HIGHLIGHT 4 持続可能な森林資源の活用拡大「「持続可能な」木材調達の強化に向けて木材調達アクションプランの策定」

世界の森林面積は減少を続けており、SDGsの目標にも掲げられている地球規模の課題の一つです。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書によると、気候変動の要因のうち約25%は森林減少に由来するとも指摘され、パリ協定締結以降、特に懸念が高まっています。木材調達に関して「持続可能性」を求める動きが加速しており、木を軸に事業活動を行う住友林業も、責任ある木材調達のさらなる推進のため、3カ年のアクションプランを策定し、持続可能な社会の実現に貢献します。

住友林業が強化する、持続可能な木材調達のデューディリジェンス

当社では、これまでも持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを経営理念に掲げ、再生可能な自然資源である木を活かした事業活動を行ってきました。2005年に「木材調達基準」、2007年には「木材調達理念・方針」を策定し、木材調達の合法性確認を徹底してきました。2012年以降は、木材調達の持続可能性についてアンケート調査を中心に対応するなど、責任ある木材調達活動を推進してきました。

一方で、国連食糧農業機関(FAO)によると、近年、森林減少の主な要因は農地等への転換を目的とした森林伐採とされています。木材調達時には、違法伐採対策、周辺の生態系や地域住民への配慮などの従来課題に加え、農地に転換された森林からの木材・農産物の持続可能性が懸念されるようになりました。

住友林業グループが2019年5月に公表した「中期経営計画2021」では、事業とESGへの取り組みの一体化推進を基本方針の一つに掲げており、その目標年度である2021年度までに(合法性確認100%の維持にとどまらず)「持続可能な木材」の扱いを100%にしていく目標を掲げ、期限を設けた取り組みの見える化に取り組んでいます。

写真:木材合法性の現地視察

木材合法性の現地視察

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持続可能な木材及び木材製品の考え方

当社は、以下いずれか該当するものを「持続可能な木材及び木材製品」と定義します。合法性が担保されている場合であっても、「持続可能な木材及び木材製品」の定義に沿わないものについては、2021年度までに代替材などへの移行を進めていく方針です。

  1. 森林認証材及び認証過程材:FSC、PEFC、SGEC
    (CoC連鎖に関わらず出材時の認証を重視した材で認証材への移行を促す)
  2. 植林木材
  3. 天然林材で、その森林の施業・流通が「持続可能である」と認められるもの(転換林由来の材=森林をオイルパーム農園等に転換する際に伐採する天然林材はこれに含まれない)
  4. リサイクル材

また、調達先への持続可能性に関する調査票においても、人権や労働慣行に関する内容を充実させ、評価基準もより厳密にしました。一定の評価点に満たない調達先へは改善を求め、サプライチェーン全体の底上げを目指します。 なお、アクションプランの策定・実施にあたり、外部有識者とステークホルダーダイアログを実施するなど、客観性を担保しています。

写真:丸太の木口に貼られたQRコード付タグ

丸太の木口に貼られたQRコード付タグ

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サプライヤーと共に、価値ある木材を提供するために

持続可能な木材調達の実現は、商品開発などのサプライチェーン全体で取り組む必要があり、特にサプライヤーの協力が欠かせません。そのため、デューディリジェンスの運用の見直しにあたっては、サプライヤーとの対話プロセスも重視しました。デューディリジェンスの中で、農地などに転換された森林からの木材ではないことの確認を通じ、持続可能な森林管理の推進につなげるとともに、長期的に安定した木材調達の確保にも期待ができ、積極的に取り組みを進めます。

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外部有識者より

今回の3ヵ年アクションプランの根幹を成すものは木材の持続可能性の定義です。天然林材のうち、認証材でなくとも森林の施業などが「持続可能である」と認められるものを良しとすることは、チャレンジングな定義をされたと思います。そのために「農地等への転換林由来の材は除く」というコミットを掲げ、加えて全体を通じて人権や労働慣行の評価基準を厳密にすることは、世界的な潮流に適合するものです。

一方で、植林木のほとんどが持続可能とされていることやリサイクル材の範囲の考え方など、日本における木材調達方針運用の課題も残っています。リーディングカンパニーとして、こうした課題に正面から取り組むことにも期待しています。

写真:公益財団法人世界自然保護基金ジャパン サンゴ礁保護研究センター副センター長 兼 森林グループアドバイザー橋本務太氏

公益財団法人
世界自然保護基金ジャパン
サンゴ礁保護研究センター
副センター長
兼 森林グループアドバイザー
橋本 務太 氏

PICK UP

きこりんプライウッドがエコプロアワード受賞

環境配慮型オリジナル合板「きこりんプライウッド」は、森林認証材及び持続生産可能な植林木を50%以上使用したJAS規格適合の商品です。

2009年の販売開始以来、きこりんプライウッドの売上の一部を住友林業がインドネシアで行う植林事業に継続的に還元し、総植林面積は105ha(東京ドーム約22個分)にまで広がりました。また、植林と伐採の循環を続けた結果、地域貢献にもつながっています。例えば、植林事業で地域の雇用を創出したり、木材販売による収入や植林木材を活用した木材加工業の事業化など産業振興にも貢献しています。さらには、植林木材を原材料として転換活用することで天然木への負荷軽減にも寄与しています。

これらの取り組みが評価され、2018年9月「第1回エコプロアワード」奨励賞を受賞しました。今後も地域住民への苗の提供や植林方法の勉強会など積極的に開催し、持続可能な循環型の植林事業を推進していきます。

※ 一般社団法人産業環境管理協会が主催。エコプロダクツに関する情報を需要者サイドに広く伝えるとともに、それらの供給者である企業等の取り組みを支援することで、わが国のエコプロダクツのさらなる開発・普及を図ることを目的に2004年度創設。2018年度にこれまでの「エコプロダクツ大賞」をリニューアルし、新たに「エコプロアワード」として生まれ変わった

エコプロアワードロゴ

写真:きこりんプライウッド

きこりんプライウッド

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