OAK TREE
深い森の中で、威厳ある姿を見せるオーク。その存在感あふれる樹形から、ヨーロッパでは古くから神聖視されてきました。種類は多種多様で、生態も変化に富んでいます。
オークはブナ科コナラ属の樹。北半球の亜熱帯から温帯にかけて幅広く分布し、その数は300~350種もあると言われています。樹種によっては高さが30m以上にもなるオークは、のびのびと枝が広がる樹形が美しく、秋にはドングリをたくさん実らせます。その威風堂々とした巨大な姿は、森の中でもひときわ目を惹きます。ヨーロッパ各地では古くから神聖な樹として崇められてきました。人類はオークから誕生したという神話もあるほどです。特にイギリスでは、“The king of the forest(森の王)”と呼ばれ、オークにまつわる様々なことわざや言い伝えが残っています。良質な木材として使用されるのが北米産のホワイトオークです。オークに属する日本のミズナラは、その優れた材質から海外でジャパニーズオークと呼ばれています。
参考文献:「樽とオークに魅せられて」加藤定彦・著/吉田勝彦・絵(阪急コミュニケーションズ)