●ステキに子育てLIFE
2015/03/31 公開
『天才は親が作る』(文春文庫/吉井妙子著)は、アスリートの育児環境に迫ったノンフィクションです。イチロー、杉山愛らの顔ぶれに共通していたのは、「幼少期からはだしで遊んでいた」ということ。さて、はだし教育はキッズにどんな影響をもたらすのでしょうか?
「わんぱくでもいい。たくましく育ってほしい」――昔のCMフレーズではありませんが、子どもの運動能力を鍛えたくないママさん、パパさんはいないでしょう。プールにテニス、サッカーに体操など、運動能力を磨くための教室、スクールには事欠きませんが、レッスン、トレーニングの前に考えておかなければいけないことがあります。それが、おうちの環境です。
目覚ましい成績を残したスポーツ選手の親に取材し、その育児環境をクローズアップした『天才は親が作る』(文春文庫/吉井妙子著)によると、この本に登場するイチロー、松坂大輔、丸山茂樹ら10人の一流選手たちに共通するのが、「はだしで駆け回って遊んでいた」ことでした。0~4歳ごろまでの遊び環境が運動神経の発達には極めて重要だ、ということが裏づけられたのです。
はだし運動によって脳がどんどん刺激され、運動神経、知覚能力は格段に磨かれていきます。近年、「はだし教育」を取り入れている幼稚園、保育園も増えてきていますが、はだし教育で育つと「偏平足になりにくい」「体幹が鍛えられることで姿勢が良くなる」といったメリットがあるそう。
裸足教育指導士を養成する日本スポーツ&ボディマイスター協会や、裸足ランを提唱する日本ベアフット・ランニング協会など、啓蒙団体も増えてきており、はだしと体育教育が重要な関係になりつつあることがわかります。
ただ、足裏と自然がダイレクトにつながる環境をしつらえるのはそう簡単なことではないのが現実。残念ながら、土や泥と触れ合う機会はごく限られたものになってしまいます。そこで理想的なのが、木の質感が心地よく感じられる住環境です。ウッドデッキや無垢材の床で自由に走り回れば、はだし育児のメリットをフルに生かせるのは言うまでもありません。
そう、運動遊びに限らず、おうちで過ごす時もはだしがベター。ジャンプ、駆けまわる時も床滑りを気にしなくていいため、存分に走れます。これが運動機能、脳に好影響を与えるのは言うまでもありません。もちろん、「うちの子は、別にスポーツ選手にならなくても......」というママさん・パパさんも多いでしょう。だけど、代謝の良い幼児は熱エネルギーを適切に発散させるのも大事。手足は必要以上にカバーせず、体温を発散させるのが望ましいのです。また、はだしと親和性の高い「木」を存分に体感することで、運動機能や脳の発達に好影響を与えるだけではなく、自然の恵みと住まいの大切さもしっかりと刻まれていくでしょう。子育ての環境づくりを見すえているママさん・パパさんは、住宅の足まわりを合わせて考えてみてはいかがでしょうか。
子どもの成長には「遊び」が欠かせない。自宅の庭でできる、好奇心を引き出す遊びを紹介!