VISONは本来2020年にオープンする予定が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大幅な予定変更を余儀なくされた。2021年4月の「マルシェ ヴィソン」を皮切りに、3期に分けて順次オープン。最後のオープンが「HOTEL VISON(3施設全体の呼称)」で同年7月だった。運営は、住友林業(株)、旅行大手のH.I.S.
グループのH.I.S.ホテルホールディングス(株)、地元三重県で複合温泉リゾート施設を運営する(株)アクアイグニスの3社が出資するヴィソンホテルマネジメント(株)が担っている。
現在では宿泊客一人ひとりの目的や背景に合わせたおもてなしが最大の武器となり、サービス品質の評価は高い。そこは意外にも、住友林業のDNAの為せる技だったという意見がある。
現場で運営管理していたプロジェクトメンバーも「立ち上げ時は苦労したものの、住友林業のDNAは間違いなく、サービス業に向いている」というほど、矛盾なく、ホテル業界は活躍できるフィールドだった。
それでも更なるサービス品質の向上、ブランティング、集客・収益力の向上と課題はあるものの、大手のホテル・旅館ポータルサイトの口コミ評価は上昇中。住友林業グループ独自の集客力で言えば、住宅事業のオーナー様、リフォーム事業のオーナー様など、別事業部のオーナー様向けに割引キャンペーンの実施、契約特典として宿泊券を贈呈するなど、送客に一役買っている。住友林業グループのオーナー顧客をリピーターに取り込んでいく戦略、そのわかりやすいターゲッティングから段階的に進めていることも奏功している。現在、すでにハイクラスなカテゴリへのランクアップを図るため、ロビーや客室のリニューアル、ヴィラでは人気の高いペット同伴客室を倍増するなど、市場ニーズを的確に捉えた新たな付加価値を高める投資も積極的に行われている。