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2016/02/19 公開
かわいい桜餅、桜の花やおひな様をかたどった干菓子(ひがし)――3月3日の桃の節句を控え、ピンク、白、緑など色とりどりのお菓子が店先を彩るひな祭りシーズンがやってきました。春を感じさせるかわいい和菓子を取り入れ、ひな祭りを華やかに楽しんでみませんか。
ひなあられ、菱餅(ひしもち)、ちらし寿司、蛤(はまぐり)のお吸い物など、ひな祭りの席で食べられるお菓子や料理は、春の訪れを感じさせる旬の食材、そして縁起がいいとされる食材を使ったものが目立ちます。
たとえば蛤は、対になっている貝殻でなければぴったり合わないことから夫婦の良縁を表すもの。お吸い物の具材としてひな祭りの食卓でおなじみです。和菓子屋さんでも蛤をかたどった生菓子や干菓子を並べるところがあります。
おめでたい行事や草花をモチーフに季節を表現するのも和菓子の特徴です。新年にはお年賀用に干支をかたどったお菓子が売りだされ、節分が過ぎた頃からおひな様やぼんぼりの形をしたひな菓子が店頭に並びます。
細かい細工が施された色とりどりの和菓子は見ているだけで気持ちが華やぎますが、ほっこりする味わい、四季を感じられる名前も季節感たっぷり。春しか味わえないひな祭りの和菓子を味わい、楽しんでみたいですね。
ひな菓子といえばポリポリと食べやすく色もかわいいひなあられが人気ですが、江戸時代、春先に人々がこぞって食べていた人気のお菓子といえば桜餅でした。
江戸では向島の長明寺の門前で売られた「長明寺桜もち」が大人気になり、隅田川の花見に訪れた人の舌を喜ばせたそうです。これを起源に関東の桜餅はクレープのように焼いた皮にあんこを包んだスタイルが主流になっていきました。一方、関西では道明寺粉のお餅であんこを包んだものがメイン。「道明寺」という名前で売られている桜餅はこの関西スタイルのものが多いようです。味は違いますが、塩漬けにした桜の葉で包んでいるのは同じ。東でも西でも、春の香りがお餅になじんで香ばしいのです。
名前から春を感じさせてくれる桜餅のように、いつもとは少しちがう繊細な和菓子をおひな様に供え、味とともにかわいい色や形、香りで季節を味わってみるのはいかがでしょうか。
和菓子店がこの季節に売り出すひな菓子は、男雛、女雛、ぼんぼりなどをかたどった上生菓子、鯛や桃の花の干菓子(ひがし)の詰め合わせなどやさしい色あいのものばかり。冠婚葬祭や茶道で用いられてきた干菓子は、水分が10~20%以下の乾燥した和菓子です。砂糖などを木型に入れて固めたもので、小さく上品なフォルム。口に入れると、ほんのりやさしい甘さが広がります。
キュートな干菓子のように、ひな祭りの世界には、小さくかわいいものが大好きな女の子の夢が詰まっています。それは昔も同じで、江戸時代の大名家のお姫様も、嫁入りの際にはひな人形一式を持って嫁いだとのこと。箪笥や化粧道具に至るまで、本物の嫁入り道具と同じ作りのミニチュアを揃え、一生手元に置いていたそうです。そんな話を聞くと、ひな壇の小さな道具一つにも「一生、幸せに暮らせますように...」という女の子ならではの願い、夢が感じられますね。
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