和室は日本らしい落ち着きが感じられる部屋。畳に座ってくつろぐと、なぜか自然に心がほっこりと和みますよね。フローリングの洋室がスタンダードとなった現在の住まいでも、一部屋は和室を設けておきたいという人が少なくありません。 和の良さは残しつつ、洋の空間とも違和感なく調和するモダンな和室づくりをするためには、どんな工夫が必要なのでしょうか。和室のメリットやおしゃれにしつらえるコーディネートのポイント、素敵な和室の事例などをご紹介しましょう。
素足でも気持ちがいい畳や光を柔らかく採り入れる障子などで日本の情緒を感じることができる和室。居間や客間、あるいは寝室としてなど自由自在に使える汎用性の高さや、素材の持つ機能を活かした快適さも魅力です。和室の多彩なメリットをまとめてみました。
温泉旅館などで和室に通されると、ほっと落ち着いてリラックスする感じがしませんか?それは畳がもたらす心地よさのせいかもしれません。素足になってくつろいだり、ごろりと寝転んだりするにはやはり畳が一番。足裏や身体に感じるわずかな弾力で、疲れが癒やされる気がします。
また、畳表に使われる素材としてはイグサが有名ですが、和紙で編んだデザイン性の高い畳なども近年はつくられています。用途を広げながらインテリア空間に潤いと安心感を与えてくれる畳は、和の空間を代表する素材と言って良いでしょう。
倉敷展示場(岡山県倉敷市酒津1625-1 ハウジングモール倉敷内)
和室の畳にはクッション性があり、空気を多く含んでいることから、洋室のフローリングと比べて音が響きにくいと言われています。 そのため、子供が走り回る音も吸収して騒音を軽減してくれますし、物を落としたときに破損しにくいのもうれしい点です。小さな子供やお年寄りがうっかり転倒した場合も怪我を防げる可能性が高まります。
シンプルな空間である和室は用途を限定せず、さまざまな場面で活用できるのもいいところ。 ベッドを置かなくても来客時には布団を敷くだけで客間として使えますし、床がやわらかい畳の間は子供の遊び場やお昼寝スペースにもうってつけです。また、夜だけ寝室として利用する生活スタイルにして、部屋を有効活用するのも賢い手。洗濯物を畳む、アイロンをかけるといった家事をこなすにも便利な空間です。和室は落ち着きがあって作業に集中しやすいことから、テレワークスペースとして活用するのもおすすめです。
高槻展示場(大阪府高槻市富田丘町12番3号 毎日ハウジング高槻住宅展示場)
LDKのある洋の暮らしが当たり前になった現代、和室に求められるスタイルも変化してきています。どんなアイテムや工夫を採り入れると、おしゃれで心地の良い和室が実現できるのでしょうか。現代のライフスタイルにマッチした快適な和室づくりのコツをご紹介しましょう。
和室に植物を飾って部屋の雰囲気を素敵にしたい。和室と言えば生け花や一輪挿しを思い浮かべますね。一輪挿しなら、小さな花器ながら1~2輪ほどの切り花を挿すだけで存在感を放ち、床の間や書院に飾ると和室に彩りが生まれます。また、ボリューム感が手軽に出せる「枝もの」もおすすめです。花瓶に挿して床の間におくだけで和室の雰囲気が一気に華やぎますし、生花と比べても長持ちするうえ、お世話もラク。
冬から春にかけては梅、桜、桃、雪柳、椿、夏から秋はアジサイ、ドウダンツツジ、冬はサンキライ、アカメヤナギなど、季節を先取りできる切り枝が豊富に出回ります。観葉植物を置くなら、和室のテイストに合わせて、和風のものだけでなく、洋風のものでも、おしゃれさを演出してくれます。
神戸駅前展示場(兵庫県神戸市中央区東川崎町1-1-3 ABCハウジング神戸駅前住宅公園)
最近はリビングの一角に和室スペースを設ける生活スタイルも見受けられますが、その場合、和室の床をリビングからそのままフラットにするか、一段高くなった小上がりにするかで印象が変わります。
和室スペースをフラットにすれば、リビングの延長として一体感も生まれますし、お掃除もしやすいです。また、小さな子供や高齢者も、より安全に行き来できる空間になります。
小上がりにすれば、同じ空間にありながらも別空間のように演出できますし、段差に腰掛けることができるのも便利です。和室の下を収納スペースにすることもできるでしょう。
どちらの場合でも、リビングの横に和室があることで、洗濯物の片付け、子供の昼寝、あるいは趣味の作業コーナーなど、多用途に使えて便利です。
大府第一展示場(愛知県大府市横根町前田40-1 中京テレビハウジング大府内)
和室においても、窓は見えてくる景色や全体の明るさ、そして部屋の雰囲気を変える大きな要素です。和室の窓には掃き出し窓、腰窓、地窓などがあります。開放的な掃き出し窓は庭や縁側と一体に使うことができます。腰窓は座ったときにちょうど外の景色がよく見える高さの窓。そして、壁の低い位置にあるのが地窓です。地面に近い地窓から見る景色や風景は、掃き出し窓や腰窓から見るのとは違った魅力があり、窓の楽しみ方の幅を広げます。
