昨今、子育て世代のファミリーに人気なのが平屋です。平屋はワンフロアの居住空間で家族が一体感のある暮らしができ、階段の上り下りがないコンパクトな家事動線などが魅力です。ここでは3~4人家族を想定した3LDKの間取りを例に、平屋のメリットを活かすアイデアや、家づくりで後悔しないための注意点などを解説します。希望の条件から1500以上の間取りを無料で検索できるサイトも紹介しますのでぜひ活用してください。
家族が同じフロアに暮らす平屋では、家族同士の視線や声が届きやすく、コミュニケーションも自然と増えます。また構造上、開口部を大きくとりやすく、庭と屋内が緩やかにつながる開放感を実現しやすいのもメリットです。おすすめの間取りを坪数別に紹介します。
※こちらで紹介している間取りはすべて上が北の方角となります。
※スぺパ:「スペースパフォーマンス(空間対効果)」の略。限られた空間を効率よく使い、暮らしの満足度や機能性を高めることを指します。

延床面積88.6㎡(26.8坪)
1階床面積88.6㎡(26.8坪)
延床面積が約26坪と比較的コンパクトなサイズでありながら、夫婦の寝室と子ども部屋、合わせて3つの個室をしっかり確保した間取りです。
そのカギとなるのが間取り中央の『ファミリークローゼット』とキッチン横に位置する『パントリー』です。どちらもウォークスルータイプにして通路としても利用することで廊下を省き、居室の広さを確保できるだけでなく、スムーズな動線を実現しています。コンパクトな平屋でも空間を最大限有効活用した、スペースパフォーマンスの高い平屋です。
※画像はイメージです

延床面積90.26㎡(27.3坪)
1階床面積90.26㎡(27.3坪)
玄関から一番奥の、リビングを経由する位置に子ども部屋を設けることで、家族が顔を合わせる機会を増やせるようにしたのが上記の間取りです。リビング・ダイニングのスペースは通路を兼ねることでゆとりを確保し、家族一緒の時間を楽しめるよう考慮されています。
寝室からウォークスルークローゼットを通って洗面室とつながる動線で、外出前や帰宅後の着替えもスムーズです。子ども部屋は成長の変化に合わせて家具で間仕切り、将来的に異なる用途でも使えるようにしています。

延床面積90.88㎡(27.49坪)
1階床面積90.88㎡(27.49坪)
和室を建物の中央に配置し、回遊性のある動線で機能的な間取りを実現したのが上記の間取りです。特に小さな子どもがいる場合、和室は多目的に使えるため便利です。子どもの遊び場やお昼寝に使えるキッズコーナーのほか、洗濯物を畳むスペースにもなり、来客時は引き戸で仕切ることでゲストルームとしても活躍します。
(※画像はイメージです)
リビングを経由せずに浴室や脱衣所、トイレ、家族共有のウォークインクローゼットへのアクセスが可能なことから、来客時でも家族が気兼ねなく手洗いや着替えができるなど、生活感が出やすいプライベートな空間をリビングから切り離せる点がこの間取りの特徴です。

延床面積100.2㎡(30.31坪)
1階床面積100.2㎡(30.31坪)
「テレワークに集中できる静かなスペースがほしい」、「落ち着いて受験勉強ができる子ども部屋にしたい」、そんなケースではLDKからの生活音が伝わりづらい間取りを採用すると良いでしょう。この間取りは、静かに過ごすプライベート空間と、賑やかに過ごす共用空間を、建物の左右で分けるゾーニングで対策しています。一方で、共用空間のリビングの一角には畳コーナーを設け、家族団らんでくつろげる居心地の良さも重視しています。

延床面積104.75㎡(31.68坪)
1階床面積104.75㎡(31.68坪)
南側にワイドな開口部を設けた、日当たりや風通しの良いLDKを中心に、子育てファミリーが快適に暮らせるよう考えられた間取りです。子どもが帰宅してシューズクロークに靴を片付けたら、玄関ホールの洗面台で手を洗い、子ども部屋に荷物をしまえるよう動線が設計されています。
(※画像はイメージです)
学童期はリビングに用意したスタディーコーナーで親が勉強を見守り、1人で過ごす時間が必要になったら子ども部屋を間仕切ることを想定しています。キッチン近くには、テレワーク、趣味、勉強など、親子で自由な使い方ができる個室スペースも設置しています。

