E05
木の部屋で勉強に集中!
リラックスにも◎
- 休憩にも集中にも効果的
小中学生に「計算⇔休憩」を繰り返してもらったところ、木質空間では休憩中はよりリラックス、計算中はより集中できた。 - 木の内装で勉強にメリハリ
書斎や勉強スペースは、集中作業とリラックスのメリハリがつきやすい木質仕上げが適している。

1.背景・目的
京都⼤学協⼒のもと、当社筑波研究所にて、⼩中学⽣を対象として、⽊質内装材が⼦どものリラックス度、集中度に与える影響について検証。脳波測定を⾏ない、簡単な計算を⾏なう作業時間と休憩時間の脳波の推移を観察。勉強空間を想定し、⽤途に応じた建築仕上げ材の効果、有⽤性について、⼦どもを対象とし、脳波という中枢系の反応を観察し評価した事例は他に例がなく初めての調査研究。
2.実験概要
調査対象
⽩⾊クロス、および⾊調の異なる3種のオーク調⽊⽬の壁材(ライト、ミディアム、ダーク)で3⾯を仕上げた半畳の計4種類の勉強空間を対象とた。
被験者
8歳から14歳の⼩中学⽣10名。
調査内容
それぞれの空間に机といすを⽤意し、被験者に作業をさせ、その際の脳波の推移を測定。
評価⽅法
- それぞれの空間で、休憩90秒間、計算(簡単な⼀桁の⾜し算)90秒 間、休憩90秒間の計270秒間の脳波の推移を観察。
- 脳波のα波をリラックス度の、β波を集中度の指標とした。α波は 安静(リラックス)時に、その他の周波数成分に⽐べて占める割合が⾼くなり、β波は能動的で活発な思考や集中の際に占める割合が⾼くなると⾔われている。
- 被験者間のパワースペクトルレベル*の個⼈差を考慮し、各波の周波数 帯のレベルが全周波数帯のレベルに占める⽐率で相対的に評価。
(*パワースペクトルレベル : 脳波を周波数帯ごとに分けたときの、各周波数成分の⼤きさ) - 各部屋ともランダムに2セットずつ計測を⾏い、休憩中及び計算中のα波とβ波の脳波全体に占める割合(周波数帯⽐率)の平均値を算出。

3.結果
- 4種類のいずれの空間においても、休憩中ではα波の⽐率が上がりβ波の⽐率が下がる、計算中ではα波の⽐ 率が下がりβ波の⽐率が上がる、という点で同様の傾向がみられた。
- ⽊⽬の空間の⽅がクロスの空間よりも、休憩中ではα波の⽐率がより⾼く、計算中はβ波の⽐率がより⾼くなることが確認された。特に休憩中のリラックス度の差が顕著に現れた。
- ⽊⽬の空間の⽅がクロスの空間よりも、休憩中と計算中でα波およびβ波の⽐率変化のメリハリが より⼤きくなることも確認された。

4.考察
⽊⽬の空間の⽅がクロスの空間よりも、休憩中はよりリラックス、計算中はより集中できており、休憩中と計算中のメリハリがり⼤きくなることを明らかにした。⼦どもの勉強空間の壁材として⽊⽬を使⽤することは、脳波測定から⼀定の優位性を証明することができ、勉強 に集中する空間として適していることを⽰すことができた。このことが認められ、第5回キッズデザイン賞リサーチ分野の受賞につながった。