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2024/07/26 公開

ローリングストックとは? 家庭の防災備蓄の方法とストック品の具体例、収納のコツを解説

ローリングストックとは? 家庭の防災備蓄の方法とストック品の具体例、収納のコツを解説

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食品や日用品などの防災備蓄に関して、「何がどのくらい必要かわからない」「賞味期限が切れてしまう」「収納スペースが足りない」など、困ることはありませんか? そこでおすすめしたいのが、ローリングストックという備蓄方法です。メリット・デメリットはもちろん、ローリングストックの方法や、ローリングストックに適したストック品の一覧、収納のコツなどを詳しく解説します。

ローリングストックとは? メリット・デメリットを解説


大きな災害が起きた際の最大の問題のひとつが食料の問題です。流通に影響がでて、お店では必要な食品が手に入りづらくなり、自治体からの支援も十分ではない可能性もあります。そのような場合に備え、生活しながら効率的に備蓄する方法を紹介します。


ローリングストックとは?

ローリングストックとは、以下の流れを繰り返す備蓄方法のことです。


①普段の食品や日用品を災害時に備えて少し多めにストックする
②普段から食べたり使ったりする
③減った分を買い足す


例えば、長期保存できる非常食を一度に用意して、賞味期限の直前まで保管しておく方法の場合は、家族が多くなるほどその管理も大変になり、入れ替えに手間もかかります。いつの間にか期限切れになってしまうこともあるため、食料が無駄になってしまうばかりか、本当に必要な時に食べられない可能性もあります。また、不安の多い被災時は、食べ慣れていない非常食を食べるよりも、いつも食べているものや好きなものを食べる方が、不安は軽減されるでしょう。


ローリングストックのメリット

上記も踏まえて、メリットとしては以下のような点が挙げられます。


  • ・スーパーで災害に備えた備蓄を用意できる
  • ・古いストック品から順番に消費することで、賞味期限や使用期限が長いものを一定数ストックできる
  • ・普段から食べているものを非常食にできる

ただでさえストレスの多い災害時に、馴染みのない非常食が続くと気持ちが滅入ってしまうのではないでしょうか。災害時でも食べ慣れた物がある安心感は大きいはずです。


ローリングストックのデメリット

デメリットとしては以下のような点が挙げられます。


  • ・ローリングストックだけで災害に必要なものすべてを備えることはできない
  • ・多くのストック品の賞味期限をチェックするなど、効率的に消費していくために工夫が必要になる

まずは防災グッズで必要なものの全体像を把握した上で、ローリングストックで備えられるものを把握しましょう。日常的に消費できるものでも、賞味期限が短い食品などは適していません。ストック品の管理方法については、この後詳しく紹介していきます。


ローリングストックの方法。いつものお買い物+αで簡単に備える

備えが必要なのはわかるけれど、具体的な方法がわからないという方は多いのではないでしょうか。ローリングストックはいつもの買い物の延長線にあるので、難しく考える必要はありません。


1. 必要なストック品を考える

一般的に、災害時に必要な食品の量は1週間分、最低でも3日分は必要だといわれています。まずは家族の人数や性別、それぞれの年齢などから、災害時に必要なもの、必要な量を決めていきます。


食品では飲料水、調理の手間がかからないレトルト食品やフリーズドライ食品、カップ麺や缶詰、パスタや乾麺など、賞味期限が比較的長く、常温保存できることが条件です。トイレットペーパーやウェットティッシュ、カセットボンベ、乾電池といった生活に欠かせない消耗品もストックしましょう。


必要な食品や日用品については後ほどくわしく紹介します。


2. ストック品の収納スペースを確保する

一定の温度がキープでき、直射日光の入らない場所が適しています。ベランダや外の物置など、高温多湿な場所は保管に向いていません。
例えば、玄関とキッチンのどちらからも行き来しやすい場所に収納すると、持ち出しやすく、買い込んだ時にも楽にしまえて便利です。これから家づくりを考える場合は、動線や目的に合わせた広さを考慮して、収納計画を立てましょう。


