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2023/03/31 公開

玄関に土間収納を検討するときのポイント4つ。おしゃれなアイデアや間取り事例も紹介

玄関に土間収納を検討するときのポイント4つ。おしゃれなアイデアや間取り事例も紹介

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玄関は"家の顔"と言われる大切な場所。しかし、つい家族の靴が玄関に散らかったり、ベビーカーや子どもの遊具などで雑然としてしまったりしがちですよね。家を出入りするたびにストレスを感じて、「もっとスッキリできないものか」とため息をついている方も多いはず。そこでおすすめしたいのが室内の収納とは異なる使い方ができて便利な「土間収納」。ただし、計画する際にいくつか注意点もあります。これから家づくりをする方に向けて、失敗しないために、土間収納のメリットやデメリット、検討する際のポイントなどを紹介します。

土間収納とは?メリット・デメリットを解説

土間収納があれば、たくさんの靴はもちろん、玄関につい置いてしまいがちなものもしまえるので、おしゃれにしておきたい玄関がうっかり乱雑になる心配がありません。ただし、それなりの面積を占めるだけに検討するときに注意したい点もあります。具体的に解説します。

土間収納とは?

土間収納とは、玄関の一部に設けた靴を脱がずに出入りできる収納スペース(玄関収納)のことで、「エントランスクローク」「シューズクローク」「シューズインクローゼット」などとも呼ばれます。

写真の右手が土間収納の事例。すぐそばに手洗いスペースを設置するなど使い勝手が良い工夫がされている写真の右手が土間収納の事例。すぐそばに手洗いスペースを設置するなど使い勝手が良い工夫がされている

市川展示場
(千葉県市川市鬼高1丁目1番地2号 ABCハウジング 市川住宅公園)


土間収納の間取り例

土間収納を通過してホールに向かう家族動線と、玄関ドアを開けて真っすぐホールに上がる動線。2つの動線が特徴のウォークスルータイプ

土間収納を通過してホールに向かう家族動線と、玄関ドアを開けて真っすぐホールに上がる動線。
2つの動線が特徴のウォークスルータイプ

市川展示場
(千葉県市川市鬼高1丁目1番地2号 ABCハウジング 市川住宅公園)


土間収納がある家の間取り例。土間収納を通過することはできない分、収納量を重視しているのが特徴のウォークインタイプ土間収納がある家の間取り例。土間収納を通過することはできない分、収納量を重視しているのが特徴のウォークインタイプ


玄関に土間収納を設置するメリット

・汚れを気にせず屋内にものを収納できる

汚れが気になりにくく、汚れても掃除しやすいのが土間収納の良いところ。外まわりの掃除用具はもちろん、ガーデニング用品や子どもが外で遊ぶおもちゃ、アウトドア用品やDIY用品など、汚れがついていて室内に持って上がるのをためらうものを収納するのに重宝します。

・外に置いておきたくはないが部屋の中に持ち込みたくないものを収納できる

ベビーカーや子どもの三輪車、ゴルフバッグなど、屋外に置きたくないものも土間収納に置くことができて便利です。また、ゴミ出しの日までにいっぱいになったゴミも、室内においたままにしておくと見た目や臭いが気になるため、土間収納に一時置きできると快適でしょう。

・外出時・帰宅時の動線がスムーズ

土間収納は土足のまま、靴の脱ぎ履きをせずに必要なアイテムを簡単に出し入れできるので、外出時や帰宅時の行動がスムーズになります。例えば、帽子やコートなどのアウターも土間収納に掛けられるようにしておけば、玄関で脱げるので、室内に花粉やウイルスを持ち込みにくくなります。

・玄関をスッキリした状態に保てる

お客様を迎える玄関にものがあふれていると、雑然とした雰囲気になり、だらしない印象を与えてしまいかねません。土間収納があれば玄関スペースをいつもスッキリと美しく保つことができます。

・大切なものを安心して保管できる

趣味のロードバイクなど高価なアウトドア用品は、外に置いておくと風雨にさらされて汚れたり錆びたりしますし、盗難にあうのも心配ですが、土間収納があれば安心して保管できます。

土間収納を設けることで玄関まわりはご覧のようにスッキリ土間収納を設けることで玄関まわりはご覧のようにスッキリ

小山展示場
(栃木県小山市中久喜2-1-23 小山住宅公園)


