TOPICS OF MAHOGANY
世界を代表する銘木として歴史に名を刻むマホガニーは、数々の逸話があります。現在はワシントン条約によって取引が制限されており、東南アジアなどで大切に育てられています。
現在マホガニーは、中南米原産のマホガニー属の3 種すべての取引がワシントン条約によって制限されており、入手が困難になっています。住友林業では、インドネシアの林業公社プルフタニのもとで環境保全に配慮しながら厳正に管理され、大切に育てられたマホガニーを使用しています。住友林業は1970 年にインドネシアに合弁会社を設立して以来、世界各国にさまざまな木質建材を供給してきました。1990年代からは大規模な植林事業も同国でスタートさせ、現地の在来種や果樹などとともに世界を代表する銘木を育てています。
兵庫県芦屋市の緑に囲まれた小高い丘の上。その地に、20世紀を代表する建築家フランク・ロイド・ライトが設計したヨドコウ迎賓館があります。この建物は、ライトが日本国内に残した数少ない建築作品のひとつです。1974年には国の重要文化財に指定され、1989年からは一般公開されています。幾何学的な装飾がほどこされた大谷石のファサード、上下いっぱいの窓が連続する明るい廊下、そして造り付け家具によるインテリアなどライト建築のテイストにあふれています。この迎賓館の応接室の飾り棚や収納家具などの素材としてライトが選んだのがマホガニーでした。
ヨーロッパでは、テーブルセッティングにマナーがあり、英国ではダイニングテーブルにクロスを二重に掛けてセッティングすることが正式とされています。ただし、マホガニーで作られたテーブルだけは、クロスを掛けなくても失礼にあたらないと言われます。輝くような光沢を持つマホガニーは、杢目(もくめ)も美しく、太陽の光とキャンドルや照明の明かりでは違った表情を見せます。そのため、クロスを掛けずにマホガニーの美しさでもお客様をおもてなしするというわけです。
カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島にあるドミニカ共和国。マホガニーの原産地でもあるこの国の国花がマホガニーです。かつてはマホガニーの樹が数多く自生していましたが、いまでは市街地などに残っている大木を見かける程度だそうです。また、マホガニーの実から子どもが生まれるという竹取物語のような昔話も語り継がれています。ちなみにマホガニーの語源は中米ホンジュラスの現地語「mahogoney」とされ、黄金色を意味します。漢字では「桃花心木」と書いてマホガニーと読みます。