延床面積112.62㎡(34.06坪)
1階床面積112.62㎡(34.06坪)
キッチンから、パントリー、脱衣所、ウォークインクローゼット、ランドリールームをぐるりと回遊できる便利な動線が特徴の間取りです。玄関に大きな土間収納、寝室にもゆとりあるウォークインクローゼットが確保され、忙しい毎日でも家事を効率的にできるよう工夫されています。南向き窓の外側に室内と段差のないフラットなテラスやウッドデッキを設ければ、家事の時短で生まれた時間で、自然の風や日差しを感じながら開放的に過ごせます。
(※画像はイメージです)
また、玄関横にはそのまま通過して家の中にも入れる土間収納があり、アウトドアグッズやベビーカーなどもスムーズに片付けられます。
玄関に土間収納を検討するときのポイント4つ。おしゃれなアイデアや間取り事例も紹介

延床面積125.04㎡(37.82坪)
1階床面積125.04㎡(37.82坪)
北側に玄関を設け、南側は中庭を囲むようにL字型の形状の建物にすることで、道路からの視線などを気にせず暮らせるよう配慮した間取りです。大人数でも余裕のあるLDKには窓が設置され、中庭から自然光を取り込むだけでなく、四季の風景を眺めて開放感を得られるのが特徴です。大型パントリーやウォークインクローゼットなどで収納力を高め、キッチン近くに水回りを集めて機能的な家事動線も実現しています。寝室手前の廊下には、2人で使える大きさのワークスペースが設置され、静かな場所で中庭を眺めながら作業ができます。
(※画像はイメージです)

平屋の住まいは階段がなく暮らしやすいのが魅力ですが、ワンフロアならではの注意点もあります。平屋を検討する際に知っておきたい注意点を紹介します。
平屋は2階建てのように、上階の足音やトイレの排水の音などを気にせず暮らせるというメリットがある反面、すべての部屋がワンフロアにあるため、家族の生活音(テレビの音や話し声など)が気になることがあるかもしれません。
各居室を対角に配置する、部屋と部屋の間に収納スペースを設けるなど、間取りを工夫することで対策できると良いでしょう。
平屋は水平方向に広がるので、建築面積が大きくなるほど中心部の日当たりは悪くなりがちです。各部屋に窓を設けたり、高窓を配置したりして日当たりに注意すると良いでしょう。
また、周辺の建物の高さや日が差す方向といった環境からも大きな影響を受けるので、土地探しの段階から不動産会社やハウスメーカーなどプロに相談することをおすすめします。
平屋を検討する際は、敷地面積と建ぺい率の制約にも注意が必要です。建ぺい率とは、建物でどれくらい敷地をおおうのか、その割合のことで、真上から見たときの敷地面積に対する建築面積(建物の面積)の割合です。都市計画法に基づいて地方自治体が建ぺい率を定めており、その上限を超えることはできません。一般的な住居地域の建ぺい率は30%から80%までの幅があります。住宅を新築する際に、建ぺい率が低いと敷地に余白をたくさん残す必要があり、逆に高いと敷地をたくさん使うことが可能になります。
例えば、敷地面積100㎡で建ぺい率40%のケースでは、建築面積の上限は40㎡となりますので、その他60㎡は余白として残さねばなりません。家づくり全体のコストとのバランスも考慮して、条件に合った敷地を選ぶことが大切です。
建ぺい率・容積率とは?計算方法・用途地域別の基準・緩和条件を解説
新築で平屋を建てたい! 平屋のメリット・デメリットや間取りプランはどんなものがある?

