井原 将吾2020年入社
建物の構造に興味があったため、大学では建築学科に進学し、木造と鉄筋コンクリート造のハイブリッド構造について学びました。その中でも特に木造が好きで、環境にやさしいのはもちろん、人々の心も癒やしてくれるという木造の性質に惚れ込みました。木造建築に携わりたいという想いはあったものの、地元である長野県で働きたいという想いを優先して新卒では地元のゼネコンに入社しました。若手のうちから木造建築に携われる機会があまり多くなく、鉄骨造のホテルや鉄筋コンクリート造の工場を担当する日々が続きました。このままでいいのだろうか、自分が本当にやりたいこととは何だろうかと悩んだ結果、木造建築に携われる企業に転職しようと決め、まず候補に挙がったのが住友林業でした。住宅だけでなく、商業施設や工場など非住宅の領域でも木造を扱っており、若手で活躍している人も多い。ここでなら前職で培ったスキルを生かしつつ、思う存分木造建築に携わることができると感じ、入社を決めました。
私が所属する建築・不動産事業本部では、介護施設や共同住宅、飲食店といった「中大規模木造建築」と呼ばれる分野の設計・施工を行っています。私の役割は、施工管理者として建築現場全体を管理することです。建築の基礎から竣工までのすべての期間における品質・安全・工程・原価を管理し、「平面」の設計図書を「立体」に変えていくことが使命です。入社直後から念願の木造建築に携わることができ、大手工務店の社宅や薬剤メーカーの工場、最近では上智大学キャンパスの施工管理を担当しました。夢が叶って嬉しい一方、中大規模木造建築ならではの難しさにも直面しています。その一つが、正解がない中で最適な施工方法を見つけることです。中大規模建築の木造化はまだ歴史が浅く、施工方法も規格化されていない部分が多いため、毎回その現場に最適な施工方法を考える必要があります。どのように施工すれば、安全でかつ品質が高く、工程、原価が共に適正になるか、職人の立場に立ち自分が作業することをイメージしながら考えます。職人さんと打ち合わせすると「できない」と言われることがよくありますが、そのまま鵜呑みにすると工程や原価は悪化し、逆にやりづらさをないがしろにすると、これもまた原価や品質に影響を与えます。その塩梅を見極めるためにも施工をイメージすることは何よりも大切だと思っています。最適解がなかなか見つからずに苦労することもありますが、現場の職人さんたちと議論を重ね、最適な施工方法を生み出し、無事に竣工を迎えた瞬間はこの上ない達成感でいっぱいになります。
自分の仕事が未来につながっていると毎日のように実感するわけではありません。それでも、内外装に取りかかる前の現場で胸いっぱいに木の香りを吸い込むたびに「自分の仕事は自然とつながっているんだな」という気持ちになり、無意識に背筋が伸びます。また、設計担当から「今回手がける建築は、鉄骨造で建てるよりも環境負荷をこれだけ低減できるんですよ」と教えてもらうときは、自分の仕事はちゃんと未来につながっているんだと実感します。木造の中大規模建築は戸建住宅の何倍もの量の木材を使うため、空気中のCO₂を十分に吸収した木を効率的に活用できますし、その後、再植林すれば、そこからまた多くのCO₂を吸収することにもつながります。つまり一つの中大規模木造建築を建てることは、未来に大きなインパクトをもたらすことができるということ。この先、木造の中大規模建築が増えていけば、木材の活用先をぐんと広げることができます。実際、入社してからの数年間で木造建築へのニーズは高まってきているように感じますし、国としても木造を推奨しはじめています。この流れを途切れさせないよう、魅力ある木造建築を生み出しつづけていくことが私の使命です。
入社前に想像していた以上にさまざまな経験を積むことができました。ここまで木造建築に携わっている同世代は業界でも珍しいのでは、と思います。このまま現状維持を続けるのではなく、もう一段階レベルアップするために、今後は現場全体の責任を持つ所長に挑戦したいです。所長は、品質・安全・工程・原価の管理に加え、人員のマネジメントや見積の取得、発注などの業務を同時並行で進めていく役職です。何より、現場の最高責任者として全責任を負う覚悟を持たなくてはいけません。相当なプレッシャーを感じると思いますが、それでも挑戦したいのは「自分が責任を持って手がけた建築だ」と胸を張って言えるようになりたいから。そのために木造建築についての深い知識やノウハウ、どんな課題が生じても冷静に対応できる力を磨いていきたいです。ただ、今後どう成長していくにしても現場目線はずっと大切にしつづけたいと考えています。設計時は問題のない納まりも現場では難しかったり、複雑な納まりなのに案外スムーズに施工できたりと、実際に現場で手を動かさないとわからないことが非常に多いためです。だからこそ、職人さんの意見や自分の目で見たことを信じ、中大規模木造建築ならではの魅力を社会に届けられる所長を目指します。
今日施工する工事について、職人さんとすり合わせを行います。
予定どおりに工事が進んでいるか、危険箇所がないかなどを確認します。「ここの納まりどうしますか?」と職人さんから相談を受けることもあります。
各工事の職長さんと会議を行い、翌週の工事スケジュールや進捗について話し合います。
職人さんとすり合わせを行い、一日の終わりまでけがやミスなく工事ができるよう、安全確認を行います。
竣工までの全体スケジュールをまとめた全体工程表の調整や、見積作成などを行います。
帰宅後は、家族とゆっくり過ごしています。子どもの成長を見守るのが今の一番の楽しみです。
林 宏樹2012年入社
松田 未由2020年入社
内田 明日花2019年入社
青木 理名2023年入社
西脇 健太2015年入社
市村 直也2007年入社
佐原 健太2017年入社
松岡 頌子2021年入社
猶原 丈雄2007年入社
伊豆 善崇2017年入社
井原 将吾2020年入社
川田 真里亜2020年入社
角 遼太郎2020年入社
鈴木 洸明2017年入社
白井 さおり2016年入社