富士山「まなびの森」プロジェクト

台風により甚大な風倒被害を受けた富士山2合目に広がる国有林をもとの豊かな自然に戻すため、住友林業設立50周年の記念事業として、1998年に開始した富士山「まなびの森」プロジェクトが、2018年で20周年を迎えました。

これを記念して2018年7月に冊子『富士山「まなびの森」20年の歩み』を発行し、地元小中学校など関係各所に配布しました。

また20周年記念ボランティア活動として、フォレストアーク※1の三和土(約200m²)の打ち直し※2のボランティアと20年間植林した苗の成長を確認する「まなびの森」の見学を11月に実施。3日間で延べ169名(スタッフを含む)が参加しました。

2018年度はこの他に、環境教育を実施したり、NPOなどの団体活動の場として開放するなど、社内外の延べ1,630名が「まなびの森」を訪れ、1998年~2018年度までの「まなびの森」への累計訪問者数は28,264名となりました。

※1 富士山「まなびの森」の入り口に位置し、環境学習やボランティア活動の拠点となる環境配慮型施設

※2 三和土(たたき)とは、「土」「石灰」「にがり」三つの自然素材を混ぜ合わせて、たたき固めたもの。3種類の材料を混ぜ合わせることから三和土と言われている。今回はフォレストアーク内の土間部分にある既存の土等を再利用し、全面的にたたき固めて整えた

森林づくりボランティア活動

1998年のプロジェクト開始以来、これまでに約3万本の地域固有の樹木の苗を植樹、延べ2万8,000人以上のボランティアが参加して、植樹と育林活動を進めてきました。

2017年度、風倒被害林の森林づくり作業は、ヘキサチューブの撤去完了をもって一段落となりました。2018年度以降の活動は、森林づくりから、森の成長を確認する樹木調査のボランティアへと変わります。樹木医など木の専門家の指導の下、今までボランティアによって植栽した樹木の成長を「見える化」しながら、より森林に親しみ学べる場所「まなびの森」へとシフトしていきます。

写真:社員参加ボランティア

社員参加ボランティア

写真:住友林業建築技術専門校訓練生参加ボランティア

住友林業建築技術専門校訓練生参加ボランティア

森林再生ボランティアの推移

グラフ:森林再生ボランティアの推移

環境学習支援プロジェクト

2006年度からはNPO法人ホールアース研究所と連携し、地元小中学校の児童・生徒を対象とする「環境学習支援プロジェクト」を継続しています。活動内容は樹木や野生生物の観察や五感を使ったゲームなどで、これらの自然を見つめ直す機会を通じて自然の大切さを知ってもらい、新しい自然との共存関係を考えてもらうことを目的としています。2018年度は10校957名の児童・生徒を招待しました。

写真:環境学習支援プロジェクト

環境学習支援プロジェクト

環境教育プログラムの推移

グラフ:環境教育プログラムの推移

植生モニタリング・鳥獣生息調査

自然林の回復状況をモニタリングするため、東京農工大学植生管理学研究室の協力の下、2000年から「植生調査」を行っています。合わせて日本野鳥の会南富士支部の協力の下、「鳥獣生息調査」も同じ年に開始しました。

「植生調査」では、植樹したブナやケヤキなどとともに、台風被害後に自然に芽生えたミズキ、キハダなども順調に成長していることが確認できました。この20年で、樹木が大きくなったばかりでなく、森林の構成種全体が回復してきていることが分かりました。

また「鳥獣生息調査」では、倒木が撤去されて土の見える環境から次第に草原、森林へと姿を変えていく中で、草原性のキジやモズが減少し、森林性の鳥であるキビタキやヤマガラを観察する機会が増えました。鳥類の生態からも、森林が順調に回復していることが分かります。

森を育てるには悠久の月日が必要で、「まなびの森」も100年の計画です。100年先の未来も継続して行っていけるよう、森づくりや環境活動を通じて、一人でも多くの人に自然の大切さを知っていただく活動を継続していきます。

地域社会との協働

住友林業グループでは、事業を展開する周辺地域の生物多様性保全や地域社会に密着した活動を、地域の皆様と共同で行っています。

群馬「まなびの森」での森林整備活動

住友林業と群馬県は、2012年7月に「県有林整備パートナー事業実施協定」を締結し、県と共同で赤城山山麓の森林整備を進めています。

群馬県は前橋市管内にある赤城の森を保有し、企業・団体と協力して、県有林の整備と保全を進めています。住友林業群馬支店は森林整備活動として群馬「まなびの森」を2018年度も実施しました。これは、ヒノキの苗木の植樹や、地元森林組合の協力のもと間伐などを行う活動で8月に社員及び協力工事店社員とそのご家族など、33名に参加いただきました。

写真:群馬まなびの森

群馬まなびの森

「かながわプラごみゼロ宣言」に賛同

2019年2月神奈川県下の営業支店(住宅・建築事業本部 横浜支店・横浜北支店・神奈川西支店・湘南支店・東京南支店)が「かながわプラごみゼロ宣言」に賛同しました。今後は、2018年度に続きビーチクリーン活動や、地域を対象にプラごみに関する環境教育を実施していきます。