玄関に土間収納を設置するデメリットや注意点

・ 玄関や隣接する部屋が狭くなることも

土間収納を設置するためには、玄関や隣接する部屋の面積を減らしてスペースを確保することもあるので、広いスペースを取ると生活空間を狭めてしまう恐れもあります。窮屈で暮らしにくくなってしまわないよう、事前に収納したいものを決めておき、居住空間と土間収納のバランスを考えて間取りを計画することが大切です。

自由設計の注文住宅なら、広い土間収納を設けて、居室スペースも十分に確保するなど、柔軟なプランニングでバランスの良い間取りが実現できます。

・物置化してしまう

玄関をスッキリとさせてくれる土間収納ですが、何でもしまってしまい、物置のような状態になってしまうこともあるかもしれません。こうなると、使いたいものがすぐに取り出せなくなってしまいますので、定期的に整理整頓を心がけると良いでしょう。

・湿気や臭いに悩む可能性もある

例えば、傘やコート、靴など、収納するものが雨で濡れていたり、湿っていたりすると、湿気や臭いに悩まされる可能性もあります。特に通り抜けのできない土間収納は空気が滞留しがちなので定期的に換気することをお勧めします。さらに換気扇を設けることで、湿気や臭いがこもるのを防ぐ方法もあります。

土間収納を検討するときの4つのポイント

土間収納を計画する際の注意事項や棚のサイズの目安、ドアや収納棚のタイプ、備える設備など、事前に知っておきたいポイントを解説します。

土間収納スペースをたっぷり確保した事例。普段あまり使わないものは上の方に置くなど有効活用することで、家全体をスッキリさせることができる土間収納スペースをたっぷり確保した事例。普段あまり使わないものは上の方に置くなど有効活用することで、家全体をスッキリさせることができる

>玄関はおうちの顔! ストレスフリーなスペースにしよう


土間収納を検討するときのポイント4つ

①家族の持ち物を見直して、何を収納するかを考えよう

土間収納に置いておきたいものは、家族構成やライフスタイルによって異なります。土間収納を検討するときは、せっかくのスペースが無駄になってしまわないよう、実際に何をしまいたいのかを大まかにリストアップしておきましょう。

靴や傘、お出かけ用品など、家族で玄関にあると便利なものをシミュレーションしてみると、必要なスペースが見えてきます。土間収納によく収納されるのは以下のようなアイテムです。シミュレーションの参考にしてください。

○コート、靴、傘などのお出かけ用品
○自転車、三輪車、ベビーカー
○キャンプ用品(テントなど)、アウトドア用品(外用の椅子、バーベキューコンロなど)
○ゴルフバッグ、サッカーボール、スキー板やスノーボード板などのスポーツ用品
○庭の掃除道具、ガーデニング用品
○ストーブやビニールプールなどの季節用品
○脚立、DIY用品
○ 防災グッズ

>もしもに備える!防災グッズで実際に役立ったものは?必需品リストや置き場所のアイデアも紹介

傘やレインコート、長靴などの濡れた雨具も、玄関付近に収納できる傘やレインコート、長靴などの濡れた雨具も、玄関付近に収納できる


可動棚にすることで、高さや大きさがバラバラのものをスッキリ収納でき、ライフスタイルの変化にも対応できる可動棚にすることで、高さや大きさがバラバラのものをスッキリ収納でき、ライフスタイルの変化にも対応できる

GRAND LIFE Terrace Style 収納


②どれくらいの広さが必要かを考えよう

土間収納の広さを検討するときは、収納したいものが置けるスペースだけでなく、出し入れする際に必要なスペースも考慮してください。空間に余裕がないと動きづらくて出し入れしにくくなるので、ゆとりを持った収納計画をたてましょう。ただし、玄関は限られたスペースですから、欲張らないことも大切です。

例えば、1〜2畳ほどのサイズで検討するなら、1畳=約90cm×約180cm、2畳=約180cm×約180cmなので、この空間に置きたいものがおさまるのかシミュレーションしてみてください。

狭すぎると収納スペースが足りなかったり、出し入れがしづらい場合がありますが、反対に広すぎてもうまく有効活用できずにスペースが余ってしまう可能性もあります。自転車など大きなアイテムをたくさん置く必要がない場合は、1〜2畳ほどのスペースがあれば十分に収納できるでしょう。ベビーカーを畳んで保管する程度なら1畳あれば十分です。

③どんな間取り、動線にするか考えよう

間取りも考慮したいポイントです。土間収納からだけでなく、靴を脱いで上がった玄関ホールからも出入りできる間取りであれば、土間収納のスペースが家族用の玄関通路にもなって活用範囲が広がります。

