わたしの家

わたしらしさを楽しむ家づくり

2024/09/30 公開

ファミリークローゼットとは? メリット・デメリットや設置のポイント、間取りの魅力を解説

ファミリークローゼットとは? メリット・デメリットや設置のポイント、間取りの魅力を解説

この記事をシェアする

家族の衣類などをまとめて収納できる「ファミリークローゼット」は、家事動線を短縮できるといった魅力から、新居に検討している方も多いのではないでしょうか。ただ、「どんなメリットがあるの?」「どこに設置するのがいいの?」「どれくらい広さが必要なの?」といった疑問もあるでしょう。そこでファミリークローゼットのメリット・デメリットはもちろん、設置するときのポイント、ファミリークローゼットがある間取りプランもご紹介します。

ファミリークローゼットとは? 種類やは必要な広さについて

鹿児島展示場(鹿児島県鹿児島市与次郎2-4-43 KTS住宅フェア総合展示場)

ファミリークローゼットの定義やファミリークローゼットのさまざまなタイプ、必要となる広さの目安などを解説します。


ファミリークローゼットとは? ウォークインクローゼットとの違いなども

家族全員の衣類や荷物を一つの空間にまとめて収納するクローゼットのことを指し、ファミリークロークとも呼ばれています。その目的から、リビングや洗面室、玄関、各個室につながる廊下など、共用スペースから出入り可能な計画になっています。

収納するものは洋服だけでなく、玄関の近くなら帽子やコート、バッグ、洗面室の近くなら下着やタオルなど、使う目的に合わせてさまざまです。また、オフシーズンの衣類やバッグなどをファミリークローゼットで保管して、使うものを各部屋にあるクローゼットにしまうなど、季節ごとに使い分けることもできます。

対して一般的なクローゼットやウォークインクローゼットは、寝室や子ども部屋などの各居室に設置するものを指します。同じ収納でも、用途や設置場所によって名称が異なります。


ファミリークローゼットの種類(動線の種類と、形状の種類)

まず、動線によって2つのタイプに分けられます。

ウォークインタイプ / 出入口が1カ所で、1つの部屋として使用します。
ウォークスルータイプ / 出入口が2か所以上あり、クローゼット内を歩いて通り抜けることができます。

同じ面積で比較すると、出入口が少ない分「ウォークインタイプ」の方が収納量は多くなります。対して、「ウォークスルータイプ」は寝室と洗面室の間に設置するなど、生活動線をスムーズにできる点が魅力です。ウォークスルータイプのファミリークローゼットを廊下に設置するなどのアイデアで、スペースの有効活用にもなるでしょう。

また、それぞれ設置する収納棚やハンガー掛けの形状によって、以下の4つに分けられます。


I型 / 片側の壁だけに収納棚があるタイプです。
II型 / 壁の両サイドに収納棚を設けることで、多くの収納量を確保できます。
L型 / 2辺の収納棚をL字に配置するタイプです。
U型 / U字のように3辺に収納棚があり、より多くの収納量を確保できます。


<ウォークインタイプのファミリークローゼットの種類>

<ウォークスルータイプのファミリークローゼットの種類>


ファミリークローゼットの広さの目安

4人家族を想定した場合、2帖程度のスペースでもファミリークローゼットを実現することは可能です。

ただし、クローゼット内で着替えや洗濯物を畳めるスペースがほしい、玄関の近くでコートやバッグなどを置けるスペースにしたい、キャリーバッグなどの普段使わない荷物も保管したいなど、使う目的やしまう荷物の量や大きさによって、必要な広さが異なるため、どういう用途で使うかをしっかり考えた上で、検討する必要があります。

ファミリークローゼットのメリット・デメリット

ファミリークローゼットは、1か所にまとめた収納で動線がシンプルになり、家事の時短を実現してくれるなどのメリットがあります。 一方で、いくつかデメリットもあるため、次の項目で解説するポイントを押さえながら、事前に解決策を知っておくことが大切です。


ファミリークローゼットのメリット

1. 部屋がスッキリする

散らかりがちな日用品や衣服なども収納の場所を1か一カ所に集約することで、リビングや各部屋で、出しっぱなし・脱ぎっぱなしになることも少なくなり、広い居室をそのままキープできるでしょう。