名木・貴重木を後世に受け継ぐ技術の開発

住友林業は、各地の名木・貴重木を後世に受け継ぐため、所有者からのご依頼により、従来の技術である接ぎ木や挿し木に加え、最新の技術であるバイオテクノロジーを活用し、名木・貴重木の花や葉といった性質をそのまま受け継いだ苗木を増殖し、名木・貴重木を後世に受け継ぐことに力を注いでいます。また、樹木のDNAデータベースを構築し、高度な個体識別も進めています。

~東日本大震災を乗り越えた天然記念物~ 福島県「泉の一葉マツ」後継樹が里帰り

「泉の一葉(いちよう)マツ」は福島県指定の天然記念物で推定樹齢400年と言われ長年地元で愛されてきましたが、東日本大震災以後、松くい虫被害によって樹勢が大きく衰えていました。南相馬市が後継樹育成の可能性を模索する中、「奇跡の一本松」で増殖成功の実績があった住友林業に協力依頼があり、2013年より後継樹の育成に着手。松ぼっくりの内部にわずかに残った種子を採取することに成功し、2015年3月には発芽させることができました。2018年末には成長した苗に「泉の一葉マツ」の特徴である一葉の出現が観察されたことから、後継樹を里帰りさせることとなりました。

写真:泉の一葉(いちよう)マツ

泉の一葉マツ

「TOKYOサクラプロジェクト」始動 東京都と住友林業「東京のサクラ」を保存・普及

東京にゆかりのあるサクラを保存・普及させる「TOKYOサクラプロジェクト」を開始しました。2018年4月に両者が締結した「自然公園事業に関する連携協定」に沿って、住友林業が持つ遺伝子情報を利用した品種鑑定や組織培養による増殖技術を用い「東京のサクラ」の遺伝子を未来につなげます。

TOKYOサクラプロジェクトのロゴ

TOKYOサクラプロジェクトのロゴ

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次世代育成教育

木や自然の大切さを子どもたちへ「丸の内キッズジャンボリー2018」に協賛

2018年8月東京国際フォーラム主催の「キッズジャンボリー」に協賛ならびにブースの出展をしました。この催しは子ども向け参加型イベントで、子どもたちへ未来の夢を育む感動・発見・驚きを届けるというコンセプトのもと、2007年から夏休み期間に継続して開催されています。当社は2016年から3年連続3回目の協賛で、今回は生物多様性をテーマに、身の回りにいる生き物と自然のつながりについてクイズ形式で紹介しました。クイズに答えた参加者には「きこりん」のグッズをプレゼント。親子で楽しみながら、ワクワクする学びを体感してもらいました。

写真:クイズに挑戦する親子

クイズに挑戦する親子

高校生に「夢はバイオの花見 木のちからで地球の未来を創る!」をテーマに講義

2018年7月に開催された「第18回 日経エデュケーションチャレンジ(主催:日本経済新聞社)」に協賛し、今後の社会を担う高校生に向けて「夢はバイオの花見 木のちからで地球の未来を創る!」をテーマに講義を行いました。本プログラムへの参加により、高校生に向けて当社の木を軸にした幅広い事業と、筑波研究所の研究成果が事業に直結することを紹介。研究経験と仕事を通して得られる感動、夢、笑顔を伝えました。

講義では、植物の組織培養の研究・技術開発を活かした植林や名木を後世に残してきた研究の中から、京都・醍醐寺にある秀吉ゆかりの枝垂れ桜のプロジェクトについて取り上げ、木が高齢で従来の技術が使えず培養による苗の増殖に挑戦したこと、この桜に合う培養液を探すために何千通りも試し多くの失敗を経て世界で初めて枝垂れ桜の培養に成功したことを話しました。高校生自身も実際に顕微鏡で成長点の細胞を採取する体験に熱心に取り組みました。

写真:授業風景

授業風景

SGH指定校 愛媛県立松山東高等学校への企業研究セミナー実施

2014年からスーパーグローバルハイスクール(SGH)事業の一環として、松山東高等学校の生徒が住友林業グループ発祥の地である愛媛県新居浜市を訪問し、毎年セミナーを受講しています。

2018年6月実施のセミナーは、新居浜事業所での住友林業グループの事業紹介及び海外駐在経験者の体験談などの座学と旧別子のフォレスターハウスでのフィールドワークの2部構成で行い、住友林業の325余年に及ぶ歴史と受け継がれる企業精神が、現在の海外での事業展開に寄与していることを学んでもらいました。

また、2014年度と2015年度はジャカルタ事務所に生徒が訪問し、インドネシアでの当社の事業展開を見聞しています。

一連の活動を通して住友林業は、文部科学省「国際的に活躍できるグローバル・リーダーを高等学校段階から育成するスーパーグローバルハイスクール事業」に賛同・協力しています。

写真:フォレスターハウスの様子

フォレスターハウスの様子

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企業・IR・CSR情報