ニュースリリース(2016年)

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2016年08月26日

~森林情報の高度な利活用を目指し~
「森林クラウドシステム標準仕様」を公開

  住友林業は(財)日本情報経済社会推進協会(以下、JIPDEC)※1と共に「森林クラウドシステム標準仕様Ver.3.1(以下、標準仕様)」を作成し、本日公開しました。

  本標準仕様は、森林整備や林業振興を進める上において必要なインフラである森林情報に関するデータやシステム、セキュリティの標準化を行った成果をまとめたものです。自治体、林業事業体、木材需要者等が森林情報システムを構築する際に、この標準仕様を採用することで、データの共有や分析等、森林情報が高度かつ安全に利活用されることが期待されます。

  本標準仕様は林野庁の補助事業「森林情報高度利活用技術開発事業」の一環として、2013年度より3年の調査と検討を経て作成されたもので、4年目となる本年度はさらなる普及の年として位置づけられています。

  現在日本では、戦後植林した木が伐期を迎え、森林資源の活用が急務となっています。現在約49億m³もの森林資源の蓄積量があるにも関わらず、年間使用される木材は約2,000万m³程度しかありません。結果として木材の自給率は3割程度に留まっています。これまでは森林資源が成熟途上であったことに加え、山が急峻であることから木材を運び出すための路網の整備が進まなかったことや、個人の小規模山林所有者が多く、大規模で効率的な施業ができなかったことなどが原因です。

  林業活性化のためには、自治体や林業事業体、森林所有者、木材需要者等が、森林の資源量や所有者、地形、路網、施業の履歴といった様々な森林情報を共有し、有効かつ高度に利活用する必要があります。しかし現状は、ユーザーそれぞれが独自のデータ形式やプログラムを用いた森林情報システムを運用している場合もあるなど、情報の共有が難しい状況にあります。

  林野庁はその課題を打開すべく、2013年より「森林情報高度利活用技術開発事業」を開始し、その主要な事業の一つとして、「森林クラウドシステム標準化事業(以下、標準化事業)」を推進しています。標準化事業は、森林情報に関するデータやシステムの標準化を行うとともに、森林情報を個人情報等に配慮して安全に取り扱うためのセキュリティガイドラインを作成するものです。

  住友林業とJIPDEC は、初年度より標準化事業の補助事業実施事業者として取組みを開始。都道府県、市町村、林業事業体、木材需要者へのヒアリングを基にした標準仕様の作成と、ユーザーの拡大を行って参りました。今回、この3年間の成果を取りまとめた「森林クラウドシステム標準仕様 Ver.3.1」を公開することで、今後一層の普及拡大を行ってまいります。

※1 会長:牧野 力 所在地:東京都港区

≪標準仕様の利用方法≫
標準仕様については、そのまま森林情報システムを構築する際の仕様に使うことを前提に作成していますが、部分的に採用することや、考え方のみ参考にすることも可能です。標準仕様の実際につきましては,JIPDEC のホームページ(http://www.jipdec.or.jp/project/shinrin_cloud.html)をご確認ください。

【参考資料】森林クラウドシステム標準仕様の概要

<標準仕様が想定する運用体制>

森林クラウドシステムの運用体制として、都道府県と市町村・林業事業体が標準仕様に準拠した森林情報をそれぞれ保有することを想定しています。そして都道府県と市町村・林業事業体は、森林クラウドシステムにおいて、それぞれの情報を必要に応じて共有します。
一方、木材需要者は、林業事業体から森林情報をビジネスデータの形で受領し業務に活用することや、将来的に都道府県・市町村から川上の森林情報がオープンデータの形で提供されることを想定しており、木材需要者の業務に対応可能な標準仕様を作成しています。

<データの標準仕様>

データの標準仕様については、まず川上のユーザーが保有する「一次データベース」と川下のユーザーが使用する「二次データベース」に大別されます。
「一次データベース」に関しては、まず森林資源情報と森林所有者情報は、都道府県と市町村・林業事業体の形式がそれぞれ異なります。一方、施業履歴情報・路網情報・独立地図情報(地形情報等)・画像情報・GNSS※2情報については、共通の形式となります。
「二次データベース」に関しては、「一次データベース」を活用して作成されますが、林業事業体から提供される出材情報と出荷地情報、森林所有者から提供される森林取引情報から構成されます。

※2 GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)
      GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称

以上

《リリースに関するお問い合わせ先》
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 森永・佐藤
TEL:03-3214-2270

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