2. 家事動線がスムーズになる

ファミリークローゼットを設置して家族全員の衣類収納スペースとする場合、乾いた洗濯物を各部屋に持っていく手間を省けるため、家事動線がスムーズになります。特にお子さまがまだ小さい時期はリビングなどで着替えることも多く、1か所で収納や着替えができるのは便利です。

また、キッチンやランドリールームなど、よく家事を行うスペースの近くに配置すれば、家事に伴う移動距離が短くなるため、さらに家事効率を高められるでしょう。


3. 生活動線がスムーズになる

例えば、玄関と洗面スペースの間に、ウォークスルータイプのファミリークローゼットを設置すれば、帰宅後すぐに手を洗って外で使ったコートや鞄をかけてから、リビングへ行くことができます。これにより、室内に花粉やホコリ、ウイルスの持ち込みも軽減できます。

また、玄関からシューズクローク、洗面室、ファミリークローゼット、リビングと回遊できる動線にすれば、帰宅してからくつろぐまでに家をあちこち動き回る必要がなくなります。


4. 各部屋の広さを確保できる

家族全員の衣類はファミリークローゼットに集約し、それ以外のものを各居室でしまえば、収納スペースを縮小でき、その分部屋を広く使うことができるでしょう。


5. 家族のコミュニケーションが増える

家族が共用するファミリークローゼットに大きな鏡をかけてみんなで身支度できるスペースを設ければ、準備をしながら会話をしたり、洋服選びを相談したりするなど、自然なコミュニケーションが生まれるでしょう。


ファミリークローゼットのデメリット

1. ある程度のスペースが必要になる

家族全員分の衣類や小物をまとめて収納するため、ある程度の広さを確保する必要があります。また、1階にあるリビングや水まわり、玄関の近くに設ける場合は、ファミリークローゼットの広さを確保しようとすると、他のスペースを圧迫してしまう可能性があるため、間取りの工夫が必要です。


2. 各居室との行き来が必要になる場合もある

寝室や子ども部屋などで家族がそれぞれ着替えをしたい場合は、ファミリークローゼットまで着替えを取りに行く必要があります。また、通学や通勤前の朝の身支度の時間や、家族みんなでお出かけする際の準備の時間などは動線がかち合うこともあります。


3. プライバシーの確保がしづらくなる

家族全員の衣服や小物を収納するため、自分のものが他の家族に見られてしまいます。思春期のお子さまにとってはプライバシーを守りづらく、「自分のものは、自分の部屋にしまっておきたい」と、確保したスペースを持て余してしまう可能性もあります。

また、家族が同じ場所で支度や着替えをするのを嫌がったりするケースもあるでしょう。お子さまが個室で着替えるようになれば、わざわざ衣服をファミリークローゼットに取りに行くという手間が発生してしまい、生活動線が複雑になることも考えられます。


4. 湿気やニオイがこもりやすくなる

衣類をたくさん収納するため、クローゼット内に湿気がこもりやすく、ニオイが気になることもあります。特に洗面脱衣所やランドリールームといった場所の近くに設置する場合は、より湿気がこもりやすいので注意が必要です。対策は後の章でご紹介しています。

ファミリークローゼットを設置するつくるときのポイント5選。デメリット解消の参考にも

hitマリナ通り第2展示場(福岡県福岡市西区愛宕4-21 HITマリナ通り)

ファミリークローゼットはその名のとおり、家族全員で使う収納です。そのため、朝、昼、夜、それぞれの時間帯に、家族がどのように使うのか。理想の暮らしをイメージしながら、プランを練ることが大切です。


ポイント1:使用目的や家族構成を踏まえて必要な広さを考える

ファミリークローゼットに限らず、家族の人数やしまう物の目的によって収納スペースに必要な広さは異なります。そのため家族全員の衣類や持ち物の量を調べ、どのくらいの量になるのかを把握しておくことが大切なのです。想定していたよりも収納スペースが足りないようであれば、他の収納スペースなどに分けて収納することも想定して、無理のない収納計画を立てておくとよいでしょう。


ポイント2:使いやすいレイアウトや動線を考える

「外出や帰宅をスムーズに行いたい」「乾いた洗濯物の収納をラクにしたい」など、家族ごとに目的は異なります。日々の生活や家事で優先したいことがはっきりすれば、どの部屋とつながる場所に配置すればよいのか、決めやすくなるはずです。これから注文住宅で家づくりを検討している方は、家族みんなが利用しやすく、動線の流れがスムーズになるよう話し合うことが大切です。

