●みんなのいえ かぞくのへや
2019/05/10 公開
2019年10月1日より、消費税が10%に引き上げられる予定です。家計への負担が心配ですが、とくに住宅購入を考えている方にとっては、高額な分ダメージも大きくなってしまいます。しかし国土交通省では、消費税増税後の住宅購入において、様々な支援策を用意しています。もしかしたら損をしない、むしろ増税前よりもおトクになる可能性があるかもしれません。くわしく見ていきましょう。
国土交通省では、「消費税率引上げに伴う住宅取得に係る対応」について、4つの支援策を発表しています。
(1)住宅ローン減税制度の控除期間が3年延長され「13年」に
現行の住宅ローン減税は、10年間にわたり、毎年末の住宅ローン残高、または住宅の取得対価のうち少ない方の金額の1%が所得税から控除される制度です。(※所得税から控除しきれない場合は、住民税からも一部控除)
その控除期間が、消費税10%で住宅を取得して2019年10月1日から2020年12月31日の間に入居した方を対象に、3年間延長されます。ただし、延長期間である11年目から13年目の控除限度額は
・住宅借入金等の年末残高(4,000万円※1が限度)×1%
・建物購入価格(4,000万円※1が限度)の2%を1/3にした額
の2つの要件のうち、金額の低い方となります。
現行 消費税率8% |
拡充後 消費税率10%* |
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つまり、消費税差額分よりプラス3年分の控除額が同じ、もしくは上回れば、結果として損をすることはありません。
具体的な例で見てみましょう。
[例]建物3,000万円+土地2,000万円の住宅を、4,000万円のローンを組んで購入した場合
※35年返済、元利均等返済、金利1.07%(※MCJフラット35 4月金利)で計算
※消費税がかかるのは建物のみです。土地代には消費税がかかりません
消費税差額分→3,000万円×2%=60万円
控除額→(3,000万円×2%×1/3)×3年間=60万円
建物の金額や借入残高によりますが、増税の差額分とほぼ同じ控除を受けられる可能性は十分あります。
(2)すまい給付金が最大50万円に!対象者も拡充
住宅ローン減税は所得税から控除されるため、一般的には高所得者に有利な制度だと言われています。そこで、住宅ローン減税だけでは負担軽減効果が少ない層に対し、収入に応じた給付金を支給しています。これが「すまい給付金」です。消費税増税に伴い、対象者の所得制限を緩和し、さらに給付額が最大50万円まで増額されることになりました。
具体的な例で見てみましょう。
[例]年収500万円、扶養家族3人の場合→給付額は50万円
[例]年収650万円、扶養家族2人の場合→給付額は20万円
※給付額の算出は、都道府県民税の所得割額を基準としますので、年収額は目安です。
(3)「次世代住宅ポイント制度」の導入
「次世代住宅ポイント制度」とは、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能などを満たす住宅や、家事負担の軽減になる住宅の新築・リフォームをした方に、様々な商品等と交換ができる「ポイント」を発行する制度です。住宅を新築する場合は、以下の「A+B+C」で最大35万ポイント(1ポイント=1円相当)がもらえます。
A いずれかに適合する場合、1戸あたり30万ポイント |
エコ住宅 | 断熱等級4又は一次エネ等級4を満たす住宅 |
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長持ち住宅 | 劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2等を満たす住宅 | |
耐震住宅 | 耐震等級2を満たす住宅又は免震建築物 | |
バリアフリー住宅 | 高齢者等配慮対策等級3を満たす住宅 | |
B いずれかに適合する場合、1戸あたり5万ポイント |
認定長期優良住宅 | 住宅を長く良い状態で長持ちさせるために決められた基準で設計・申請し所管行政庁(都道府県、市又は区)に認定された住宅 |
低炭素認定住宅 |
二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物で、所管行政庁(都道府県、市又は区)に認定された住宅 ・省エネ法の省エネ基準に比べ、一次エネルギー消費量が△10%以上となること ・その他の低炭素化に資する措置が講じられていること |
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性能向上計画認定住宅 | 建築物省エネ法第30条に係る建築物エネルギー消費性能向上計画の認定が誘導基準に適合している旨を所管行政庁(都道府県、市又は区)に認定された住宅 | |
ZEH | ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、高い断熱性能、省エネ設備機器、そして自宅で発電する環境機器を組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロ以下となる住宅 | |
C 家事負担軽減設備がある場合、それぞれオプションポイント |
ビルトイン食器洗機(1.8万ポイント) 浴室乾燥機(1.8万ポイント) 宅配ボックス(1万ポイント) など |
つまり高性能で環境に配慮した住宅を建てることは、住みやすさだけでなく、国からの支援も多く受けられることになり、結果として大変おトクになるのです。
ZEH住宅についてさらに詳しく知りたい方は、「住友林業のZEH」をご覧ください。
(4)「住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税制度」の非課税枠が拡大
高額な金銭を贈与により受け取るには、たとえ家族同士でも贈与税がかかります。
「住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税制度」では、父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築もしくは取得・増改築のために住宅取得等資金を贈与される場合、一定額までの贈与税が非課税となっています。消費税増税にあたり、その対象金額が現行の最大1,200万円から、最大3,000万円まで拡大されることになりました。非課税となる対象金額は、契約締結日と住宅性能に応じて変わります。
契約年月 | 質の高い住宅 | 左記以外の住宅(一般住宅) |
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2019年4月~2020年3月 | 3,000万円 | 2,500万円 |
2020年4月~2021年3月 | 1,500万円 | 1,000万円 |
2021年4月~2021年12月 | 1,200万円 | 700万円 |
住友林業のホームページでは、消費税率引き上げに伴う4つの住宅取得支援策について、さらに詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
住宅ローンを組む上で気になるのが、金利のこと。2018年夏ごろから日本の長期金利が上昇しましたが、12月以降は低下し、それに連動してフラット35や10年固定金利も低下しました。
しかし現在、政府によって様々な景気回復のための政策が進められていること、2020東京オリンピックなどにより経済が刺激されることなどから、今後金利が上昇する可能性があります。
また建設業界では、オリンピック特需により建設資材費が高騰傾向にあり、いよいよオリンピックが近づくと、益々上昇していくかもしれません。
住宅購入のタイミングに悩んでいる方は、ファイナンシャルプランナーなどに相談し、自分にとってベストなタイミングを見つけましょう。
消費税増税や金利の変動によって、どれくらい負担が増え、どの支援策が受けられるのかは、それぞれのケースによって異なります。
「消費税増税分を控除やポイントで取り戻せるの?」
「どんな住宅がポイント対象になるの?」
など、ご自身のケースについて具体的に知りたい方は、信頼できる住宅メーカーやファイナンシャルプランナーに相談しましょう。
住友林業の展示場・モデルハウスでは、その場で資金計画をシミュレーションいたします。
ぜひ、お近くの展示場に足をお運びください。