もっと色を楽しみませんか? 思い切って壁や家具に色を使うと、インテリアの雰囲気ががらりと変わります。色は気分を引き立てたり、気持ちを和ませてくれたりします。昔の日本の住まいでも、柿渋や紅殻、群青などの美しい色が巧みに使われていました。私はいつも、色を楽しむご提案をしています。
ご家族思いの奥さま。仕事先や学校で頑張って帰ってくるご家族を温かく迎える家にしたいという気持ちをお持ちでした。お好きなダークブラウンを基調に、いかにやすらぎのあるインテリアにするか。色づかいや家具のデザイン、照明計画を一つひとつ練り上げていきました。
好きな色を使うことこそ、やすらぎにつながります。その色をベースに、それに合った“差し色”をワンポイントに使います。色を使いすぎないことは、心地よいインテリアづくりの基本です。
物があふれていては、気持ちのやすらぐインテリアにはなりません。収納計画をきちんと立て、すっきりとした空間にすることがポイント。収納家具は、できるだけ空間のイメージに合わせて造り付けにします。
照明器具をあまり空間に露出させないことが、インテリアを美しくまとめるポイントです。その中で、ダイニングテーブルの上のペンダントは、逆に照明の“見せ場”となるところ。輝きのあるものを使えば、ラグジュアリーな雰囲気が生まれます。
玄関ホールに飾られた抱えきれないほどのカサブランカ。花がお好きで、生け花の心得もある奥さまの、ご家族やお客さまへの暖かな心遣いです。隅々まで美しく整えられた住まいは、ここで過ごす家族の時間を何よりも大切にしたいと考えるご主人と奥さまの、深い想いの結晶。ご一緒にインテリアデザインを進める機会をいただけたことに感謝しています。