また、出入口に扉をつけない選択肢もあります。スムーズに出入りができ、空気が入れ替わり通気性を保つことができます。来客時に中が見えてしまう、着替えをするのに気になるなどの場合は、さっと目隠しができるロールススクリーンを取り付けるといいでしょう。

スペースに余裕を持たせれば、ゴルフバッグや旅行バッグ、アウトドア用品などの大きな荷物から、トイレットペーパーやキッチンペーパーなどの日用品、飲料水や非常食といった防災用品など、長期間保管が必要なもののストック場所としても活用できます。

特に、防災対策として有効なローリングストックを行う場合は、キッチンやリビングなど、普段から行き来しやすい場所にあるファミリークローゼットを活用するのもおすすめです。

もしもに備える!防災グッズで実際に役立ったものは?必需品リストや置き場所のアイデアも紹介

ローリングストックとは? 家庭の防災備蓄の方法とストック品の具体例、収納のコツを解説


ポイント3:ファミリークローゼットのタイプや形状を考える

前述したようにウォークインやウォークスルーといった2つのタイプがあります。収納量を優先したいのであればウォークインタイプ、効率的な動線を考えて収納スペースと通路を兼用するのであればウォークスルータイプを検討すると良いでしょう。そして、収納するものの量や大きさを考慮して、U型やL型などの収納棚の形状を選ぶようにしましょう。

また、上のデメリットのパートで「ある程度のスペースが必要になる」とお伝えしましたが、下記の間取りはファミリークローゼットとして4帖の広さを確保しつつも、LDKや主寝室、洋室も十分な広さを確保しています。

これは、3方向から出入りできるウォークスルータイプのファミリークローゼットにし、廊下としての機能も兼ねることで、スペースを有効活用できているからです。

また、この間取りであれば、「各居室との行き来が必要になる場合もある」「プライバシーの確保がしづらくなる」といったデメリットについても、各部屋からアクセスの良い場所にレイアウトすることや、各部屋にも収納を設けてファミリークローゼットと使い分けることでデメリットを解消できます。

朝の準備の時間帯に、肌着などの着替えは各人が個室で行い、その後洗面室で歯磨きやメイクを済ませたら、ファミリークローゼットにあるコートやジャケットを羽織って出かけるといった具合に、身支度をスムーズにできるでしょう。


ポイント4:今のライフスタイルやライフスタイルの変化を想定しておく

今の使いやすさはもちろん、将来的な使い方も考えておくことも大切です。例えば、お子さまが進学や就職で独立すると、ファミリークローゼットが必要なくなる可能性もあります。その場合は、書斎や趣味の部屋、家事室など別の部屋にリフォームすることを想定し、間取りを考えておくと良いでしょう。

また、家族のライフステージの変化に伴い、収納物の種類や量も変化していきます。そこで、棚板は高さを変更できる可動式のものを選ぶ、市販のプラスチック収納なども組み合わせるなど、しまうものの変化に柔軟に対応できるようにしておきましょう。


ポイント5:必要なモノや設備を考える

「湿気やニオイがこもりやすくなる」というデメリットも解消可能です。

クローゼット内に湿気がこもると、大切な衣服が傷んでしまう可能性があります。そこで、換気扇を設置すると空気の循環がスムーズになります。ニオイ対策としても効果が期待できます。

また、コンセントを設置して除湿機やサーキュレーターを置くと、湿気対策の効果をより高められます。コンセントがあれば、掃除機やアイロンなどの使用もできます。

そのほか、洗濯物で両手がふさがっていても灯りがつく人感センサー付き照明や、ファッションチェックのための大きな鏡など、用途に合わせたモノや設備を検討しましょう。

ファミリークローゼットのある間取り事例5選。工夫満載の建築実例もチェック

高知展示場(高知県高知市高須1丁目15番21号 高新住宅総合展示場Lim(ライム)内)

暮らしを便利にしてくれる、ファミリークローゼットを採用した間取りを5つご紹介します。住む人のライフスタイルに合わせて、どんなアイデアがあるのか、家づくりの参考にしてください。建築実例もあわせてチェックしてみてください。