また、土間収納の近くに手洗い台を設置しておけば、帰宅後にすぐ手洗いができますし、子どもにうがい手洗いの習慣を身につけてもらうのにも効果的です。最近は土間収納のスペースと、キッチンや洗面脱衣室をつないで家事や作業をしやすくした間取りも増えています。

ただし、こうした通り抜け可能な間取りは動線スペースを確保する分、収納スペースの面積は少なくなりますのでご注意を。収納力アップを重視する場合は通り抜けのできない土間収納にしたほうが良いかもしれません。

④どんな仕様、どんな設備にするか考えよう

・ドアのタイプ

広さに限りがある玄関だけに、土間収納のドア選びは意外に大事。スペースを有効活用するなら、開き戸ではなく、折れ戸タイプのドアや引き戸がおすすめです。引き戸であればドアを開け放しにしていても邪魔になりません。

一方、出入りがラクなことや換気が良くなることから、ドアを付けないオープン収納にする事例も少なくありません。ロールスクリーンや木製ブラインドなどを設置しておけば来客時も安心。普段は開け放しにしておき、来客時はすぐに閉じて目隠しできます。

・棚のタイプ

収納するものによって必要な棚の横幅や奥行きなども変わってきます。例えば、靴の場合ですが、男女で必要なスペースは異なるので、横幅は、男性用なら4足で約80cm、女性用なら4足で約75cmを目安に、スペースを確保しましょう。奥行きは約30cmを目安にすると良いでしょう。

棚は可動式のタイプがおすすめです。土間収納に収納するものは家族構成や生活スタイルによって変わるので、固定式の棚にすると後から使い勝手が悪くなってしまうこともよくあります。可動式の棚なら、靴の数が増えたときや、高さのあるブーツをしまうときなども柔軟に高さを変えてキッチリと片付けられます。

・照明や換気扇

照明計画も忘れずに。土間収納に照明があればスペース奥の収納物も見やすくなりますし、夜でも出し入れがしやすくなります。掃除やメンテナンス作業のときも照明があると便利です。また、換気ために、設置できる場合は窓を設置してもいいかもしれません。ただし、直射日光による日焼けリスクが生まれたり、窓の目の前にはものを置きにくく収納量が減ったりするため、小窓で十分です。

土間スペースに照明を設置。必要な道具だけでなく観葉植物や小物を飾ることで、よりおしゃれな空間を演出できる土間スペースに照明を設置。必要な道具だけでなく観葉植物や小物を飾ることで、よりおしゃれな空間を演出できる

GRAND LIFE Terrace Style 収納

・コンセント

土間収納の中にコンセントは必要ないと思うかもしれません。しかし、電動自転車のバッテリーや掃除機をはじめ、アウトドアなどで重宝するモバイルバッテリーなど、充電が必要なアイテムもありますから、設置しておくと何かと便利です。その際に気をつけたいのが位置。低い位置だと床が濡れたときなどに漏電が心配なので、ある程度高い位置に取り付けることをおすすめします。

・その他

引き出し付きのベンチを玄関に設置すれば、座ってラクに靴の脱ぎ履きができるだけでなく、いっそう玄関がスッキリと片付きます。

引き出し付きのエントランスベンチ引き出し付きのエントランスベンチ

>玄関の土間収納だけじゃない。家づくりの参考になるアイデア多数の実例(施工事例)はこちら

土間収納の魅力を展示場や実例で確かめよう

土間収納は、間取りや生活動線と一緒に考えて上手に工夫することで、玄関の収納力がアップするだけでなく、生活動線がスムーズになり、日々の暮らしがぐんと快適になります。

例えば、土間収納を洗面脱衣室につなげる間取りにすれば、帰宅時の手洗いや着替えがスムーズになります。子どもが外で泥んこになって帰ってきたときやペットの散歩帰りなどにも、玄関から土間を抜けて洗面脱衣室に直行できればリビングに汚れを持ち込まれずに済みます。

また、土間収納とキッチンを隣接させれば、土間収納がパントリーとしても活用できます。食料品をまとめ買いしてきたときも、玄関から土間収納に入り、すぐにしまえますし、キッチン側からの出し入れもスムーズです。

 理想の土間収納は十人十色。住まいの広さや家族構成、生活スタイルによってベストの広さは異なりますし、備えたい設備や動線計画にもいろいろなアイデアがあります。注文住宅で土間収納を検討する際は、住宅展示場や建築実例などをチェックして、暮らしのイメージを膨らませて、わが家にぴったりのスタイルを見つけましょう。

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