お客さまはさまざまなライフスタイルをもち、またご家族への深い思いをおもちです。デザインの好みもあります。それらを、どのような素材でいかに形にするか。経験と知識と情報、人のネットワーク――すべてを注いで一緒につくりあげます。まず目標をしっかり共有すること、それがすべての始まりです。
米国人のMさまと日本人の奥さま、そして4人の子どもたち。米国の住宅のスケール感とライフスタイルにあった住まいを、日本でいかにつくりあげるか。そして、ご夫婦のインテリアへの深い思いを、どのような素材を使って、いかに形にするか――それが課題でした。Mさまがお好きな、和の落ち着いた雰囲気の演出も求められていました。
家族のコミュニケーションの中心となるリビングやダイニングをいかに明るく広がりのある空間にするか。家族をつなぐ“コア”としての役割が求められています
大きな洋風の空間、あえて広さを抑えた和空間--空間ごとに最適な材料があります。その空間にどういう要素が求められているのか、論理的にしっかり考えて材料も選びます。
光と影の演出、路地を歩く楽しみ、やわらかに視線を遮る格子……和の要素を積極的に取り入れて、落ち着きのある空間を演出しました。
図面と格闘し、素材探しに足を棒にしながら、毎週のようにMさまご夫婦とスタッフ全員で打ち合わせテーブルを囲んだ日々。共有していたゴールのイメージに向かって、励まし合いながら走りました。「このドリームチームを解散したくない。だからもう一軒、家を建てたい」とMさんがおっしゃったとき、私たちは本当に頑張ってよかったと晴れ晴れとした気持ちになりました。忘れることのできないお住まいです。