【木の効果】
研究成果ライブラリー

住友林業
E14
  • 快適性効果

木の「節」は
あたたかく柔らかいイメージ

ここがPoint!
  • 節の量で印象が変化
    木目模様の中の節の量を変えて印象評価を比較したところ、節がある方があたたかい、柔らかい印象が高かった!
  • 節を使いたい空間を聞いてみると…
    節のある木材を使いたい空間は、高齢者施設は低く、子供部屋では高くなる傾向。
  • 節の使い分けでよりよい空間に
    節の有無や量などを使い分けることで、部屋の用途により適した空間ができそう。

1.背景・目的

針葉樹材の用途拡大や高付加価値化のためには、今後構造材だけでなく内装材として用途展開していくことが必要。また、内装用途と一口に言っても、使われる場所は、住宅のほか学校や高齢者施設をはじめとする非住宅施設など様々。本研究では、針葉樹材表面に現れる節が、内装材の見た目の好ましさに与える影響を評価するとともに、使用が考えられる場所の影響について検討した。

2.実証概要

節の量と見た目の好ましさを検討するため、節の無いものから多いものまで4水準設定。また、内装材が使われる場所が、見た目の評価にどのように影響を与えているのかを評価するため、住宅のほか、使用が期待される老人ホームや学校などの画像を作成して被験者に提示、指示された場所をイメージして、節のある内装材の印象を評価してもらった。評価は、2014年7月と11月に実施。画像は、22インチまたは23インチディスプレイを用いて被験者に提示し、場所ごとに、節の面積率の異なる画像がランダムに表示されるようにした。

  • 提示空間画像:住宅が、リビング・主寝室・子供部屋の3条件
    非住宅が、保育園・学校・養護施設・老人ホームの4条件
  • 節の面積率:0% 0.46% 0.86% 1.32%の4水準にて壁材のCGを製作し、対象となる場所の画像に合成した【図1、図2】。
  • 樹種:木目の影響の少ないトドマツ材とした。
  • 評価指標:好ましさ、温かさ、落ち着き、高級感、開放感、調和、やわらかさ、個性、軽快感の9項目。
  • 被験者:20代から50代の男性12名、女性15名、計27名。
図1 節の面積率(4段階)
図1 節の面積率(4段階)
図2 空間提示例(子供部屋)
図2 空間提示例(子供部屋)

3.結果

すべての場所を対象とした印象評価への回答平均値の結果を図3に示す。無節(0%)と比べて節の面積率が高い(0.86%、1.32%)方が、「温かさ」や「やわらかさ」「個性」は増す傾向となった。

図3 印象評価結果
図3 印象評価結果

すべての場所を対象とした主成分分析の結果を図4に示す。好ましさと特に相関の高い印象は「落ち着き」「調和」であった。第1主成分(調和・落ち着き・開放)、第2主成分(個性・温かさ)、第3主成分(高級・やわらか・軽快)について、条件ごとに主成分得点を算出し、図5に示した。

図4 すべての場所を対象とした主成分分析の結果
図4 すべての場所を対象とした主成分分析の結果
  • 節の量が増加すると好ましさとPC1が低下する場所(子供部屋・保育園・老人ホーム)、節の面積率0.46%(適度にある)で好ましいとされる場所(居間・養護施設)、明確な傾向がない場所(学校)が見られた。
  • 子供部屋・学校・養護施設・保育園といった子供の使用する場所では、居間・老人ホームと比べて、節の面積率が増加しても好ましさの低下の度合いは小さかった。
  • 聞き取り調査から「お年寄りの過ごす場所で、あまり節が多いと落ち着かないのではないか」など、年齢に関するコメントがあった。
図5 評価に使用した画像および各節面積率の水準における好ましさと第1主成分~第3主成分(PC1~PC3)の結果
図5 評価に使用した画像および各節面積率の水準における好ましさと第1主成分~第3主成分(PC1~PC3)の結果

4.考察

  • 節がない場合と比べて、節がある方が、「温かさ」や「やわらかさ」「個性」は増す傾向となった。
  • 子供部屋、学校、養護施設、保育園といった子供が使用する場所では、その他の空間と比べて、節が増加しても好ましさの低下の度合いは小さかった。施工される場所で想定される使用者の年齢層が関与することが推察された。
引用文献:
「使用場所が針葉樹内装材の見た目の評価に及ぼす影響」第65回 日本木材学会大会(2015年,東京)