七十二候と住まい

暮らしの中で、
七十二候を愉しむ

日本には、春夏秋冬の四季だけでなく、それを細かく分けた七十二候という季節があります。
いつもの日々のふとした瞬間に、新しい季節の訪れに気づく歓び。
そんな、古来の日本人が大切にしてきた豊かな感性とすこやかに暮らすための知恵を、設計に活かしました。

七十二候とは

春春

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第六候

二月二十八日~三月四日頃

そうもく めばえいずる

草木萌動

やわらぐ陽光の下で土も潤いはじめ、
草木が芽吹き出すころ

春の息吹を誘い入れる大きな開口部。

草木が芽吹くみずみずしい香りが、大きな窓からふんだんに流れ込みます。春の息吹に満たされた室内は、まるで庭とつながっているかのような一体感。豊かな表情をみせる上質の木材を天井の一部にも採用し、自然の薫りを際立たせています。

第十一候

三月二十五日~三月二十九日頃

さくら はじめてひらく

桜始開

古来より人々を魅了してきた
桜の花が鮮やかに咲きはじめます

繊細な格子でしつらえた上質な和空間。

美しい表情を浮かべる上質の木材を天井にあしらい、白壁と繊細な格子でしつらえた和室です。白壁と木材の絶妙のマッチング、格子からとり込むやわらかな光。桜を愛でていると、落ち着いたゆとりの時間が流れはじめます。

第十五候

四月十五日~四月十九日頃

にじ はじめてあらわる

虹始見

春の雨に大気が潤って
虹があらわれはじめるころ

美しい木目のドア、格調高きエントランス。

春は新たなスタートの季節。美しい木目の玄関ドアと深い軒がつくる上品な表情で家族を送り出します。住まいの顔ともいえる玄関先を緑の植栽で爽やかに装います。

第八候

三月十日~三月十四日頃

もも はじめてさく

桃始笑

桃のつぼみがほころび、
まるで微笑むように咲きはじめます

ゆとりのスペースに四季折々のアイストップ。

階段横にゆとりのスペースを設け、四季折々のものを自由に飾って楽しみます。空間を機能的に埋め尽くすのではなく、あえて「間」をつくることも設計のポイント。

第八候

三月十日~三月十四日頃

もも はじめてさく

桃始笑

桃のつぼみがほころび、
まるで微笑むように咲きはじめます

ゆとりのスペースに四季折々のアイストップ。

階段横にゆとりのスペースを設け、四季折々のものを自由に飾って楽しみます。空間を機能的に埋め尽くすのではなく、あえて「間」をつくることも設計のポイント。

夏夏

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第三十一候

七月七日~七月十一日頃

あつかぜ いたる

温風至

青い空が広がり、
風が熱気を運んでくる本格的な夏の訪れ

緑あふれるデッキが夏のリビング。

リビングの大きな窓を開け放つと、緑あふれる庭につながる広々としたウッドデッキ。みんなが自然と集まってくる夏のリビングです。ほのかに漂う木の香りと緑の息づかいを感じながら、たくさんの夏の思い出がつくられていきます。

第二十九候

六月二十六日~七月一日頃

あやめ はなさく

菖蒲華

あやめの花が咲くころは、
一年で最も日が長く、夜が短くなる季節

開放的な空間に、風の通り道をつくる。

居室の連続性とともに、上下階の多層的なつながりも考慮し、空間に風の通り道をつくります。美しい表情をみせる木材を床と天井にあしらった開放的なスペース。長雨が続く季節でも、この空間にいるだけで気分は晴れやかです。

第三十四候

七月二十三日~七月二十七日頃

きり はじめてはなをむすぶ

桐始結花

桐が空に向かって花を咲かせ、
卵型の実をつけるころ

デッキとつながるキッチンの心地よい大空間。

デッキからキッチンへとつながる大空間。大きな窓から吹き抜ける夜風が、暑気を洗い流してくれます。たまには、デッキで星空の下の晩餐などいかがでしょう。夜空を彩る花火と虫の声。みんなのおいしい笑顔と会話がはずみます。

秋秋

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第四十三候

九月七日~九月十一日頃

くさのつゆ しろし

草露白

草に降りた露が朝日に照らされて、
美しく輝きはじめる秋の風情

デッキからリビングすべてが月見の特等席。

季節の移ろいをじっくり楽しめる空間設計。格子をあしらった趣のあるデッキからリビングへと連続性をもたせました。一段下がったリビングは、夜空を見上げるのに絶妙の位置。風を浴びながらくつろげるデッキ。秋はいずれも月見の特等席です。

第四十二候

九月二日~九月六日頃

こくもの すなわちみのる

禾乃登

田んぼの稲が黄金色に輝くように実るころ。
収穫への期待に胸がふくらみます

ダイニングカウンターで秋の実りを堪能。

秋の実りが食卓に上りはじめる季節。特別な日は、趣向を変えてダイニングカウンターでおいしい秋を堪能してみてはいかがでしょう。リビングとダイニング、そして和室へとつながりをもたせた設計。空間をかけめぐる秋風が、料理の味を引き立てます。

第五十一候

十月十八日~十月二十二日頃

きりぎりす とにあり

蟋蟀在戸

秋の野をにぎわせていたきりぎりすやこおろぎが、
人の住まいに近づいてきます

ゆったりと時間が流れる、趣味の空間。

秋の夜長、虫が奏でる音を聞きながら、自分だけの趣味の時間を楽しめる土間。レンガの壁にしつらえた暖炉からやさしい温もり。白を基調としたタイルを床と壁の一部にあしらい、落ち着いた雰囲気をつくり出しています。

冬冬

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第六十六候

十二月三十一日~一月四日頃

ゆきくだりて むぎのびる

雪下出麦

地面が凍り付く下で、
春を待つ麦が芽を出しはじめます

新年の集いにふさわしい和と洋の大空間。

和室と洋室をつなげて使うという自由な発想を活かした大空間。和室にしつらえた繊細な意匠の格子戸、畳と床をつなぐデザイン加工されたフロア、土壁と格子の絶妙なマッチング。笑顔が並ぶ年初の集いを、窓からたっぷりの日差しが祝福してくれます。

第六十九候

一月十五日~一月十九日頃

きじ はじめてなく

雉始鳴

雉が求愛のために
甲高い歌声を響かせる小正月のころ

家族の存在を感じながら自分の時間を楽しむ。

居室のような仕切りの壁をとりはらい、独立性を保ちながら開放的な空間をしつらえました。外が寒くなるほど、人の温もり、部屋の温かさが愛おしい季節。家族の存在を感じながら、自分の時間を楽しめる新しい空間です。

第七十候

一月二十日~一月二十四日頃

ふきのはな さく

欵冬華

ふきの花が咲きはじめ、
凍てつく地の下で春の仕度が進みます

中庭のあるゆとりと贅沢を堪能。

壁一面にしつらえた窓。その先の中庭に写る四季折々の美しい風景を堪能する。冬は、木に積もる美しい雪景色の変化を、まるで美術館で絵画を鑑賞するかのようにゆったりと楽しみます。中庭のあるゆとりと贅沢を堪能してください。

夏を涼しく冬を温かく暮らす設計提案

「涼温房」について