●みんなのいえ かぞくのへや
2016/01/15 公開
暖炉や薪(まき)ストーブ、囲炉裏……家のなかに火があるとそこに人が集まり、語り合う場所になる。そんなシーンは憧れですが、実際にわが家にとりいれるとなると、燃料の調達、工事など気になることが多いもの。安全に快適に火のあるライフスタイルを楽しむ方法をご紹介します。
レンガ作りの暖炉でぱちぱち音を立てて薪が燃えている部屋や、寒冷地のホテルで焚かれている大きな薪ストーブ。思わず近づいて手をかざしたくなるそんな光景を目にするのは、冬の楽しみのひとつです。
暖炉はデザインも多様化していて、レンガを積み上げたオーソドックスなタイプから、まわりの壁にとけ込み絵画のように見える埋め込み型、黒い大きなフードと煙突が天井まで突き抜けるフード型など、部屋のシンボルになるようなステキな物が増えています。
暖炉より場所をとらずにおける薪ストーブはさらに種類が多く、重厚で丈夫な鋳物を使ったレトロなスタイル、イタリアやスウェーデンなど世界各国から輸入されている縦長のスマートな箱型のものなど、一般の家にもおける大きさ、デザインが増えています。 都内には暖炉や薪ストーブを展示するショールームや、販売、設置工事を請け負う専門店もあり、寒さが厳しい土地以外でも需要があるようです。
ショールームをのぞくと「わが家のリビングにも!」と欲しくなってしまう、おしゃれで贅沢な暖房設備がたくさん。でも、設置する前に確かめておくべきことがいくつかあります。
暖炉、薪ストーブともに基本の燃料は薪。使いやすい大きさに割った燃料用の薪は業者から届けてもらうとしても、雨に濡れない保管場所が必要です。家のなかで火を燃やすので煙突と専用の工事、さらに安全に使うためには定期的な煙突掃除といったメンテナンスも必要です。
また、「冬の別荘に着いたら暖炉に火をつけるまでの間、暖をとるために電気ストーブを持って行く」という話があるほど、薪の着火は時間がかかり、家全体が温まるまでにはさらに時間が必要です。家で使うなら暖房の主役は床暖房やエアコンにして、薪を燃料とする暖炉やストーブは冬を楽しむための道具、とわりきって使うのも一つの手です。
別荘地はともかく、住宅密集地では煙・臭いにも細心のケアが必要です。煙突が短かかったり、排気口が隣家の壁に向っていたりすると、近所中に煙が充満するようなトラブルも起きかねません。「火や煙」でご近所に迷惑をかけることを避けるためにも、設置前には家の立地条件も考えましょう。
手間と時間、お金をかけて自分の手で火をおこして暖をとる、その作業もふくめて楽しみたい方には、本格的な暖炉や薪ストーブもあり。ですが、もっと手軽にという方には、薪の代わりに木質ペレット燃料を使う「ペレットストーブ」や、スイッチひとつで火がつき火力の調整もできる「ガス暖炉」がおすすめです。
木質ペレットは間伐材などから形成したペレットストーブ専用の固形燃料。薪に比べて保存しやすく、国内の製造工場や森林組合、ペレットストーブを扱う販売店などから国産ペレット燃料を購入できます。ペレットストーブもガス暖炉も見た目は暖炉や薪ストーブと変わらず、ガラスの窓ごしに火が燃えているのが見えて、冬の部屋を暖かく演出するインテリア効果も十分です。
暖炉(ガス暖炉含む)、薪ストーブ、ペレットストーブは部屋の主役になるような存在感があり、しかもほかの家具とちがって、いちど設置したら簡単には動かせません。家と同じように手入れをしながら一生つき合う暮らしの道具として、楽しんでみてはいかがでしょうか。
「家を建てること」は自分のライフスタイルに合わせた部屋やインテリア、イメージしていた暮らし方を形にすること。自分だけのこだわりポイントを納得できるまで相談し、夢の家を実現させましょう。住友林業では家を建てるお客さま一人ひとりのアイデアやご要望を、暮らしやすい家として形にするお手伝いをしています。今の暮らし、これからの暮らしに合った家づくりのヒントに実例ギャラリーをご覧ください。実際に家を建てた皆様のこだわりやアイデアをご紹介しています。