日本の人口は1967年に1億人を突破、その後も増加を続け、2008年には1億2808万人とピークに達した。しかし、以後減少局面に入ってきており、今後は一転して人口減少社会に突入、国内人口は急勾配の下り坂を降りていくことが見込まれている。こうした社会環境の変化に伴い、国内の住宅市場が縮小傾向にあるのは否めない事実である。この人口減少社会の到来は早くから指摘されていたことだった。住友林業はその危機感から、2000年初頭、海外市場に活路を見出す戦略を打ち出した。ターゲットとする市場は米国及び豪州。2001年、米国市場を調査分析するクロスファンクションチームが結成された。そのメンバーの一人だったのが、現在、アメリカ住友林業(株)で代表を務める岩崎淳である。
岩崎が指摘するように米国は先進国の中でも人口が増え続けている数少ない国であり、それがアメリカ経済の力強さの一因ともなっている。1995年、2億5005万人であったアメリカの人口は、2018年には3億2716万人と増加の一途を辿っている。なぜ人口が増えているかといえば、他国からの移民を積極的に受け入れてきたからだ。人口が増えることは、消費が拡大し、また労働力の増加は生産力を高めることにもなる。それによる経済成長が、住宅需要拡大を牽引している。