HIGHLIGHT 1 安心・安全な住宅の提供「IoTの活用で被災時も早急に復旧 自然災害時のデータ収集と分析システムの実用化へ」

日々の生活を営む場だからこそ、住まいの安心・安全の確保は、多くのお客様が重要視するポイントです。住友林業グループでは、建物の安全性や耐久性を常に向上させ、お客様と社会の安心・安全に貢献できる製品・サービスの提供に努めています。

近年頻発している地震や豪雨などの自然災害時、そして復旧時においては、特に早急な対応が求められます。

住友林業ではIoTの活用によって、自然災害に遭われた方々への迅速な支援を目指す新サービスの開発を進めています。

「状況把握に時間がかかる」という災害時の課題

日本は地震が多い国であり、さらに近年では気候変動による自然災害の激甚化に伴い集中豪雨や台風などによる被害も多発しています。日本における自然災害被害額は全世界の17%を占め、2015年までの20年間だけでも47兆円に達しています

大きな災害ほど復旧に時間がかかるのはもちろん、被災状況の把握も長期化する傾向にあります。2016年4月に発生した熊本地震では、二次災害を防ぐために行政が行う建物の応急危険度判定だけでも、完了までに約1.5ヵ月を要しました。「対応のために必要な情報が得られない、時間がかかる」など被災者の不安の声は強く、復旧を急ぐ上でも大きな課題となっています。

※ ルーバン・カトリック大学疫学研究所災害データベース(EM-DAT)より

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センシング技術により被災住宅のデータを迅速に収集

住友林業ではこのような課題に対して、被災後の速やかな復旧を促すサービスの開発を進めています。2017年より、当社の解析技術を活かしたIoTサービス、具体的にはセンサーで建物の状況を計測・収集・分析する実証実験に取り組んできました。複数のセンサーを住宅に取り付け、地震の揺れの大きさや浸水状況などをデータとして取得、ネットワークを介して収集し、分析するものです。筑波研究所の膨大な木造住宅耐震実験データ等と組み合わせることで高い精度での分析が可能となる、住友林業ならではの技術です。災害時にお客様の安心・安全を守るための新たなサービスとして、早期の実用化を目指しています。

関東圏で始まったこの実証実験は、2年目を迎える2018年10月、新たに全国12ヵ所に拠点を展開。被災度の判定に必要なデータを確実に収集できるよう、インフラの整備に取り組んでいます。

写真:住宅の内壁に取り付けられたセンサー

住宅の内壁に取り付けられたセンサー

データ収集のしくみ

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被災したお客様と地域の速やかな復旧をサポート

今後のサービス実用化を通して、住友林業が新たに提供できる価値は多方面に広がります。

センサー設置により住宅の被害状況を遠隔で確認できれば、被害状況の迅速な把握・報告や復旧工事の手配などお客様に必要な支援が速やかに取れます。これまで担当者が一軒一軒目視で確認していた「時間がかかりすぎる」課題や、大きな災害では「そもそも現地に近づけない」といった課題もクリアされます。

また収集したデータを二次活用することで、多くの人びとの安心につながる新たなサービスを開発することも可能です。例えば、損害保険会社と連携し、保険金の支払いに必要な損害鑑定を迅速化することで、より早い生活再建をサポートできます。また、お客様や自治体へデータを提供して応急危険度判定などの二次災害の防止に役立ててもらう、さらにはデータの分析結果をもとに、耐震性や耐久性を高める技術開発も促進されます。

写真:収集したデータの活用例

収集したデータの活用例

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サービスの普及でより多くのお客様に安心・安全を提供

現在も継続的にデータを収集していますが、様々な地域の建物について被災度の判定を行うため、今後さらに多くの計測データを集め、信頼性の向上につなげていきます。同時に、センサー設置数の大幅増にも耐えられるようなインフラの整備、取り付け方法の簡素化、デバイスのコストダウンなど、商用化に向けさらにブラッシュアップを図っていきたいと考えています。

まだまだ解決しなければならない課題はありますが、一つひとつ着実にクリアすることにより非住宅建築物や海外の住宅への適用、スマートシティ構想への応用など貢献の可能性も広がります。新しい付加価値を備えた住宅が幅広く社会へ普及することで、より多くのお客様の安心・安全に貢献していきます。

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サービス開発担当者より

住宅におけるIoTの利活用は、日本ではこれからの段階です。北米などを視察すると、センシング技術がすでに生活のあらゆるシーンに取り込まれているのを目の当たりにします。「住宅メーカーである私たちが、IoTを活かし、お客様に提供できる価値とは何か」、ITソリューション部にいる自分としては常に考えていました。自然災害が多い日本で安全性を気にされるお客様が増加している状況も踏まえつつ、今回の実証実験に取り組んでいます。

まずは高機能なセンサーでお客様の住まいを絶えず見守っていくこと。そして災害時には、お客様がもっとも必要とする「自分の家の被害状況はどうなのか」という情報をいち早く提供し、復旧に向けたサポートでお客様に安心を提供できるよう、信頼性や付加価値の向上に引き続き挑戦し続けます。

写真:ITソリューション部 住宅・建築技術グループ グループマネージャー 鈴木 英文

ITソリューション部
住宅・建築技術グループ
グループマネージャー
鈴木 英文

PICK UP

ミャンマーにおけるアフォーダブルハウスモデル棟建設への協力

住友林業は、海外においても省エネ性能の高い住宅や社会課題の解決となる住宅の販売・支援を進めています。

ミャンマーでは、日本・ミャンマー住宅都市産業協議会(JMHU、現:国際建築住宅産業協会(JIBH))とミャンマー建設業協会(MCEA)が協働して実施したアフォーダブルハウス(中・低所得者にも購入しやすい価格の住宅)のモデル棟建設に技術協力と寄付を行いました。

モデル棟はヤンゴン市郊外のミンガラドン郡区に建設され、JMHU会員の日本企業42社はそれぞれ寄付や住宅部材の提供、技術協力などを通して支援を実施。当社はJMHUの会長会社としてモデル棟の基本設計や工事監理のサポートを行い、ミャンマーの住生活水準の向上と豊かな社会の実現に向けた支援をしました。

写真:ミャンマーに建設したアフォーダブルハウス

ミャンマーに建設したアフォーダブルハウス

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