事業所で適切な対応を実施したうえで、報告書を上位組織に提出し、グループ会社の適正処理を確認しています。

また、各事業所で委託先の処理場現地確認を年1回以上実施。2018年度は、住宅・建築事業本部の担当者が処理委託先約363社の約500カ所の処理場に対して、約608回の現地確認を行いました。 あわせて、住宅・建築事業本部以外の各事業本部やグループ会社の事業所に対して、同本部で現地確認を終えた処理場を利用するよう指導しています。

さらに、産業廃棄物が適切に処理されていることを把握するため、処理委託業者に電子マニフェストの利用を要請しています。住宅・建築事業本部の支店及び新築住宅に関わる産業廃棄物の処理委託業者は全て導入を完了しており、住宅の解体廃棄物も含めた2018年度の導入率は99.7%となりました。

これらとともに、産業廃棄物の処理業務を担当する社員などを対象に産業廃棄物担当者研修を実施しています。2018年度は、国内グループ各社の新任産業廃棄物処理業務担当者など合計101名が研修を受講しました。 また、工務店、解体業者、産廃処理業者に対しても同様に研修を行っています。

土壌汚染リスクへの取り組み

土壌汚染は、目に見えない地下で汚染物質が蓄積・拡散するなどの理由から、発見が困難です。住友林業グループでは、社有地や管理地の土壌汚染対策をはじめ、分譲住宅事業においては新規土地購入検討時に土壌汚染の自主調査を行っています。対象の土地については「土壌汚染対策法」に基づき適切に対応しています。

水質汚染

水質汚染は、汚染物質により、飲料水などを通じて人間の健康に直接被害を与えたり、河川や湖沼、海洋などに住む生物の生育環境に影響を与えたりするリスクがあります。改正水質汚濁防止法の特定事業場に該当する住友林業クレスト株式会社伊万里工場では、工場内の排水処理施設から出る排水について、外部測定機関による委託検査を2ヵ月に1回、 COD自動測定装置による社内水質検査を日次にて行い、検査結果は、半年ごとに地方自治体に報告しています。

この対策により、県による採水・検査を年1回、市による採水・検査を年3回受けていますが、いずれの検査においても、排水基準値を満たした状態であることを確認しています。

また、筑波研究所も改正水質汚濁防止法の特定事業場に該当するため、同法に関わる実験設備の一部更新や新規設置等に関する届出をしました。また外部測定機関に委託して月1回の水質検査を実施し、その結果を監視するとともに半年ごとにつくば市に報告しています。

有害化学物質による汚染

有害化学物質は、人間の健康や環境に大きな影響を与えるほか、災害発生のリスクがあります。住友林業グループは、VOC(揮発性有機化合物)を含む有害化学物質の使用量と排出量を把握して適切に管理するとともに、使用量の削減に取り組んでいます。

日本国内では、大気汚染防止法に適切に対応しています。同法に基づき、住友林業クレストでボイラーを設置している新居浜工場では、NOx、SOx、ばいじんの排出量と濃度を、焼却炉を設置している鹿島・静岡の各工場では、ダイオキシンの排出量と濃度を定期的に測定し、基準値未満であることを確認しています。

騒音・振動

住友林業は、住宅の建築工事における騒音・振動の防止に努めています。騒音・振動に関する苦情が寄せられた際には、その状況などを記録するとともに、グループ全体で情報を共有し、類似事例の再発防止につなげています。

また、住友林業クレストでは、各工場の敷地境界線における騒音が基準値未満であることを確認するため、定期的に測定を行っています。

2018年度は、近隣の方々からの環境に重大な影響を及ぼすような騒音・振動による苦情はありませんでした。

地球温暖化(フロン排出抑制法への対応)

温室効果が高いフロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全般にわたる抜本的な対策を推進するため、2015年4月より、「フロン排出抑制法」が施行されました。

住友林業グループはビルにテナントとしてオフィスを置いている場合が多く、住宅の施工・販売や木材加⼯品の製造・流通を主な事業としているため、所有(管理)している業務用冷凍空調機器(エアコンや冷蔵庫など)の台数は多くはありません。しかし、同法の施行を受け、冷媒としてフロン類が使用されている同機器の定期的な簡易点検の実施や、圧縮機の定格出力7.5KW以上の機器を対象とした法的な定期点検の実施を行っています。 また、機器の入れ替え、新規購入時においては、グリーン購入法に基づいたノンフロン製品への切替えを推進しています。

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