そこで新しい暮らしを始めるご家族の、個性や人柄、雰囲気に合ったインテリアをご提案したい、といつも考えています。どんな雰囲気をもったお客さまが、何をして過ごしたいと思っていらっしゃるのか――まずそれを伺い、それに合ったソファやテーブルなど空間の“主役”になるものを決めていきます。つくられた空間に後から家具を当てはめるのではなく家具や照明の選択と合わせて空間をつくりあげていくことが、居心地のよい、そしてそのご家族らしいインテリアにつながると思っています。
人を招いて和やかに過ごすことがお好きだというご夫婦。リビングにはイタリア製のゆったりとしたソファを置きたいと考えていらっしゃいました。そのソファがしっくりと馴染み、集いを楽しむ空間をいかにつくるか、設計担当とも打ち合わせを重ねました。
インテリアのありかたを決めるのは、そこでお客さまが何をして過ごされるのかということです。ソファやダイニングテーブルをどれにするかという“もの”ありきではなく、“どんなふうに過ごしたいのか”、そこからお打ち合わせを進めます。ものはそこから必然的に導き出され、さらにそれを置く空間が決まっていくのだと思います。
照明計画は、空間を心地よいものにするためにとても大切です。どこにどのような光を導くかはもちろん、明るいところと明るさを抑えたところのメリハリをつくることもポイントです。照明器具が見える場合は、その色やデザインもインテリアの雰囲気を左右する大きな要素になります。
ご家族にはそれぞれ新しい住まいで実現したいことがあり、「理想の暮らし」を思い描いていらっしゃいます。しかし漠然としたものであることが多く、それを具体的なかたちにするお手伝いが、インテリア担当の仕事だと思っています。
趣味やご友人との時間を大切にされるライフスタイルをお持ちの、すてきなご夫婦でした。お二人が望まれる「たくさんの人とくつろげる住まい」をつくりあげるために、リビングの“主役”となるソファをまず決め、そこから空間の大きさを導き、さらにそのソファに合う質感の豊かな素材を重ねて内装を仕上げていきました。設計と一体で進める理想的なコーディネートができたことで、家具と住まいの間に強い一体感のあるインテリアになったと思います。また、思い切って赤色のフロアスタンドを使うことで大人の洗練された空間でありながら、温かみがあり親しみやすいという、お二人の人柄そのものといえる雰囲気を醸し出すこともできました。ご夫婦が、新しい家での時間を楽しく過ごしていらっしゃると伺い本当にうれしく思います。これからも多くの人が楽しく集う舞台であってほしいと願っています。