●ステキに子育てLIFE
2016/04/15 公開
親たちが子どものころは「日焼けは健康児の証」という風潮がありましたが、近年は紫外線のダメージが広く知られ、赤ちゃんのうちから日焼け対策が推奨されています。一方、日光不足によるビタミンD不足という心配も。紫外線との適切な接し方を考えてみます。
気象庁によると、1年のうちもっとも紫外線量が多くなるのは7~8月。一方、メディアなどでは「5月の紫外線がもっとも強い」「5月の紫外線は真夏並み」とよく耳にします。どちらが正解? 日焼け対策はいつから始めるのといいのでしょうか?
紫外線には紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)があります。紫外線B波はオゾン層で吸収されるのに対し、紫外線A波はオゾン層の影響をほとんど受けません。オゾン層は春よりも夏に薄くなるため、紫外線B波のピークは夏。気象庁では紫外線B領域を観測しているため「紫外線量は7~8月がもっとも多い」と発表しているのです。
これに対してオゾン層の影響をあまり受けない紫外線A波は、梅雨時期の7月よりも晴天が多い5月の方が強くなります。そのため紫外線(A波)は5月がピーク。つまり、5月と7~8月のどちらも紫外線は強烈ということなのです。
紫外線A波は肌の奥まで届いて将来的なシミ、シワ、たるみの原因となり、紫外線B波は肌表面にダメージを与えて日焼け、炎症、水ぶくれなどの誘因となります。子どもの皮膚は薄く、大人よりも紫外線の影響を受けやすいため、日焼け対策は3月頃から始めておくといいでしょう。
子どもの紫外線対策では、外出時につばのある帽子や薄手の長袖を着用させるのが理想的。日差しの強い日に長時間出かける場合は、肌に優しいベビー・キッズ用の日焼け止めを塗ってあげてもいいでしょう。しかし、「肌に優しい」とはいっても、日焼け止め成分は肌を刺激してしまうので、お風呂のときなどに石鹸で顔を洗ってきちんと落とすことが大切。ウォータープルーフタイプの日焼け止めもありますが、オイルクレンジングが必要になるので、日常使いというより、川辺でのレジャーなど特別なときの使用に向いています。
保育園・幼稚園や小学校に通っている場合は、日焼け止めが塗り直せないので紫外線カット機能のある衣類を着せるのもおすすめです。運動をするときなどにかぶるカラー帽子(赤白帽子)は、つばが広く、首筋までを覆うたれ付きタイプがベター。5月に子どもの運動会が開催される場合は、ママだけでなく子どもにも日焼け止めを塗ってあげるのを忘れないようにしましょう。
紫外線は肌トラブルや皮膚がんの原因になりますが、その一方で体内のビタミンD生成を促す効果もあります。ビタミンDは骨を丈夫にしたり免疫力を高めたりする作用のある栄養素。紫外線を避ける風潮が広がったことにより、近年は乳幼児や妊婦、若い女性を中心にビタミンD不足が指摘されるようになりました。
環境省、WHO、国立環境研究所などの各団体ではビタミンD生成のために1日に必要な日光浴の時間を発表しています。エリアや時間帯にもよりますが、成人であれば夏の場合は日陰で30分程度、太陽の光を浴びるといいようです。
紫外線に注意しつつ、そのメリットにも目を向けて、上手に太陽光と付き合うことが大切なようです。たとえば、外出の予定がない日はお庭に出て外遊びをしたり、軽く日向ぼっこをしたりしてもいいかもしれません。
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