自然あふれる富士山2合目の「まなびの森」フォレストアークから
四季折々のようすやボランティア活動についてお伝えします。
みなさん是非「まなびの森」へ足をお運びください。
お待ちしております。
富士山「まなびの森」フォレストアーク副館長・管理人
沢田明宏
今年の5月は夏のような暑いの日があったかと思えば、急に冷え込んだりと、気温の寒暖差が大きかった印象です。また、5月には珍しく大雨の日もあり、天候は不順気味でした。
そんな中、「まなびの森」では、ブナを皮切りに、カエデ類が次々と若々しい新緑の葉を広げ、最後にケヤキが展葉するという順番で、森全体が淡い緑に覆われていきます。
林床ではヤマシャクヤクが真っ白の玉のような蕾を膨らませ、ヤマクワガタやツルシロカネソウが白い花を咲かせ競い合っています。また、葉緑素を持たないギンリョウソウの半透明な白い花も見られます。全体は半透明な銀色ですが、花の中心部の雌しべは青色、それを取り巻く雄しべは黄色で、覗きこむように見ると美しさが増します。
ゴマギも白い花を咲かせています。この木の葉を揉むと煎りゴマのような香ばしい匂いがします。ただ、人によってはゴムが焼けたような匂いと感じる場合もあります。臭いから連想する感じ方は色々で面白いです。
この季節の花々は白色が圧倒的多数を占めていますが、ごくわずかに赤系のものが見られます。それはヤブウツギとサラサドウダンです。ヤブウツギはスイカズラの仲間で、花の付け根を吸うとほんのりと甘い蜜が味わえます。
古い朽ちかけた切り株からブナの実生が芽生えていました。これにはビックリしました。去年は全国的にブナの実の凶作で、「まなびの森」も例外ではありませんでした。
明るい林縁でホウチャクソウの花を見かけました。シカの大好物であるこの植物は「まなびの森」の中ではほとんど花を見ることがありません。この植物の名前の由来は花の形がお寺の屋根の4隅から吊り下げられている宝飾に似ているから、だそうです。
森の中に変わった形のキノコが発生していました。キツネノロウソクです。胞子が熟すと白い卵の中にギュウっと折りたたまれたようなキノコ本体がにょきにょきと伸びてきて姿を見せます。一番先端部の黒緑色の部分はネバッとした粘液状で、その臭いは糞尿のようです。その臭いでハエなどの昆虫を引寄せ、命を繋いでいく胞子を散布してもらっています。
こうして5月も終わりに近づくと、森は深い緑の夏色となっています。その頃に花を開くのが大きなホオノキです。白いホオノキの花びらの一片は15cmはあります。恐らく、日本の樹木の花の中で一番大きな花を咲かせているでしょう。
そして季節はドンドンと夏に向かって進んでいきます。
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新緑の森はとても美しい
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ヤマシャクヤクの真っ白な美しい花
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ギンリョウソウはベニタケの仲間(キノコ)の菌根を経由して樹木から栄養をもらっている
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サクラ類の中では一番遅く咲くタカネザクラ
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ゴマギの白い花 葉っぱをもむと煎りゴマのような臭いがします
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ヤブウツギの紅色の花
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赤のグラデーションがなんとも美しいサラサドウダン
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ブナの実生 今年はとても珍しいシーンでした
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ホウチャクソウの花 緑のグラデーションが美しいです
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キツネノロウソクはとても変わった形ですが、キノコの仲間です
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森は5月末には夏の装いの深緑に
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その頃に大きな花を咲かせるホオノキ
4月を迎えると森はいろいろな花で彩られるようになります。早春の妖精とも称される草花が多く、コガネネコノメソウ、ユリワサビ、ヤマエンゴサク、フデリンドウなどが次々とかわいらしく咲いています。
そんな中、葉のない寄生植物のヤマウツボが花をつけています。地面からむっくりと薄紫色の太い茎にたくさんの小さな花がついている姿はなんとも不思議なようすです。
3月初めに芽吹いたバイケイソウは元気にスクスクと育ち、まだ樹々が芽吹く前の明るい林床を独占しています。
4月第一週が過ぎる頃にマメザクラが開花し、10日間ほどで満開を迎えました。毎年、かわいらしく咲くマメザクラに魅了されます。
今年の4月は、雨が多く寒暖差の大きい天候が続きました。そのせいか、樹々の芽吹きが例年より少し早いように感じます。イタヤカエデの新芽は芽吹いてから数日は小さな"蛙手"のようですが、あっという間に展葉し立派な若葉へと育ちます。
4月終わりになると雨水の溜まった溝でモリアオガエルが恋の相手を求めてケロロッ、ケロロッと可愛らしく啼いています。
春から初夏へと季節は足早に進んでいきます。
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早春の草花の一つ、コガネネコノメソウ
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バイケイソウがスクスクと育ってます
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雨上がりのコケの朔(胞子ができる部分)に水滴が残っていてなんとも美しいです
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ユリワサビが満開に
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バッコヤナギ(別名、ヤマネコヤナギ)の花
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マメザクラが数輪やっと開花
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10日後にはマメザクラが満開に
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ヤマエンゴサクの花
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早春の草花トリオのシンガリはフデリンドウ
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ヤマウツボは寄生植物なので無葉です
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イタヤカエデの若葉、カエデは“蛙手”
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ミヤマハコベの花、一見花びらが10枚あるように見えるが、実は切れ込み深いハート形の 花びらが5枚
2月末から比較的暖かな日が続いていました。そのため、3月5日には早くもバイケイソウが新芽を芽吹きました。ほかにオニシバリも目立たない花を開花させましたが、地表に花を咲かせる草本はまだ姿を見せません。ミツマタの蕾もまだ固いです。
3月中旬、朝出勤するとフォレストアークが白く雪化粧していました。でも、いつもと少し様子が違います。樹々の上にほとんど積もっていないからでした。地表には5~6㎝積もっていますが、よく見ると降ったのは2~3㎜の丸い霰(あられ)でした。霰は降っても樹々の上に留まらず、そのままコロコロと転がっていくということを初めて知りました。
積もった霰が融けたころ、ミツマタが開花して辺りを甘い薫りに包んでいました。
フォレストアーク近くの水場にヒレンジャク(緋連雀)の群れが訪れたのがセンサーカメラに写っていました。北東アジアやシベリアなどで繁殖し、冬に日本などにやって来る冬鳥ですが、毎年見られるものではないそうです。1月、2月の鳥獣生息調査でもここ数年は記録がありません。12枚ある尾羽の先端が赤いのが名前の由来となっています。姿かたちが似ているキレンジャク(黄連雀、こちらは尾羽の先端などが黄色)と共に平安時代から連雀の名前で知られていた鳥だそうです。
今年は例年より少し早く、3月9日に企画懇談会を開催しました。今年も、昨年の活動・調査報告と今年の活動計画の発表に活発なご意見をステークホルダーの皆さまからいただきました。今年も安全・安心をモットーに円滑に活動をつづけていきたいと考えております。
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2月末からの暖かさに誘われ新芽をもたげたバイケイソウ
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3月12日に再びフォレストアークは真っ白に、ただ今回は…
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雪ではなく、霰(あられ)でした
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木の幹に生えているコケの上に降り積もった霰
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青空をバックに開花したミツマタの花
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水場に群れるヒレンジャク7羽、これは3月初めのデータ回収時の写真(2月15日撮影)
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企画懇談会で植生調査について発表されている東京農工大 吉川准教授








