冒頭でご紹介したようにメリットが多い平屋ですが、間取り次第でデメリットが発生してしまうこともあります。動線をなるべく短くする、使われない無駄なスペースを減らすなど、快適に暮らせる間取りにするポイントを紹介します。
平屋は2階建てより1階部分の面積が大きめになる傾向があります。階段の上り下りがないぶん家事はラクになるというメリットがある一方、水平に移動する距離が長くなると負担が増えるというデメリットが発生することも。家事動線をなるべく短くできるよう、キッチン、浴室、ランドリールームなどの水回りを近くにまとめられると良いでしょう。それぞれの配置については、ぐるりと一周できる回遊動線でつなぐのがおすすめです。料理、洗濯、掃除などは同時並行で行うことも多いため、行き来しやすいようにしておくことで効率的に家事ができます。

家族構成に合わせて個室を設け、それぞれ収納スペースを割り振っていくと、結果的にリビングなどの居室スペースが狭くなってしまうことがあります。限られたスペースを無駄なく活かす方法としておすすめなのが、家族全員の衣類をまとめてしまえるファミリークローゼットです。居室スペースを広く確保できるだけでなく、洗濯後の衣類を各部屋にしまう手間を減らせるというメリットもあります。また、通り抜けできるウォークスルータイプを採用すれば、回遊動線として機能的に活用でき、同時に廊下スペースを減らす効果ももたらします。
ただし、平屋は各部屋やキッチンなどの距離が近いため、クローゼット内に湿気や生活臭がこもりやすくなる点には注意が必要です。内部に換気扇を設置して空気を循環させたり、将来的に除湿機や脱臭機が置けるようコンセントを設けておいたりすると安心でしょう。
ファミリークローゼットとは? メリット・デメリットや設置のポイント、間取りの魅力を解説

平屋では、洗濯物の外干しに1階のテラスや庭を使うこととなるため、プライバシーや防犯の面で不安があるという人もいるでしょう。2階のバルコニーに干すのと違って、道路や隣家からの視線が入りやすいのは気になるものです。そんな問題を解決するのが室内のランドリールームです。洗濯する→干す→畳む→収納を一か所で完結できるよう設備を充実させることで、安心感と快適性を手に入れることができます。天候や時間帯に関係なく洗濯ができるので、忙しい共働き世帯や子育て家族は家事の負担を大きく軽減できるでしょう。
ランドリールームとは? メリット・デメリット、計画のポイント、間取りや事例写真をご紹介
子ども部屋は、子どもが勉強に集中しやすいよう、リビングとの間に収納や廊下を挟むような間取りにすると、生活音が伝わりにくくなり安心です。
また、何十年と長く暮らす住まいで、本当に子ども部屋が必要な期間は10年程度かもしれません。あえてコンパクトにすることで、その他のスペースを確保できる、ものが増えすぎず子どもでも部屋の管理がしやすくなるというメリットも生まれます。
子ども部屋の間取りを考える際には、ライフステージの変化を見越して、後々の活用方法についてイメージしておくことが大切です。
例えば子どもが巣立った後に使いやすいように壁で仕切らず、必要な期間だけ収納などで区切るなど、可変性のある間取りにしておくことで、書斎、趣味室、寝室など多様な使い方が可能になります。
4.5畳の子供部屋を快適にするポイント。メリット・デメリットや間取りも解説
また、平屋に、プラスの空間を設ける1.5階建ての住まいもおすすめです。普段の生活は1階ワンフロアで完結できるようにして、2階にプラスした空間で、書斎、趣味室、収納などを確保することができます。ちなみに1.5階建ては"平屋と2階建ての中間"という意味で使われる表現ですが、建築基準法では2階建てとなります。

平屋はスムーズな家事動線やバリアフリー化に対応しやすく、誰しもが快適に暮らせる住まいにできます。注文住宅の自由度の高さを活かして、自分たちのこだわりがつまった理想の3LDKの間取りを実現しましょう。
暮らし始めてから収納不足や生活音の問題で後悔しないよう、家を建てる前には複数の間取りを検討できると良いでしょう。そこでおすすめなのが住友林業の間取りシミュレーションサイトです。簡単な登録のみで1500以上の間取りをチェックできます。3LDKはもちろん、1LDK、2LDK、4LDKの間取りもバリエーションが豊富で、階数、延床面積、玄関方向などの条件のほか、和室、ワークスペース、パントリーといった項目を設定して検索が可能です。

また、住友林業のGRAND LIFEでは、心地よい緑と木のぬくもりに包まれた、庭とつながるライフスタイルなど平屋の魅力がつまった暮らしを提案しています。ホームページにさまざまな住宅実例の画像が掲載されているほか、詳しい情報が載っているカタログも無料で請求できるのでぜひチェックしてみてください。
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