近年は、生活様式の変化によって住環境を充実させたいと考える人が増え、戸建て住宅の需要が高まりました。
住友林業が扱う一戸建ての中でも、ここ5年で平屋の割合が1.6倍近くに増えています。
今回は「平屋」のメリット・デメリットと、デメリットを解消できる工夫もあわせてご紹介します。
2階建て・3階建て住宅のように「縦の動線」がなく、すべての住居設備がワンフロアに備わった平屋。平屋だからこそ実現できる、暮らしのメリットを確認してみましょう。
平屋は、ワンフロアにリビングや居室がまとまっているので、どこにいても家族の気配を感じられます。それでいて広々としているので、近すぎず、離れすぎないほどよい空間に。子どもが小さい場合でも、家事をしながらでも様子を見られるのが安心です。
段差のない平屋は、誰でも使いやすく暮らしやすいバリアフリー設計が可能です。
東京消防庁の調査によると、平成27年から令和元年までの高齢者の事故のうち、ころぶ事故は8割以上。そのうち最も多い56%が「住宅等居住場所」で発生しているそうです。平屋は階段やちょっとした段差で転倒する危険性が少なくなるので、よちよち歩きの乳児から走り回ることの多い幼児、車椅子ユーザー、そしてつまずきやすいシニア層まで、幅広い世代の人が安心して過ごせます。
毎日の家事で、掃除機や洗濯物を持って階段を昇降するのは重労働で、家事動線も長めになってしまいます。縦の動線がないフラットな平屋なら、掃除、洗濯などの移動が必要な作業も、階段を使わずワンフロアでスムーズ。さらにロボット掃除機もフラットだとすいすい稼働でき、お掃除ではプラスの時短になるかもしれません。
また、家事動線に、使いやすい収納をプラスすれば、さらに効率もアップします。
キッチン・リビングなどの「内」と、バルコニー・デッキなどの「外」の一体感を感じられる平屋。屋内と屋外がシームレスにつながり、自然を感じながら暮らせます。
リビングから地続きのウッドデッキをつくって、家族だんらんができるセカンドリビングのように使ったり、天気の良い休日はバーベキューやテントを張ってアウトドアを楽しんだりと、その使い方はさまざまです。子供を外に遊ばせに行けない際に、目の届く自宅の庭で思う存分に遊ばせられるのも魅力です。
ウッドデッキで庭と室内がつながる「テラスリビング」のある暮らし
結婚や出産、子どもの成長、子ども夫婦との同居など、ライフステージに合わせてフレキシブルな使い方ができます。
たとえば、子どもが成長したらリビングに間仕切りを設けて子ども部屋を作り、自立した後は間仕切りを取って広いリビングに戻すなど。家族の成長や変化にあわせた間取りの変更のしやすさが平屋の魅力です。
ここまで見てきたようにメリットがたくさんある平屋ですが、もちろん、平屋にもいくつかのデメリットはあります。今回はその中でも最も多くの方が不安に感じている防犯上の不安について、解決策を提案します。
都市部で平屋を建てる場合、高さのない平屋は外から家の中が見えやすいため、住人の様子がわかりやすく、空き巣などの被害に遭う危険性も。また周りが2階建て・3階建てだと、上階から生活の様子が見えてしまうこともあります。
しかしこれは、外からの視界を遮り、中庭に向かって開く「コ型」に設計することで対策が可能です。 また、道路から遠いところにリビングや寝室を置くこと、窓には割れにくいガラスを採用して高めに設置すること、周囲の家から見下ろされることが心配な場合は軒を深めに作るなどの工夫をすることでプライバシーを確保することができます。
住宅の防犯性については、こちらの記事もご覧ください。
段差がなくフラットな空間を確保できる平屋は、家族の距離が近くなり、子どもも高齢者も安心してずっと暮らせる住宅です。平屋のメリット・デメリットを理解した上で、理想のライフスタイルが実現できる住宅を選びましょう。