●わたしらしさを楽しむ家づくり
2016/07/01 公開
年代を感じる白壁に古木のドア、目の前に広がる小さな庭。近頃、おしゃれな平屋暮らしが楽しめる「米軍ハウス」が人気を呼んでいます。米軍ハウスとはいったいどんな住まいなの? 日本の家屋との違いとは? 知られざるヴィンテージハウスの魅力を探ります。
ハイセンスなルックスとヴィンテージ感のある味わいが人気を呼んでいる「米軍ハウス」。とりわけ賃貸住宅として高い人気を誇っているのが、1950年代ごろに建てられたレトロなフラットハウス(平屋)です。もともと米軍ハウスは、駐在兵士の家族など米軍関係者のために、民間の借り上げ住宅として建設されたもの。米軍ハウスに住んでいた駐在兵士が引き上げた後は日本人も住むことができるようになりました。60年代前後には、多くのアーティスト、ミュージシャンらが移り住み、流行やカルチャーの発信基地としても大きな注目を集めます。
そして現在、建物の老朽化などからかなり数は少なくなったものの、古き良き米軍ハウスは各地に残されています。なかでも美しい「リトルアメリカ」とも言えるような街並みを形成しているのが埼玉県入間市の「ジョンソンタウン」。住宅に加えて米軍ハウスを使用したカフェやショップなどが軒を連ねていて、週末は多くの観光客が訪れています。
築50年以上の米軍ハウスでの暮らしは、決して便利なものではありません。場合によっては入居時に建て直しに近いほどのリノベーションが必要となることも。その一方で、物件にもよりますが、修繕費を自己負担する分家賃が安くなる、自分好みの間取りに自由にレイアウトできるなどのメリットがあります。
愛らしい外観、日本家屋にはない間取りが米軍ハウスのポイント。たとえば、土足のライフスタイルに合わせてあるので下足場所がありません。ドアを開けるといきなりリビングが広がっていたり、倉庫スペースが備わっていたりするのがユニーク。ほとんどの場合、小さな庭やカーポートがついているので、ワイルドなグリーンを借景にした外国映画のような家づくりが実現できるかも。バスルームはトイレと一体化したユニットタイプが多く、カラフルなモザイクタイルが敷き詰められています。状態がよければ、アンティークな蛇口が残っていてそのまま使えることもあるでしょう。
古い住宅なので、現代住宅に比べると夏は暑く冬は寒いのも特徴。窓辺にオーニング(日よけ・雨よけ用の可動式テント)を取り付けたり、ガスストーブで暖をとったりして、季節とうまくつきあう必要があります。自らのセンスを発揮させながらスローな暮らしを続けられるのが、米軍ハウスの楽しみと言えるでしょう。
米軍ハウスは希少で人気が高く、また立地も限られています。我が家を少しでもヴィンテージなスタイルに近づけたいのであれば、モザイクタイルやつりさげタイプの照明、古材などを取り入れたDIYに挑戦してみてもよさそう。さらにソファなどの大物家具をアンティークもので統一したり、キッチンにシェルフを取り付け、食器や調理器具をインテリアのように見せる収納にしたりするといっそう雰囲気を出すことができます。
フラットで美しい外観の平屋は、住友林業の実例カタログ「自家自讃」vol.121で特集しています。どの部屋にも庭をつなげられるなど、間取りの自由度が高い平屋の魅力をチェックしてみてください。さらに実例ギャラリーでは「洗練された古さ」をテーマにした邸宅も公開しています。ぜひ憧れの住まいを見つけてみてくださいね。
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