自然あふれる富士山2合目の「まなびの森」フォレストアークから
四季折々のようすやボランティア活動についてお伝えします。
みなさん是非「まなびの森」へ足をお運びください。
お待ちしております。
富士山「まなびの森」フォレストアーク副館長・管理人
沢田明宏
真冬の「まなびの森」でとにかく目につくのは地面から立ち上がる大きな霜柱です。時には10㎝を越えて大きくなり、昼間もとけないままとなります。
葉が落ち切った冬枯れの森は見通しが大変良く、東は伊豆半島から駿河湾を挟んで西の美保の松原までが樹々の間から望まれます。写真でご紹介できないのが大変残念です。
樹の上を見上げると、高い場所に丸いボール状の塊となっているヤドリギがあります。ヤドリギは常緑の半寄生植物で落葉広葉樹の枝や幹に根を喰い込ませるようにして生長しています。ヤドリギは自分で光合成していて、ミネラルを含んだ水分を取りついた樹からもらう半寄生と言うことになります。西洋ではヤドリギは古くから神聖視され、森の精が宿ると言うことからクリスマスに家の玄関につるされたりしています。
ほとんどのヤドリギは高い枝にくっついていますが、たまに2~3mほどの高さにあったりします。
「まなびの森」プロジェクト開始25周年と世界文化遺産登録10周年と言う富士山にとって記念すべき2023年もいよいよ終わります。
1年間ご愛読ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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寒さで10㎝以上と大きく育った霜柱
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ヤドリギの黄色い実は冬の野鳥の大好物
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3mほどの高さにあるヤドリギ
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早朝に飛行機の窓越しに眺めた富士山 左下には箱根の芦ノ湖が見えている
今年は大きな台風がなく、木の葉が風で擦れあうことが少なかったこともあって、紅葉が色鮮やかだったように感じます。そんな11月の初めに一晩強い風が吹いたことで、樹々の葉っぱが一気に吹き落とされました。フォレストアークの黒い屋根に大量の落ち葉が積もり、見た目には茶色い草葺きの屋根と見紛うばかりになりました。こんな風景とは初めて出逢います。
里山などのドングリ類の実りが少ないことがニュースになっていますが、「まなびの森」では今年ケヤキとツルマサキの実りが目立っています。
ケヤキはフォレストアークの周囲にまるで小粒のアラレを撒いたようにたくさん実り、ツルマサキは離れたところからでもハッキリ見えるほどに多くの赤い実をつけています。特に、ツルマサキは冬の野鳥の大好物なので、給餌にたくさんのヤマガラやシジュウカラ、アトリなどの鳥たちが集まってきています。
落ち葉の上に動物の糞を見つけました。大きさと見た目、色の違う2つの糞が重なるように落ちていました。下側の少し太めの糞には毛が交じっていることから恐らくキツネのものでしょう。その上に重なるようにあるものはそれより細く、小指ほどの太さで色も黒くて植物の種がたくさん交じっていることからテンの落とし物でしょう。どうも、身体の小さなテンが、自分より体つきがずっと大きなキツネに対して縄張りを主張しているとしか思えない様子を想像するとなんとも微笑ましいではありませんか。
森は完全に冬枯れとなって見とおしがよくなり、鳥の姿も良く見える冬の到来となりました。
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西臼塚駐車場の真っ赤に色づいたモミジと富士山
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林床にくり広げられた「葉っぱの錦」
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今年はツルマサキの赤い実が豊作です
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ある日、強風でフォレストアークの周りの樹々が一気に落葉し、屋根が枯れ葉で埋め尽くされました
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この冬の初霜となります
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ナナカマドの赤い実が沢山
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青空に映えるナナカマドの実
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2種類の糞が重なるようにありました 大きいのがキツネ、小さいのがテンと思われます
里ではなかなか秋が訪れませんでしたが、「まなびの森」は10月に入ると少しずつ紅葉が始まりました。紅葉の始まりの時期は緑の中にチラホラと赤、橙、黄が見え隠れしているだけですが、しだいに色づきが拡がっていきます。
秋はなんと言ってもキノコのシーズンです。恒例のハタケシメジを始め今年は夏の猛暑が影響したのか、キノコが沢山発生しました。中でも、ヌメリツバタケモドキはあちこちの樹の幹に沢山発生しました。また、毒キノコであるツキヨタケも多く発生しました。ニュースではツキヨタケによる食中毒が度々報じられていました。ムキタケやヒラタケ、場合によってはシイタケなど美味しい食菌と見間違われることで食中毒が起きるのですが、ツキヨタケは二つに割ってみると付根に黒いシミがあることで見分けられます。
今年は2年振りにシイタケにも出会いました。なかなか天然のシイタケには出会えないので嬉しい限りです。
雨水枡の中の落ち葉などを掃除していた時、モゾモゾと飛び出してきたものがいました。初めは泥まみれで良くわからなかったですが、落ち葉の中で冬眠の準備をしていたモリアオガエルでした。
秋は小学生が自然体験教室に訪れ、自然ガイドの案内で半日森の中で過ごします。森を散策しながら1人1枚の落ち葉を思い思いに集めてくると「森のステンドグラス」ができあがります。陽にかざして見ると色も形もさまざまで、自然のアート作品の仕上がりに子どもたちの歓声が上がります。
「まなびの森」はまもなく初冬を迎えようとしています。
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赤、橙、黄、緑とコハウチワカエデが葉の錦を織りなしています
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紅葉のグラデーションがみごとに陽に映えています
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スラッと20㎝以上伸びたオオツルタケ
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美味しそうな食菌に見間違われる有毒のツキヨタケ 2つ割りした付根の黒いシミが識別ポイント
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倒木から発生したシイタケ
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シイタケ
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樹の幹にヌメリツバタケモドキがびっしりと発生しました
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ヌメリツバタケモドキ
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堆肥と化していた落ち葉の中で冬眠の準備をしていたモリアオガエルのメス
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森の散策中に子どもたちが一人一枚集めてでき上った「葉っぱのステンドグラス」