1. 玄関に設置したファミリークローゼット

玄関のすぐ隣に大容量のファミリークローゼットを配置した間取りです。アウトドア用品といった外で使うアイテムから、コートや鞄の収納スペースとしても活用できます。お出かけのときにはサッと衣服を羽織ることができ、帰宅した際には花粉やホコリの付いた衣服をリビングなどの室内に持ち込まずにすみます。洗面スペースを近くに設けることで、帰宅後の手洗いもスムーズです。リビングはもちろん各居室からのアクセスも良好なので、すっきり片付く暮らしを実現できるでしょう。


2. 3方向から出入りできるウォークスルータイプのファミリークローゼット

キッチンと洗面スペース、寝室、3つの空間へつながるファミリークローゼットのある平屋の間取りです。朝起きたらすぐに身支度を始めることができ、キッチンで朝食の用意、洗面室では洗濯をスタートするなど、回遊動線で家事を手際よく行える設計がされています。さらにファミリークローゼットと直接つながる主寝室のほか、それぞれの子ども部屋とも行き来がしやすいため、それぞれの部屋に必要な収納スペースを縮小し、その分部屋を広くすることもできます。


3. 家事ラクを叶えるウォークスルータイプのファミリークローゼット

洗面室の横にファミリークローゼットを設置した平屋の間取りです。ファミリークローゼットの右側には南面からたっぷりの光を取り込めそうな部屋干しスペースもあります。これにより、洗う→干す→収納するという一連の洗濯家事がスムーズになります。

寝室や洋室など各部屋に収納を設けず、ファミリークローゼットなどの共用スペースにまとめているため、各部屋はスッキリとしています。もし、お子さまが大きくなり、自分の部屋に衣類を収納したいとなった場合は、ハンガーラックを置くなどの対応で、各部屋に収納スペースをつくることもできます。


4. どこからでもアクセスしやすいファミリークローゼット

家の中央にファミリークローゼットを配置した平屋の間取りです。洗濯スペースはもちろん、寝室や洋室からもアクセスしやすい場所に配置されています。

また、ウォークインタイプでクローゼットの入口も来客動線(玄関からリビングに向かう動線)とは反対にあるため、家族のプライバシーを守るためのアイデアが詰まったレイアウトです。


5. 2階の階段横に設けたファミリークローゼット

階段をあがった2階にファミリークローゼットを設けた間取りプランです。 このプランは、すべての個室の収納をファミリークローゼットに集約しているわけではありません。寝室とその隣の洋室には収納スペースがありませんが、一番右の洋室にはクローゼットが設置されています。 例えば、家づくりの段階で、自分の衣類は自分の部屋に収納したいお子さまがいる場合は、このような間取りプランもひとつの選択肢となるでしょう。

建築実例:収納量たっぷりのファミリークローゼット

建築実例:玄関横に設置された大きなファミリークローゼット

建築実例:通路を兼ねたファミリークローゼット

ファミリークローゼットのある暮らしをイメージしよう

ファミリークローゼットはさまざまな使い方ができ、暮らしを便利にしてくれます。その一方で、今のライフスタイルにあった使い勝手の良さだけを考えて設置してしまうと、将来使いづらくなる可能性があるなど、注意すべきこともあります。

なので、家づくりのために、ファミリークローゼットの設置を検討している方は、家族の今とこれからを考えることがポイントになります。

まずは、展示場に足を運んでその魅力を体感してみたり、実例にある収納アイデアを確認したりと、ファミリークローゼットがある暮らしをイメージすることから始めてみてください。


住友林業の展示場はこちら

住友林業の実例(施工例)はこちら

住友林業のカタログはこちら

住友林業のInstagramはこちら


<関連記事>

もしもに備える!防災グッズで実際に役立ったものは?必需品リストや置き場所のアイデアも紹介

ローリングストックとは? 家庭の防災備蓄の方法とストック品の具体例、収納のコツを解説

冬服収納の悩みを解決! スッキリ&清潔に収納するコツは?

この記事をシェアする

おすすめの記事 Recommended Articles

もっと見る

カテゴリ一覧

  • 暮らしのおかたづけ
  • わたしらしさを楽しむ家づくり
  • みんなのいえかぞくのへや
  • ステキに子育てLIFE

ページトップへ