木の価値を、
多くの人に届けるために。
屋上、壁面、あるいは街全体を“緑化”するという概念は、環境への配慮が高まると同時に、多くの世の中に浸透していったことであろう。一方、“木化”という言葉は、現状ではそれほど認知されておらず、言葉自体も、緑化ほどポピュラーではない。
住友林業において、木化事業が新事業として発足したのは2010年。建物や街づくりにおいて木造化・木質化を推進することで、改めて木材の良さや価値を広めていこうという「木化宣言」のもとに、「木化=MOCCA」という愛称で事業を展開することとなった。
2011年。東日本大震災が、東北地方を襲った。
それまで住友林業は、老人ホームや保育園を鉄筋コンクリート造ではなく木造で建築するなど、主に非住宅の領域で事業を推進しながら、次に打つべき手のための情報収集や検討を行っているところであった。
被災地の復興に向けて、住友林業ができることはないか。選択したのは、非住宅での貢献だった。