お客様の「ありがとう」という言葉に、
設計の仕事のやりがいが詰まっている。
お客様の想いをカタチにすることが設計士の役割です。そのため私たちは、ご契約の前から営業担当に同行してヒアリングを開始します。お客様の家づくりのイメージや夢、現在の住まいへの不満や悩み、新しい家への要望や希望など、早い時期からお客様のニーズ把握に努めます。どのような間取りを望んでいるかは大切な要素ですが、お話を伺っていく中でお客様のことを理解し、そのお客様だけの特別な家をつくりあげていくという気持ちで臨んでいます。お客様がずっと長く暮らしていく家です。100%満足していただける家を提供したい。そのためには、何が気になっているか、何にこだわっているか、お客様が明確に言葉にできない部分を、表情や雰囲気から汲み取り、お客様の本音を把握することが大切だと思っています。数ヶ月の打ち合わせの中で築いたお客様との関係は特別なものです。たくさんの思い出を胸に迎える引き渡しの日、お客様の「ありがとう」という言葉に、この仕事のやりがいが詰まっていると思います。この日に向けて準備してきたこと、苦労したこと、厳しい局面を乗り越えてきたことすべてが、「頑張って良かった」に変わる瞬間です。
お客様と自分の想いが、
リンクする瞬間を求めて。
入社2年目、初めてゼロから手掛ける注文住宅を担当しました。お子様が3人いるご家族。提案した間取りプランに納得いただき契約に至ったのですが、契約後、詳細な設計に入った段階で、お客様から新たな要望が示されました。実は、契約の際に、お客様は言葉にしなかったものの、「満足していないのでは」という感触はあったのです。お客様のご要望のキーワードは「開放感」。3Dでは自分の想いは伝わらないと思い、手書きの図面で複数案を作り、それぞれの間取りのメリット、デメリットをまとめた資料を用意しました。そして、複数ある案の中でも私が一番お勧めできる案を説明した際、お客様の表情が変わったのです。「これだ」と。私の想いとお客さまの想いがリンクした瞬間でした。嬉しさと同時に、お客様に満足していただいて、計画を進めていくことがとても大切であることを痛感しました。採用された案は、広がりのある空間演出のために扉は出来るだけ設けず、吹き抜けと階段の効果的配置で開放感を感じられるというもの。引き渡し後に訪問した際、お客様の喜びの表情、感謝の言葉が強く印象に残っています。この初めて手掛けた注文住宅は、現在に至る私の設計士としての考え方や行動の基礎を形づくった案件です。
「初心」を忘れずに、
設計士として成長していきたい。
設計士は着工後も現場を訪ね、図面通りに建築が進んでいるかどうか、納まりなどに問題はないかなどの確認を行います。初めて手掛けた注文住宅の施工現場を訪ねた際、お客様と打ち合わせを重ねて決定した間取りが、実際に建っていること、一本の線が壁になり、空間になることに、大きな責任を伴う仕事と思いながら、とても感動しました。自分の思い描いたイメージがカタチ=立体になる。それは設計士だから味わえる、仕事の醍醐味だと感じています。私にとって、初めて手掛けた注文住宅がすべての出発点であり、その初心を忘れないためにも、当時の資料を手の届くところに置いています。日々仕事をする中で、今やっている業務は何のためにやっているのか、誰のためなのか。その原点に立ち返ることが「初心」であり、今後もその気持ちを大切にしていきたい。一級建築士の資格取得と社内コンペへの挑戦が当面の目標ですが、家づくりの知識、経験を蓄えて、幅広い年齢層のお客様にベストな提案をできる設計士に成長していきたいと思っています。また、女性ならではの人生経験や生活体験を家づくりに活かしていきたいと考えています。
設計士の目線ではなく、お客様の立場に立って行動することが、私にとっての本気です。かつて、なかなか打ち解けてもらえないお客様がいました。打ち合わせでは「設計の女の子」と呼ばれ、すごいショックでした。その後、本気でお客様の立場に立って対応する中でお客様にも変化が現れ、最後はファーストネームで呼ばれる関係を作ることができました。お客様の立場に立つ大切さを実感した経験です。