3. 食料や飲料水などを多めに買う

使った分を定期的に買い足していくため、ローリングストックをスタートする際は、日常的に消費する量に対して少し多めに購入するのがポイントです。消費が早いものは、安売り時にまとめて購入するのもいいでしょう。


4. 期限が近いものから順に使う

賞味期限や使用期限の近いものから順に使うようにします。そこで、収納する際は取り出しやすいように、賞味期限の古いものを前にして並べるように工夫しましょう。家族みんなでこのルールを徹底できれば、ローリングストックはうまくいくはずです。


5. 使った分を買い足す

2箱あるうち1つを消費したら、買い足しをするリストに加えるなど、常に1週間分ほどの備蓄品がある状態にします。定期的に備蓄品の量や賞味期限をチェックしましょう。とはいえ、買い足しを忘れてしまうこともあると思います。そんな時におすすめしたいのが、ネット通販の定期便です。よく使うものを定期購入にすれば、買い忘れを防ぐことができます。


ローリングストックの食品の選び方と具体例


日常的に食べ慣れた食品を備蓄するローリングストックですが、適した食品、適さない食品はもちろんあります。


ローリングストックの食品の選び方

単に備蓄するだけが目的ではありません。家族の健康維持も考える必要があり、栄養価のバランスのよさを考えた食品を選ぶことも大切です。とくに野菜や果物は災害時にすぐに流通しなくなることを考慮しなければなりません。常温でも保存のできる野菜や、トマトや果物などの缶詰もおすすめです。


また、災害時は電気・水道・ガスなどのライフラインが止まるケースが考えられます。火を使った調理や電子レンジの使用も難しくなります。そのため、水やお湯だけで簡単に調理できる、もしくはそのままでも食べられるような食品を選びましょう。



ローリングストックの食品の具体例

<主菜>缶詰(肉類、野菜類 魚類)、レトルトカレーなど
<副菜>野菜スープや総菜などのレトルト食品、トマト缶
<主食>パックごはん、パスタ、乾麺
<果物>フルーツ缶、常温保存可のジュース
<牛乳・乳製品>豆乳(常温保存可のもの)
<菓子・嗜好品>飴、チョコレートなど高カロリー食品
<調味料・その他>醤油、塩、油、オリーブオイル、めんつゆ


乳幼児がいる場合は、粉ミルクや離乳食は店頭で品薄になり、自治体からの配給まで時間がかかることも予想されます。保存期間を厳守してストックしておくといいでしょう。


ローリングストックの日用品の選び方と具体例


食品だけではなく、日用品も定期的に消費しながら買い足して管理すると効率的です。ここでは、ローリングストックに適した日用品をご紹介します。


ローリングストックの日用品の選び方

食品と同じように、普段使い慣れている物をストックします。ライフラインの確保はもちろん、お店で品薄になりやすいものを選ぶのが大事です。お湯を沸かすためのカセットコンロとガスボンベのほか、トイレットペーパーやウェットティッシュなどは、家族の人数を考慮して、備蓄する量を想定しておきましょう。また、飲料水だけでなく手洗いや食器洗い、トイレなどで使用する生活用水も備蓄が必要になります。


ローリングストックの日用品の具体例

在宅避難をする際に必要となる備蓄品の中から、ローリングストックに適したものをご紹介します。


<生活用水>飲料水(1日1人3Lが目安)、生活用水(家族に応じて20~40L)
<停電対策>懐中電灯、ランタン、ろうそく、マッチ、ライター、乾電池 など
<医薬品>常備薬、消毒薬、包帯、ガーゼ、脱脂綿、ばんそうこう など
<衛生用品>トイレットペーパー、ティッシュ、ウェットティッシュ、マスク、生理用品 など
<生活用品>カセットコンロとガスボンベ、ラップ、アルミホイル、ガムテープ、ゴミ袋、ビニール袋 など


