ニュースリリース(2015年)

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2015年06月26日

~ 先進の防耐火技術を追求し、木造建築のさらなる発展をめざして ~
筑波研究所内に多目的大型炉を設置した検証棟を新設
「平成26年度 木造建築技術先導事業」に採択

  住友林業株式会社(社長:市川 晃 本社:東京都千代田区、以下)は、住友林業筑波研究所内に、防耐火試験用の多目的大型炉を設置した検証棟(以下、本検証棟)を新たに建設いたしますのでお知らせします。
  本検証棟は、耐火に関する技術開発を目的とした試験体の制作及び加熱試験を行うための施設です。また、本検証棟の建設は、国土交通省の推進する「平成26年度 木造建築技術先導事業」に採択されており、当社では6例目の採択事業となります。当社は、筑波研究所内の本検証棟に防耐火試験用の最先端の設備を整え、木を科学し先進の木造技術の開発を推進し、木造住宅・木造建築物の更なる発展に貢献してまいります。

■施設概要

事業者 住友林業㈱ 筑波研究所
建築地 茨城県つくば市緑が原3-2
延床面積 448.52㎡
軒高 12.05m
構造 木造軸組構法
用途 研究施設(防耐火実験施設)
設計(基本・実施共に) 住友林業アーキテクノ株式会社
施工 川田工業株式会社
工期 2015年3月着工 2015年10月末月竣工(予定)

■本検証棟建設のねらい

①防耐火試験用多目的大型炉を完備

「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が2010年10月に施行されて以来、国が率先して木材利用に取り組むとともに、大規模建築物における木材の利用事例も増えつつあります。木造住宅を展開するハウスメーカーとして、耐火に関する技術開発は当社の重要なテーマのひとつであり、大型炉を設置した検証棟を建築し、耐火部材、構造に関して自社内で検証を行うことのできる開発環境を整備することで、耐火関連の技術開発についてスピード感を持って推進することをめざします。

②大型部材の燃焼実験も積極的に推進

本検証棟内で、最大で幅2.5m×長さ4mの水平部材、または幅3.5m×高さ3.5m鉛直部材の試験体などに、実際の部材のように荷重をかけた状態で燃焼実験が可能となります。主要構造部の開発、設計上の提案、設備部材の開発等、自社の施設内で必要な時に検証を行うことができるため、当社独自の耐火技術の開発を円滑に推進することが可能です。


<新検証棟(採択事例公開資料より抜粋)>


<耐力壁断面図>

■本検証棟の主な特長

①大型木造建築への提案となる新構造を採用

本検証棟は、厚板のLVL※1(単板積層材)を活用し、それらを組み合わせて耐力壁(LVLの柱を2本並べた合わせ面にテンションロッドを配置し、つづり材により一体化したもの)とするポストテンション構造を採用しており、多層の大型建築に向けた足がかりとすべく提案しています。

※1 Laminated Veneer Lumber・・・単板を繊維方向を揃えて積層、接着した木質軸材料


<検証棟構造イメージ>

②部材数の削減と接合部の単純化

本検証棟は、マッシブホルツ(厚板LVL)による耐力壁(厚300mm、幅1920mm、高さ9.85m)とポストテンション構造の組み合わせにより、回転剛性※2とせん断耐力※3を大きくし、部材数の削減と接合部の単純化を実現しています。多層木造建築への足がかりになると共に、建設現場の建方工数や管理項目の削減にもつながります。ポストテンションとは、耐力部材に通した高強度の鋼棒やワイヤーロープに引張力を与えることで部材間の固定度を高める手法です。

※2 力を加えた際に、接合部がいかに変形を起こさずに抵抗できるか、という剛性。剛性が高ければ変形は小さく、剛性が低ければ変形は大きくなる。
※3 せん断力とは、物体内部のある面の平行方向に、すべらせるように作用する力のことで、その力に耐える力をせん断耐力という。

③防火設計の概要

軒高が9mを超える木造建物となっており、法令により木質架構については25mmの燃えしろ設計※4を行いました。検証棟室内は、柱、梁、小屋組の木質架構を現した内観となります。 また、試験室とその他の部屋の間仕切り・床には、木住協仕様の木造による耐火構造を用いています。

※4 想定される火事で消失する木材の部分である「燃え代」を想定して部材の断面寸法を決定する設計手法。

④グループ総合力を結集して建設

本検証棟は、木質の防耐火部材を開発するための施設として、技術提案を住友林業㈱筑波研究所が、設計を住友林業アーキテクノ株式会社が担当しています。また、構造材として使用するLVLは、ネルソン・パイン・インダストリー(所在地:ニュージーランド、住友林業㈱100%出資)のLVLで、同社において二次接着により厚板にし、またプレカット加工を行いました。また、LVLの輸入を住友林業㈱ 国際流通営業部が担当しました。

以上

《リリースに関するお問い合わせ先》
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 佐藤・森永
TEL:03-3214-2270

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