また、地窓から差し込む光で畳が照らされ、より一層落ち着いた上質な雰囲気のある和室になります。丸窓も和室におすすめのアイテム。寺院や仏閣など日本の伝統的な建築にも使われてきました。インテリア性が高まり、空間に趣が生まれます。
また、開閉する窓ではなくはめ殺しのスリット窓やガラスブロックなどを壁に取り付けて採光してみてはいかがですか。明るさも開放感も増し、ぬけ感のある空間になってくれるでしょう。
八木展示場(奈良県橿原市新賀町521 ABCハウジング橿原住宅公園)
収納棚を和室に設置すれば、収納スペースが増えて和室の使い勝手が向上します。宙に浮いたような扉付きの吊り収納を設置し、下部に間接照明を組み込むと空間が優美になりますし、圧迫感も生まれません。壁にちょっとした飾り棚をしつらえて、"見せる収納"にするのもおすすめ。飾る調度品、インテリアの色で空間を引き締めることもできますし、畳や障子、襖といった平面的な建材で構成されている和室に立体感を生み出すことができます。
錦糸町展示場(東京都墨田区錦糸4-18-7 錦糸町住宅公園)
壁面も和室の雰囲気を左右する大きな要素です。和紙風、砂壁風、織物調の壁紙、ナチュラルな木目を選ぶなど、素材感で楽しんではいかがでしょう。個性的に演出したいときは、壁全体は無難な色でまとめ、一面だけに色柄の違うアクセントクロスを張って変化をつけることでおしゃれ感が演出できます。デザイン性の高い和柄の壁紙などの選択もあります。
姫路展示場(兵庫県姫路市城東町五軒屋40番1 神戸新聞ハウジングセンター 姫路会場)
同じ和室でも、光の演出によって雰囲気ががらりと変わります。和室の照明器具といえば、和紙や竹などを使ったよくあるデザインを思い浮かべるかもしれませんが、最近はバリエーションが増えて、和モダンな雰囲気の照明器具もたくさん出ています。調光できるタイプなら、和室の用途に合わせて明るさが調整できて便利です。
また、リビングの続きにあり、和モダンな感じを出したい場合などは、天井に埋め込むダウンライトを採用すると、すっきりとした印象になります。和室照明では、光源を隠して天井や壁に光を当て、反射光を室内に広げる「間接照明」をつかい、光と影が織りなす美しさを楽しむのもおすすめの手法です。
高槻展示場(大阪府高槻市富田丘町12番3号 毎日ハウジング高槻住宅展示場)
完全に独立した和室は、用途がかなり限られてしまいます。日常生活の中で和室を最大限に活用するために、リビングの一角を畳スペースにしたり、建具をフルオープンにしたりできる間取りにするなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。正方形の畳を選んだり、収納の扉にモダンなデザインを取り入れたり、障子を和紙調のプリーツスクリーンなどに差し替えることで、洋のインテリアとも馴染む和モダン空間になります。
和洋折衷のモダンスタイルから和の伝統美を洗練されたデザインで表現したスタイルまで、おしゃれな和室の多彩な施工事例をご紹介します。あなたの好みにぴったりの和室づくりのヒントがきっと見つかるはずです。
内装の木の色を統一して、和と洋が調和する一体感あるLDKに演出しています。
松茂展示場(徳島県板野郡松茂町中喜来字宮前二番越 松茂住宅公園内)
和室と縁側を段差なくフラットにつなげることで、ゆるやかに内と外がひと続きに。
落ち着いた雰囲気で独立感もあるので、仕事に集中しやすく、オンオフを上手に切り替えられそう。
和室ならではの畳空間ながら、浮遊感のある収納棚や地窓から差し込む光で明るくモダンな印象に。洗練されたおしゃれな和の空間はティータイムを楽しむのにもぴったり。
横に長い地窓から庭の景色を一服の絵のように眺められる趣豊かな和室。掘り炬燵でくつろぎながら家族団らんを楽しみたくなる。
間接照明による柔らかい光が和室のアクセントとなり、空間に陰影をつけてくれます。
品川展示場(東京都品川区東品川4-4-7 品川シーサイド住宅展示場)
「和室は古臭い」と思うのは大きな誤解です。今回、さまざまな事例をご紹介したように、生活スタイルの変化とともに、和室の在り方も変わってきています。「畳スペースはほしいけれど、独立した和室を設けるのはスペースがもったいなくて」と思う場合は、リビングの横などに畳スペースをしつらえてはいかがですか。最近は縁のない畳や黄緑色以外のカラー和紙畳も多彩に揃っていますから、洋のインテリアとの相性も良好です。
住友林業では、日本の形と心を継承する新しい和のスタイルの注文住宅 「和楽」において、伝統的な和の美しさを追求した「和楽 雅」と、モダンな趣を主張する「和楽 華」の二つのスタイルを提案しています。間取りにあいまいな要素を残し、人の視線を低くする和のスタイルは、住まいにほどよい「間」を生み出し、居心地の良さを感じさせてくれますし、家族が集まりやすい雰囲気をつくり出します。
こうした日本の伝統を現代の住まいづくりに上手に取り入れて、和の心地良さを感じるおしゃれな暮らしを楽しんでみませんか。
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