乳幼児がいる家庭は、おむつや哺乳瓶などを清潔に保つための除菌シート、体やお尻をふくアルコールの入っていないウェットティッシュを用意しましょう。また、万が一の際にはトイレとしても活用できる不透明なビニール袋や、割れた窓などの応急処置ができるガムテープもあると便利です。普段もよく使いますが、災害時にも多用途に使えて重宝します。


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ローリングストックの収納のコツ

出典:農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」より


日常的な消費と買い足しを繰り返すことで、非常時に備えるローリングストックにおいては、収納の工夫が大切です。そのポイントをご紹介します。


1. 目的や使用頻度によって種類ごとに分けて収納する

食品、日用品、それぞれ使い勝手を考えて収納する場所を決めます。また、非常用持ち出し袋や普段は使わない防災アイテムは、万が一の時の取り出しやすさを考慮しながら、日常的に消費する備蓄品をしまい分けることもポイントです。


2. 見えるように収納する

管理のしやすさを考慮して、レトルト食品などのこまごまとしたものは、見分けやすい高さにしまいましょう。ケースや箱に小分けにして、透明かメッシュタイプのケースに収納すると、中身がわかり取り出しやすくなります。飲料水などの重いものは床において、段ボールはそのままにしながら、中身が見えるように保管しましょう。


3. 古いものから手前に収納する

ストック品をしまう際は、新しいものを奥に、古いものを手前に置いて保管をすると、賞味期限の管理がしやすくなります。ただし、賞味期限の文字は小さく記載されており、商品ごとに位置も違います。この確認が面倒になると、管理がおろそかになり、ローリングストックをやめてしまうことにつながります。そこで、グループや箱ごとに「○○年〇月まで」と賞味期限を書いた付箋を、わかりやすい位置に貼って定期的にチェックします。


4. 食品は味のバリエーションを用意しておく

安い時のまとめ買いはおすすめと紹介しましたが、同じ食品の大量購入には注意しましょう。災害時、食べ慣れたものがある安心感は大きいですが、しばらく同じ味が続くとつらいものです。食事だけでも好きなものを食べて、ストレスを緩和させることが大切です。


5. 家族全員がどこに何があるかを把握しておく

家族みんながストック品をしまっている場所がわかっていないと、いざという時に困ります。そのために一人が管理するのではなく、全員が共通のルールを覚えて、みんなで管理するのが理想です。管理のルールを守らずにストック品の期限がバラバラになると、ローリングストックを続けるモチベーションも下がってしまいます。


どれくらいの量が必要なのか家族みんなで把握しておくことも大事です。誰かが使った後で「水がなくなってきたよ」とひと声あれば、買い足し忘れも防げます。


ローリングストックを始めよう

町田森野展示場(東京都町田市森野5-7-25 町田森野住宅公園)


ストック品を整理する。在庫や期限をチェックする。買い足しの品物をみんなで買いに行く。定期的に日にちを決めて、防災を家族のイベントにしましょう。わが家には何がどれくらい必要でいまどれくらいストックがあるのか。家族全員が把握できていると、災害への備えもより一層安心です。


そんな災害への備えや意識を、身近で日常的なものにできるのがローリングストックです。今回ご紹介したローリングストックの方法や収納のコツを取り入れて、防災対策を行っていきましょう。


そして、これから家づくりを考えている方は、家族の暮らしにあった収納プランをしっかり考えることも大事です。住友林業では玄関収納やキッチン収納、パントリー収納、小屋裏収納、半地下収納など、多彩な収納アイデアで家づくりを提案しています。もちろん、ローリングストックに適した収納&動線の工夫も満載です。公式Instagramやホームページはもちろん、お近くの展示場でぜひその収納の魅力を確かめてください。


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