●わたしらしさを楽しむ家づくり
2018/01/19 公開
「相手にも収入がある」という余裕から、家計管理がゆるくなりがちな共働き世帯。収入は多いのに、なぜかなかなか貯蓄が増えないなんて人もいるのでは? 家族の将来を見据えたマネープランの考え方を紹介します。
口座が2つに分かれる共働き家庭では、夫婦のどちらも家庭の収支を把握していないということが起こりがちです。「相手が貯めているはず」と考えていると、いざ大きな出費が必要なときに貯金の少なさが判明することも。共働き家庭ではお互いの収入をオープンにし、家庭のお金の流れを共有することが大切です。そのうえで、住宅購入や家族計画について話し合うと、いつごろ、どれだけのお金が必要になるかが見えてくるでしょう。
家庭の収支がわかると毎月の貯金額の目安もついてきます。貯金の割合は家族構成や年代、ライフスタイルなどによって異なりますが、手取り収入の10%~20%が目安。もし10%を切るようなら家計の見直しが必要かもしれません。10%なら10年、20%なら5年で年収分が貯まる計算になりますが、毎月貯めているのに貯金が増えないのなら、貯金額の設定に無理があり、積み立てをちょこちょこ崩しているのかもしれません。互いの収入に合わせて適切な貯金額を見つけましょう。
人生の三大出費といわれるのが「住宅」「保険」「教育費」です。とくに教育費は子どもがいないうちは想像がつきにくく、子ども1人につき1000万以上かかるなどと聞くと、どれだけ貯金をすればいいのか不安になってしまうでしょう。
教育費が大きく必要になるのは、子どもが大学に入学するタイミング。子どもが生まれてから18年以上の時間があるので、計画的に貯めておけば心配ありません。たとえば中学校を終了するまでの子どもを養育する家庭には「児童手当」という公的な支援があり、給付金の総額は子ども1人につき約200万円になります(※所得制限に該当しない場合、(月額15,000円×3年)+(月額10,000円×13年))。これを使わずに貯め続けておけば、進学先にもよりますが、子どもが大学入学時に必要な金額におおよそ届くように。そのうえで大学4年間にかかる学費で足りない分は別途貯蓄します。18年は216ヶ月なので、仮に生まれてから毎月5,000円を教育費として貯めておけば単純計算で108万円になります。夫婦でそれぞれ5,000円ずつ貯めれば216万円に。上手に貯まる仕組みさえ作っておけば、心配しすぎることはないといえます。
※所得制限に該当しない場合、3歳未満月額15,000円、3才以上小学校終了前月額10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生月額10,000円(2017年12月現在)。
※出典:内閣府「平成29年度における児童手当制度について」(参照2018-1-19)
結婚して間もなく夫婦だけの時は、2人がフルタイムで働けるため家計が安定しやすくなります。「月々払っている家賃と毎月のローン返済額が変わらないのなら住宅を購入してもよいのでは?」と考えてしまいがちですが、住宅を購入する際は、住宅購入資金の2割は頭金にしたいもの。頭金が少ないとそれだけ借入金が増えて返済額も多くなってしまうからです。
出産前後は妻の収入が減ること、産後は夫婦の働き方が変わることも考慮して、あせらずに、まずは自己資金の準備を始めましょう。
住宅資金の貯蓄は、給与天引きや自動引き落としを利用して確実に積み立てられるようにします。勤務先が財形貯蓄制度を導入しているのであれば、住まいの資金作りに向けた「財形住宅貯蓄」の利用を検討してみても。「財形貯蓄」とは企業の福利厚生の1つで、勤労者の貯蓄や住宅購入などの資金づくりを支援する制度です。企業が金融機関と提携し、社員の給与から毎月一定額を天引き(賃金控除)して貯蓄します。
財形貯蓄は、「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3つがあり、「財形住宅貯蓄」が、マイホームの購入・建設・リフォームに必要な資金を貯めることを目的とした制度です。「財形年金貯蓄」と合わせて、貯蓄残高550万円まで利子等に税金がかからないというメリットがあります(※)。
このほか金融機関には幅広い貯金商品があるので、自分たちにあった方法を探してみましょう。
なお、こうした住宅購入の資金について、より詳しい内容は住友林業のサイト「資金計画」で解説しています。目標額達成までの期間や積み立て合計額などの自動計算もできるので、夫婦のマネープランの参考に役立ててください。
※参考:独立行政法人 勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部「財形貯蓄制度」(参照2018-1-19)