自然がつくりだす木は、工業製品には真似のできない優れた性能があります。
その繊維組織は強く、優れた耐久性や耐火性を備え、
人に優しく健康的な住環境を生み出します。
日本では、古来より建築物の素材として使われてきた檜。さまざまな時代に使われた檜を調べてみると、檜は伐られた後、年々その強さを増していき、伐られて約200年後には約30%近くも強くなることが明らかになっています。
同じ重量で強さを比較すると、木は鉄の約4倍の引張強度、コンクリートの約6倍の圧縮強度を備えており、軽くて強い素材であることがわかります。通常、地震の力は建物の重さに比例して大きくなるため、重い建物にはより大きな破壊力が加わることになります。同じ大きさの家なら、鉄やコンクリートの家よりも、軽い木でつくった住まいのほうが地震の影響が少ないと言えます。
木材の中でも特に檜は、圧縮強度、引張強度ともに群を抜く強さを誇っています。しかも、曲げに対するねばりがあり、水平方向にかかる力にも強く、地震などのあらゆる方向からの力に対して有効に働きます。
檜は伐採後、およそ2000年ぐらいの耐久性を備えていると言われています。マツやケヤキは約400年、杉は約500~600年です。いずれも長寿命ですが、特に檜は耐久性に優れています。また、檜に含まれる香り成分はフィトンチッドの一種のカジノール類で、代表的な木材腐朽菌であるオオウズラタケやカワラタケの繁殖を抑制する働きがあります。
木材の風化速度は1年間に0.03mmで、100年間風雨にさらされたとしても、表面からほんの3mm程劣化するだけです。一方、鉄の劣化は1年間で0.05mm。一般的に使用される2.3mm厚の鉄骨が両面から錆びると、計算上、わずか25年足らずで錆びの塊となります。
樹種による食害の程度を調査した実験があります。イエシロアリの飼育槽に、木材を置き、一ヵ月後に質量の減少率を観察したところ、檜やベイヒバはほとんど害がなく、高い耐蟻性が認められています。
木の繊維組織はミクロのパイプのようになっており、その中には身近な物質の中では最も熱を伝えにくい空気が含まれています。そのため木は断熱性に優れ、断熱材にも匹敵するほどの性能をそなえています。
木は、周囲の湿度が高い時には湿気を吸収し、乾いていると水分を放出して、湿度を自然に調整します。木をふんだんに使った木造住宅では、耐久性を損なう要因となる壁体内の結露の発生を抑えることができます。
木材の表面に着火した場合、それが内部に燃えすすむスピード(炭化速度)はわずか0.6~0.8mm/分程度と言われています。しかも、表面に炭化層が形成されて内部への酸素の供給が断たれるため、断面の大きな材の場合、中心部まではなかなか燃えない性質を備えています。
鉄はある一定の温度を超えると、急激に強度が低下する性質を持っています。火災から10分経った時に鉄の強度が20%以下まで落ちるのに対し、木の強度は炭化層の働きで約80%に保たれます。火災時において「木造より鉄骨住宅のほうが怖い」と言われるのはそのためです。現場の消防士は、強度の低下が危険であることを実体験から学んでいます。
木は目に有害な紫外線を吸収し、ほとんど反射しません。人に快適な光の反射率は、肌色と同じ50~60%と言われていますが、木の反射率はこれとほぼ同じです。また、赤色波長成分の反射が大きく、それがあたたかさを感じさせる大きな理由だと考えられています。木は目に優しく、反射する光は眩しすぎず、心地よい素材だと言えます。
木は、音を適度に吸収してまろやかに響かせ、人が心地よく感じる範囲に調整するという特性があります。また、木を使用した建物は音がいつまでも響かず、適度に反射するので音が聞き取りやすいと言われています。ヴァイオリンやギターなどの楽器をはじめ、音楽ホールの内装などに木が使われるのも音の響きが良くなるからです。
最近では、木造校舎の良さが改めて見直されています。鉄筋コンクリート造の校舎に比べ、木造校舎では学級閉鎖の割合が約半分という調査結果があり、木造校舎の学校ではインフルエンザによる学級閉鎖が少ないこともわかっています。
木製、金属製、コンクリート製の飼育箱で、生まれたばかりのマウスの生存率と成長率を比較した実験があります。木製では生存率が85%でしたが、金属製では41%、コンクリート製ではわずか7%という低さでした。さらに、発育面でも木製では順調で、金属製、コンクリート製では劣っていたという結果が認められています。
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