●わたしらしさを楽しむ家づくり
2017/08/25 公開
軽くて丈夫な木は、古来より使用されている伝統的な建材。日本人なら誰でも親しみがあります。最近では、体や心の健康にも良い影響をもたらすとして注目を集めている「木」をクローズアップ。知られざる効能を紹介します。
まず、木材の消臭・防虫効果に注目してみましょう。日本では昔から水気をきった茶ガラを畳にまいて履き掃除をする習慣がありました。これは茶のポリフェノールに消臭作用があるため。同様にヒノキ、スギ、ヒバの香りにも消臭作用があることが知られています。
害虫避けとしても古くから利用されてきたのが植物の精油。たとえば蚊取り線香はスギの葉が原料に使われていますし、クスノキから抽出された「しょうのう」は防虫剤として愛用されています。青森ヒバの産地である青森地方では、住宅の土台に青森ヒバが使われることも多いそう。その理由は、ヒバがシロアリに強い抵抗力を持っているため。木の香りはダニの繁殖を抑えることもわかっていて、家庭でのダニ対策としても木材が役立っています。
やさしい木の香りは心に安らぎをもたらします。その代表格がヒノキ。深呼吸をしたくなるような清々しい香りがヒノキ風呂で楽しめますね。最近のバスルームでも、ヒノキ精油が配合されたバスエッセンスを利用することで、ヒノキならではの香りが手軽に堪能できます。このほか、寝具にヒノキ材油やモミの葉エキス、パインニードル油を注入したグッズも開発されているので、チェックしてみてもよさそうです。
古くから香木として親しまれているのが沈香(じんこう)や白檀(びゃくだん)。沈香はジンチョウゲ科のアキラリア属の木が、土や水中に長年埋もれてできた貴重なもの。白檀の崇高な香りは宗教儀式には欠かせないものとなっています。白檀は英語で「サンダルウッド」。アロマオイルでもポピュラーな香りとして知られています。
「温かみ」「心地よさ」といった印象の通り、木材は目にやさしいこともわかっています。光には多くの紫外線が含まれていますが、人の目にとって紫外線は有害なもの。雪原などを歩いていて起こる「雪目」などはその典型です。しかし、木材は紫外線の反射が少ないため、光沢は目に穏やか。紫外線を吸収する一方、赤や黄、赤外線を大きく反射するので温かみを感じさせてくれるのです。木材の色彩は樹種によってさまざまですが、黄みが強くなると明るく軽快なイメージ、赤みが強いと重厚なイメージとなります。
まだまだ尽きない木の魅力。住友林業の「PREMIUM TREE」のページでは、マホガニーやウォルナット(クルミ)、チークなど世界の銘木の魅力を紹介しています。樹種による木質感や風合いの違いなどを比較できますので、ご興味のある方はチェックしてみてください。