●わたしらしさを楽しむ家づくり
2016/04/28 公開
駒場公園の緑の中に建つ大邸宅・旧前田家本邸。かつて「東洋一の邸宅」といわれた建物から、現代にも活かせる邸宅の条件を考えてみます。機能的で美しい、究極の注文住宅――あなたならどんな邸宅を思い描くでしょうか?
目黒区・駒場公園内にある「旧前田家本邸」は、旧加賀藩主・前田家第16代当主の利為(としなり)の自邸として昭和4年(1929)に建てられました。緑の木達のなかにそびえる洋館は絵画のなかの風景のようで、80年以上たった今も堅牢さと美しさを保っています。建物は駒場の田園風景に調和するようにイギリスのチューダー様式が取り入れられ、内部の建築意匠にも各国から最高級の品が集められました。
往時は100人もの使用人を抱え、「東洋一の邸宅」といわれた旧前田邸。1万3000坪の敷地には、洋館と廊下でつながる和館、庭園が広がっています。洋館の大広間では外交団を招いた舞踏会が開かれ、和館では宿泊する客をもてなすことも多かったといいます。この時代の要人の邸宅の多くがそうであったように、家は暮らす場所であると同時に「公」の場であり、家名や国力を示す場でもあったようです。
前田家の暮らしは現代とはかけ離れた別世界のようですが、邸宅には現代にも取り入れたくなる家づくりの醍醐味があります。旧前田邸は3階建ての長方形の建物が口の字に並び、1階は主に大広間や大食堂、大小のいくつもの応接室などのパブリックな場所、2階には侯爵の書斎や寝室、子どもたちの部屋などプライベートな空間があり、それらの部屋は中庭に面してテラスでつながっています。中庭からは部屋に光が差しこみ、家族はそれぞれの部屋から中庭の景色を眺められるようになっています。
この「家の内側に庭を作る」という発想は、現代の住宅でもとりいれられるもの。小さくても建物の中心に庭を作って木を植えると、そこに新しい景色が生まれ、家族が集う場所になります。家の外観を彩る「外に向けた庭」がパブリックなものなら、この中庭は家族だけが共有するプライベートな庭。1日の時間の流れや、季節の移り変わりを毎日の生活の中で楽しむことができます。
※旧前田家本邸洋館は保存整備工事のため、平成30年9月末(予定)まで休館となります。
「東洋一」といわれた邸宅を建築するため、当時の一流の建築家・庭師・工学博士などが参加して設計委員会が作られ、最先端の機能と美しさを備えた邸宅づくりが行われました。ちょうどその頃、前田侯爵は駐英武官としてイギリスで生活をしていましたが、設計も施工も侯爵の意向を汲み連絡を取りながら進められたそう。これぞ究極の「注文住宅」です。財力と知性とセンス、そして自然環境に恵まれた広い土地。今、日本に残る大邸宅の多くは、このような恵まれた条件を満たすものが多いようです。
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